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【地域おこし協力隊】子どもが喜んでいる姿を見るのが一番の幸せです|宮崎県小林市・伊藤斉

地域のリアルな暮らしを、現地で暮らす人たちに聞いてみたい──そんな想いから、地域おこし協力隊の皆さんに15の質問をさせてもらう企画。今回お話をうかがったのは、霧島連山の湧き水が湧く町として知られる、宮崎県小林市で暮らしているデザイナーの伊藤斉さんです。

宮崎県小林市のコスモス

Q1:自己紹介をお願いします

新宿生まれの渋谷育ち。伊藤斉です。

東京で働いているときからメーカーのデザイン部署や、デザイン事務所でグラフィックデザインの仕事をしてまして、2013年に宮崎県小林市に移住しました。

デザイナーになった理由ですか? モテたかったからですね(笑)。デザイナーっていう横文字がカッコいいなあって思って始めたのですが、20年経ちました。

宮崎県小林市のポスター
designed by 伊藤斉

パッケージのデザインをするが一番好きですね、世に残って、幅広い世代に末永く見ていただけるから。前職では電卓や防犯ブザーのパッケージデザインなどをしていたのですが、今でも電気屋さんに行くとあるので、うれしいです。

Q2:取り組んでいる活動を教えてください

宮崎県小林市のポスター
designed by 伊藤斉

行政関連のデザインの仕事、例えばイベントのポスター・チラシ制作ですね。また小林市を市外・県外の人たちに宣伝するシティセールスのグラフィック関連の仕事をしています。

小林市の地域おこし協力隊は副業をすることができるので、その他にも、お知り合いになった農家さんの商品のパッケージやカタログのデザインなどをしています。

Q3:地域おこし協力隊を始めたきっかけを教えてください

宮崎県小林市地域おこし協力隊 伊藤斉さん

妻と子どもが宮崎県小林市に移り、その後を追って移住

地域おこし協力隊をしたくて小林市へ移住したというよりは、移住することが第一の目的でした。じつは妻と子どもが、僕が移住する1年前の2012年に、原発の事故の影響を考えて小林市に移住したんです。当初は1年間で東京に戻ってくることを考えていたんですけど、妻と子どもは帰ってくる気配がない(笑)。じゃあ僕が小林に行くか、ということなりました。

小林市に移住を決めた理由は単純です。農業をしながらその地域の暮らしを体験する、農家民泊ができるプログラムがあって、それに参加していろんな地域を巡ったんですが、子どもが小林市を気に入ったんです。田舎暮らしに憧れて移住したというよりも、家族との暮らしを考えて移住し、地域おこし協力隊になりました。あとは東京にずっと住んでいたので、東京は1回くらい出たいなっていう気持ちは、20%くらいはあったかな(笑)。みなさんと協力隊を始めたきっかけは、ちょっと違うかもしれませんね。

Q4:地域暮らしの魅力を教えてください

宮崎県小林市地域おこし協力隊 伊藤斉さん

子どもが喜んでいる姿を見れるのが、一番自分の幸せです

小林市は、田んぼや森や畑だけに囲まれているような地域とは違って、町になっているから不便がないのが魅力です。さっきもお話しましたけれど、田舎暮らしをしたくて移住しているわけではないですし(笑)。小林市の中心部は日常生活に不便しない町ですが、車で10分走れば豊かな自然があります。ド田舎過ぎず、都会過ぎず、両方を楽しめるちょうど良い塩梅で良かったと思っています。

宮崎県小林市。子どもの写真

結婚して子どもができて、子どものために生きる比重が大きくなってきています。移住して、子どもが喜んでいる姿を見られるのが、一番の幸せです。場所を問わずに働けるデザイン業に就いていてよかったと、実感しているところです。

Q5:心に残る体験を教えてください

一番印象に残っているのは、 協力隊で隣の市に行き、月1回行われる軽トラ市みたいなものに参加して、小林市の食材などを物販したことです。

そもそも、今はデザインをベースに地域おこしや定住に向け活動していますが、着任した当初は、何をやっていいかわかりませんでした。同期に3人の協力隊がいたからこそ、いろいろな活動を一緒にできたのだと思います。 物販することはいままでなかったのでとても貴重な体験になりました。

Q6:町のおもしろい人を教えてください

ミニトマトの農家さんなのですが、それだけに留まらず、自分たちで加工品を作り販売までしています。最近では販路もどんどん広がっている。見ていてとてもおもしろく、勉強になります。

Q7:同世代でおもしろい人を教えてください

  • 木下友和さん・さゆりさん(鉄木布工房 of 鉄と木と布でモノ作り)

宮崎県えびの市で、鉄木布(てつきぬの)工房を営んでいます。 鉄・木材・布をベースに夫婦でモノ作りをしています。とてもすごい夫婦です。

Q8:地域での失敗談を教えてください

畑ではじめました

地域のいろんな方に農業を教えてもらって失敗しました

家庭菜園を始めた当初、やり方をいろんな方々に教えてもらい過ぎたことかな……。農業の方法は、それぞれのやり方があるんです。みんなが農業のプロだから、ある人に教えてもらった方法を実践したら、「こっちのやり方のほうが良い」と別の方に注意されたことがあります(笑)。皆さん本当にプロなので、それぞれこだわりのやり方があるんだなあと実感しました。

それにしても家庭菜園はおもしろいですよ。ブロッコリーを育てていたら、苗がひとつ間違っていたらしく、カリフラワーができたこともありましたね(笑)。

Q9:あなたが考える地域の課題を教えてください

みんな人が良すぎて、競争心に欠ける?

