いつもと暮らし

【あの人の研究室】世田谷代田 Hi Monsieur(ハイ ムッシュ)|古くなったものをもう一度。暮らしに必要なものへと蘇らせるヒント

昨日よりも良いものをつくろうと、毎日の仕事のなかで、僕らは実験と検証を重ねています。普段はなかなか見られないあの人の仕事の裏側にも、おなじように実験があり、ときに発明があるのではないでしょうか。誰かの仕事場、もとい研究室にこっそりお邪魔させていただく、【あの人の研究室】がはじまります。

Hi Monsieur(ハイ ムッシュ )のオーナー・大石護さん
「Hi Monsieur(ハイ ムッシュ)」のオーナー・大石護さん

数年前に旅行先で買った雑貨、数年前までお気に入りだった家具、洋服。

どれも“かわいい”あるいは“かっこいい”と、当時は胸を高鳴らせて買ったもの。でも、いつしか古くなって使わなくなることが、あるのではないでしょうか。けれども捨てたくはない──僕はしばしばそんなふうに思います。

自分の視点をあらため、使い方を刷新させることで、それらをもう一度自分の暮らしに必要なものへとよみがえらせる。今日はそんなを気づきを与えてくれる、コーヒーとインテリアグッズのお店「Hi Monsieur(以下、ハイ ムッシュ)」のオーナー・大石護(以下、大石)さんの研究室を覗いてみましょう。

Hi Monsieur(ハイ ムッシュ )の内観
店内は世界各地から集められたインテリアグッズでいっぱい
ハイムッシュの内観
大石さんの好きを集めてできた研究室は、まるで映画に登場するような独特の世界観を携えている

ハイムッシュの雑貨

ハイムッシュ・棚を整理する
朝10時。開店準備はアンティークのインテリアグッズの配置を整えたり、植物に水を与えたりすることから始まる

インテリアグッズの調べ事を欠かさない日々

ハイムッシュ内観
海外で買い付けるアンティークのインテリアグッズ。よく仕入れに行くのは野外マーケットだという
ハイムッシュの人形
アメリカのポートランドで出会った、白い人形たち
ハイムッシュで販売している動物の雑貨
店内には動物のインテリアがたくさん飾られている

大石さんが毎日欠かさずにおこなう研究は、おもにPinterest(ピンタレスト)などのSNSを使った、インテリアグッズの情報収集。また定期的に海外に出向いて、空間スタイリングに活かせる知見を深めているそうです。

収集した空間スタイリング術をお店づくりに活かす

Hi Monsieur 調理の様子

欧米のカフェを訪れた時に、「厨房で作業している様子が見えること」はエンターテイメントの一つだという印象を受けた大石さん。日本では作業スペースというとお客さんに隠しがちですが、ハイムッシュではその様子も見て楽しめるような空間となっています。

自分なりのインテリアグッズの使い方を提案する

知識として蓄えたインテリアグッズの使い方、配置の仕方などを真似るだけではありません。それらを参照して、大石さんなりのインテリアの使い方を発明しています。

コーヒーミルを花器として使う

Hi Monsieur コーヒーミル

例えばコーヒーミルを花器として飾ってみたり。「立派なコーヒーミルで花を飾るなんてだめだよ」と、思うかもしませんが、ものの見方や使い方に正解はありませんよね。

ロウソク立てにワインのコルクを飾ってみる
Hi Monsieur のろうそく

ハイムッシュが扱っている商品は、新しいものではありません。むしろアンティークと呼ばれる古いものです。

家庭では使われなくなったものですら、実用品になること、そしてユニークでくすっと笑えるようなインテリアになることを、大石さんが重ねてきた研究の成果は教えてくれます。

あなたの手元に、大切だけども押入れの奥で眠っているものはあるでしょうか。それを長く大切にするためのヒントは、ものの見方、そして使い方にあるかもしれません。

ハイムッシュ店内

ハイムッシュの雑貨

ハイムッシュ店内
今後はいろんなひとに関わってもらうことで、多種多色の場として楽しんでもらいたいと考えているそう

ハイムッシュの外観

(文・写真/タクロコマ)

お話をうかがったひと

大石 護(おおいし まもる)
1982年、神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、喫茶店での修行時代とインテリア撮影の会社での会社員時代を経て、ハイムッシュをつくる。ハイムッシュは「世界のいろいろな場所から“ムッシュ”の好きなモノを集めたお店 コーヒーを飲みながら、雑貨や本、花を見て買える 特別な面白いお店です」(公式ホームページより)。

このお店のこと

Hi Monsieur
住所:東京都世田谷区代田1丁目30−12
電話:03-5787-6989
営業時間:11:00~19:00
定休日:木・金曜日
公式サイトはこちら

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探求者

小松﨑拓郎

ドイツ・ベルリン在住の編集者。茨城県龍ケ崎市出身、→ さらに詳しく見る

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