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【今日の一輪】「ソメイヨシノ」彼女は美しい、咲き始めも散り際も|長野県戸隠

春は期待と不安が入り交じる。私にとっては不安の方がちょっと多い。新しい環境、新しい出会いはだいたい周りが輝いて見えるし、自分が場違いに感じる。ここまで平年通りでございます。

中でもひときわ眩しく、誰からも愛される彼女は、私の目にはソメイヨシノに見えた。

ここで言うソメイヨシノとは、生物学的な存在ではない。バラ科サクラ属だとか接ぎ木のクローンだとか、成長の早さゆえの短命、その他のサクラに与える遺伝子的な影響などは考慮しない。もっと感情的な桜、風流で雅で、多くの人に愛でられる「さくら」のことである。

ソメイヨシノの花言葉は「純潔」「優れた美人」だと言われるが、なるほど彼女は美しい。咲き始めの初々しさも、満開の説得力も、散り際に見えるつれなさも。高嶺の花ってやつですね。どうせ私なんか……と、愚痴のひとつも溢れる。

だけどソメイヨシノだけが、桜だけが「花」ではない。春に咲かない花も、きっと今ごろ咲く準備をしているのだ。寒い冬に耐えて咲く桜のように。

私もそろそろ準備をしようじゃないか。

長野県戸隠では、やっとソメイヨシノが咲きはじめました。薄手のシャツじゃまだ、少し寒い春です。

このお花のこと

名前:ソメイヨシノ
種類:バラ科サクラ属
開花時期:3月下旬~5月上旬
花言葉:「純潔」「優れた美人」

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探求者

クリハラ

フォトライター。植物目線なライフスタイルマガジン「私的植物生活概論」を運営、灯台もと暮らしで「今日の一輪」を連載中。

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