いつもと暮らし

【今日の一枚】みんないつも「今年の海はおかしい」と言うけれど|島根県海士町

「今年の海はおかしい」。海士町暮らし4年目ですが、この言葉を、島のどこかしらで毎年聞いている気がします。

2年前にシマメが獲れなかったとき「今年の海はおかしい」と誰かが言っていました。逆にシマメが大漁だった去年も、同じことを誰かが言っていました。そういえば今年は赤潮が少ない。海は、日々変化し続けているのかもしれません。

「今年の海はおかしい」というと、なんだか状況が悪いような気がします。でも、この台詞を毎年聞いていると、不思議と慣れてきます。

考えてみると「今年の海はおかしい」という言葉は、人間が自然の変化に順応しようとする様子を表しているようで、挑戦的です。けれど自然の立場に立ってみると、変化は当たり前のこと。島で語られるこの台詞は、滑稽で、人間の小ささが表れているように思えてくる。あらためて、自然の中に僕らの暮らしがあるとよくわかります。

今年の島の海は、海藻がすごく成長しています。「海中展望船あまんぼう」に乗ってみましたが、ホンダワラという種類の海藻が、海面までグンと伸びて海中が森のようになっていました。海の温度が温かくなると、この海藻は地面から抜けていくそうです。

森のような海中が見られるのは今の時期だけ。そう思うと「今年の海はおかしい」という言葉は、素敵な意味をもっていることに気づきます。

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太田章彦

1989年生まれ。海士町観光協会・マルチワーカー/写真作家。島根県出身。ビジュアルアーツ専門学校・大阪の写真学科を卒業後、祖父母の住む島根県浜田市弥栄町に移住する。そこで限界集落について作品制作を始め、「豊かさとはなにか」をテーマに作品発表(Nikon Juna21)。その後、島根県の隠岐諸島のひとつ海士町へ移住。「仕事」と「暮らし」と「写真」について考える。2015年6月にエプソンイメージングギャラリー「エプサイト」で個展「Stranger of islamd – 海士」を開催。

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