霧島連山のすぐ目の前、スタイリッシュなデザインのコンテナハウスが存在感を放ちます。
「キレイビレッジ」は、小林インターチェンジから車で3分、北霧島エリアに建てられた、オートキャンプもノマドワークもできるコンテナ建築の宿泊棟。2018年、小林市のNPO法人によって設立されました。
日本ジオパークに認定された霧島、すみわたる空気、キラキラ輝く水、ゆっくり流れる時間、満天の星空、まだあまり知られていないパワースポット、そして温かい地元の人々。
北霧島にある豊かな自然の中では、都会では得ることが出来ない自分だけの過ごし方が叶います。
ココロとカラダをデトックス、明日への活力を取り戻して頂くそんな場所“ヒーリング・ビューティスポット「Kirei Village(キレイビレッジ)」”でありたいと願っています。
(キレイビレッジ公式HPより引用)
小林の街中から少し離れたところ、北霧島の自然の中に生まれたキレイビレッジは、どんな想いが託された施設なのだろう?
キレイビレッジのマネジメントをされている吉村さんにお伺いしてみると、この宿泊棟には「小林市街地を含む北霧島エリアの持つ宝を、存分に楽しむことができる拠点になりたい」という願いが込められていることを知りました。
「北霧島の自然を堪能してもらいたい」という想いから誕生したキレイビレッジ
「キレイビレッジができる前、小林に来られる方の宿泊施設と言ったら、そのほとんどが街中にあったんです。
けれど、街中のビジネスホテルの室内で過ごしてもらうことが、小林の外からいらした方にとって、本当の価値なのかな?という疑問があって」
キレイビレッジを北霧島エリアにつくることになった経緯について、吉村さんはこのように語ります。
「ここに宿泊棟をつくって、このあたり一帯の自然を堪能してもらうことが、やっぱり外から、特に都会からいらした方にとっての価値なんじゃないかと思ったのです」
「小林市には農家民泊もあるけれど、もともとつながりのない方がいきなり農家民泊に泊まるのはハードルが高かったりもする。ここを拠点に、農家さんのところを訪れたりしてくれたらいいなぁという想いもありました。そして、次に来られるときには、ぜひ農家民泊を使ってもらえたらと考えます。
それを最初に発案してくれたのは、地域おこし協力隊の方だったのですけど。地域おこし協力隊は任期が3年ということで、持続性を持って運営していくためにはNPOが運営を担当した方がいいという流れで、NPO法人『通り町』のうちの父がここの代表、私がマネジメントをすることになりました」
キレイビレッジができる以前、これまで取材で何度も小林市に足を運んできた編集部でしたが、宿泊場所はいつも街中でした。
お酒とご飯が充実する(編集部の合宿では、編集部員が満場一致で「小林のご飯が美味しい」と話したことがある)小林を満喫する上で、街中に滞在することを不便だと思ったことは一度もありません。
けれど、その豊かな食材をつくる源である小林の自然を目にすることができるのは、いつも日中の間だけ。明け方や夕日が沈む頃に自然に触れ合うことができないことに、勿体無さを感じていた部分もたしかにありました。
キレイビレッジはテラス付き、内装が木造のコンテナハウス。
今回の滞在で、木の温もりを感じながら、起きてすぐに朝焼けを見たり、寝る間際に夜空を眺めたりという体験をしてみて、街中では味わえないような小林の自然を堪能することができました。
キレイビレッジにいながら体験できること
ここを拠点に北霧島エリアの自然を堪能してもらいたい、そんな想いで始まったキレイビレッジですが、コンテナハウスにいながら宿泊者が体験できる内容も充実しています。
宿泊できる部屋のタイプはAタイプ、Bタイプ、Cタイプの3つ。Aタイプは2台のシングルベッドにユニットバスがついていてファミリー向け、BタイプとCタイプは友人同士や単身向けです。
編集部にとって魅力的だったのは、どの部屋でもWi-Fiがサクサクなこと。
晴れた日にはテラスに丸テーブルを出して(無料でレンタルできる)、霧島と向き合いながら作業ができます。また、バーベキューセットもガスと照明付きで2000円でレンタルができるということで、編集部は街中の精肉店やスーパーで食材だけを揃え、自然の中でバーベキューも楽しみました。
テラスのすぐ向こうに広がる芝生では、テントが張れるようになっています。外部電源もついているので、ケータイやパソコンを充電しながらキャンプすることもできるのだそう。
さらに、キレイビレッジから徒歩30秒のところには、コスモス温泉という温泉があります。コスモス温泉について、「湯の温度がすごく熱いのですけど、『それがまたいい』と地元民からは人気の温泉なんです」と、吉村さんは教えてくれました。
キャンプやバーベキュー、自然いっぱいの北霧島エリアで遊んだあとは、熱い湯で疲れを癒してみるのもいいかもしれません。
ないものはない、でいい。あるものの価値を最大化する努力をしたい
オーナーである吉村さんが、小林の外から来られた方に「ぜひ見てほしい」と念を押す自然の景色は、この一帯の星空の美しさ。
「今キレイビレッジは、宿泊棟の近くの芝生にもうひとつコンテナハウスを建てて、本が読めるコーヒーショップをつくる工事を進めています。
そこにウッドデッキの寝そべれるスペースをつくりたいと考えています。小林は過去に5回ほど『星の美しいまち日本一』に選ばれていますけど、僕がいちばん綺麗だと思うのは冬の星空。冬は虫も気にしなくて良いので、芝生の中で流れる星々を眺めてもらえたら、と思っているのです」
ここまでお話を伺って筆者は、ひとつの疑問を持ちました。
そもそも吉村さんが、ご飯の美味しさもノマド環境も充実している小林の中で、あえて自然に価値を見出したのはどんな理由からだろう?
吉村さんはこう言います。
「僕は18歳で進学のために一度地元を出て、28歳まで都会で生活していたんですよ。
今もよく出張で東京や大阪に行くのですけど、あるとき新幹線で帰ってきたときに移りゆく都会の街並みを眺めながら思ったんです。『都会にこんなに溢れているビジネスホテルを小林につくることが、本当に小林の価値を伝えることになるのかな?』って。
たとえば都会の方が、あえて九州に来て、鹿児島空港で降りて、小林まで来てくれるときに届けたい地元のものって、やっぱり自然の中の星とか、カヌー体験とか、生駒高原の景色とかだと僕自身は思います。
たぶん根本にあるのが、あえて都会ぶらなくていいのかな?という意識。田舎は田舎で、ないものはなくていいのかな、という考え方なんですよね。
逆にあるものの価値を最大限に活かして、届ける努力をする。それが田舎のひとつのサービスのあり方なんじゃないかと思っていますし、そのためにキレイビレッジが、この場所を含めた100キロ圏内の自然や施設を教材にした拠点になれたら、という思いで運営しているんです」
文/小山内彩希
写真/伊佐知美
(この記事は、宮崎県小林市と協働で製作する記事広告コンテンツです)