じつは課題ってあんまりないような気もしますが、強いて言うなら、この地域の方はみんな優しくて、地域おこし協力隊をはじめ外から来る人が何かしたいと提案すると「どうぞやってください」と言う。みんな人が良すぎて、競争心が足りないなあとは感じますね。地域を盛り上げたいなら誰かに頼るのではなく、自分たちでもっと積極的に動いていくべきだとは思います。

Q10:好きな地域のごはんを教えてください

鯉の洗いと、鯉コク

鯉の洗い(お刺身)と、鯉コク(鯉の煮汁)……あとは地鶏のたたきがスーパーで売っているんです。しかも安い。ついつい、奥さんと子どもがいないときは買っちゃいますね(笑)。

Q11:ウェブでは知れない地域のことを教えてください

宮崎県小林市地域おこし協力隊 伊藤斉さん

親が参加する学校行事が多い

親が参加する小学校の行事がすごく多いんですよ。自分が東京で育った小学生の頃、こんなに学校行事に親は参加しなかったからそう感じます。例えば運動会の前日、半日かけて会場の設営をするんです。竹を切って運動会用の競技用具をつくるところからやりますから、それはもう大変ですけど、おもしろいですよね。

運動会当日も、校庭の裏側までテントが張り巡らされているので、結局大会の様子が見れない(笑)。自分の子どもが走るときだけ、グラウンド側に観に行くんです。そういうのがおもしろいかな。

Q12:町で尊敬している人を教えてください

  • 泉の鯉(鯉が食べられる和食店)・E villageのオーナー (自然食品販売、レストラン)

自分が起業とかフリーランスとして仕事をしようと考えているので、町で起業している方をすごく尊敬しますね。

Q13:注目している地域おこし協力隊

  • 勝本哲也さん(宮崎県小林市地域おこし協力隊)

まだ移住して2年経っていないくらいなのに、自分で農地を作って、かつ地元に馴染んでいるのはすごいなあと思います。僕は自分からは馴染めないタイプで、先に移住して友人の多かった奥さんに甘えてしまいました(笑)。

Q14:任期後の進路を教えてください

宮崎県小林市地域おこし協力隊 伊藤斉さん

フリーランスデザイナーとしての活動を100%に

小林市に定住して、起業することですね。起業といっても、法人にする気はありません。協力隊の活動と並行してやっているフリーランスの活動を100%にしていきます。

東京で勤めていたときの会社や、東京から長崎に移住して仕事をしているデザイナーにちょくちょくお仕事をいただいたりしているので、宮崎や長崎、東京の仕事をバランスよくできるのが理想です。ただたまには地元に帰って、高校の友だちとも飲みたいですし、小林で地元の人とももっと一緒に飲みたいですね。

Q15:これから地域おこし協力隊へ応募しようと思っている人へのアドバイス

宮崎県小林市地域おこし協力隊 伊藤斉さん

目標や思い描く理想を持って移住しよう

移住して地域で暮らしていると、「東京は嫌いな場所」とか「都会にいると疲れてしまう」と、よく言われます。

でも僕は東京生まれ、東京育ち。好きな場所だから、悪く言われたくないんです。今でも東京に遊びに行きますからね。

わざわざ住み慣れた土地を離れるからには、何か目標を持ったり、自分で思い描くものを持ったりして移住するほうが、それを実現するためにがんばっていけると思います。つまりなんとなく地域に来ちゃったら、つまんないぞってこと(笑)。地域おこし協力隊に限らず、地域に移住する方全般に言えることですね。

宮崎県小林市で撮影した虹

僕だって、この土地で家族と暮らすためにデザインの仕事を見つけようとしていなかったら、3年の任期を終えた途端に、東京に帰りたくなると思います。でも、ひとつ目標を掲げて活動していると、周囲に見てくださる人や、応援してくださる人が現れます。僕の場合は、いろいろな人からデザインの仕事をいただくことで、応援されていると感じています。そうすると、地域の暮らしがおもしろくなってきて、定住したいという気持ちが強くなるんだと思います。

(この記事は、宮崎県小林市と協働で製作する記事広告コンテンツです)

お話をうかがったひと

伊藤 斉(いとう ひとし)
1975年生まれ。東京都新宿区出身。専門学校卒業後、広告制作プロダクション・SP広告代理店・事務機メーカーのデザイン部でグラフィックデザイン業を約20年やってきました。その経験を生かし、現在は宮崎県小林市で地域おこし協力隊で活動中。2016年9月にはフリーランスとして始動します。

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探求者

小松﨑拓郎

ドイツ・ベルリン在住の編集者。茨城県龍ケ崎市出身、→ さらに詳しく見る

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