離れて暮らす母に、私は借りがある。それは、一輪のカーネーションを渡したところで、とてもとても返せやしない。
ナデシコ科ナデシコ属の多年草、カーネーションは母の日に贈る花として定着しています。ちょうど5月頃にピークを迎えるカーネーションは、四季咲きの花ですから、夏の暑さをやり過ごし環境が整えば、秋にも花を咲かせることがあります。
母には多くの迷惑をかけ、しょっちゅう心配させたけれど、私は常に無条件の庇護を受けてきました。
家族の愛情や思いやりは、カーネーションの花のようにはっきり目に見えるものではないし、季節を選ぶこともなかったように思います。
最近、母が「母」になった年齢に近づき、私も誰かのためにいか生きていくのもいいかもしれない、と思うようになりました。カーネーションの花言葉のひとつである「無垢で深い愛」って、きっとそういう気持ちなのでしょう。母が私にそうしたように、私は花を愛でているのだと気が付きました。
母へ。
絶好調ではありませんが、戸隠という離れた場所で、なんとか今日もやっています。
ありがとう。
このお花のこと
名前:カーネーション
種類:ナデシコ科ナデシコ属
開花時期: 4〜6月(9〜10月)
花言葉:「無垢で深い愛」「母への愛」(色によって花言葉は変わります)