いつもと暮らし

【今日の一枚】「今あるものを工夫し、大切にする」という素晴らしい知恵|高知県土佐町

高知県嶺北地域・土佐町の暮らしを届ける「今日の一枚」。土佐町に家族で移住した鳥山百合子さんは、今夏、地域の方からたくさんのナスをいただいたそうです。ナスを残さずに食べきるために、鳥山さんは昔ながらの“ある方法”を実践しました。

土佐町は稲刈りの季節を迎えています。このお話は、今からほんの少し前の夏のことです。

今年の夏も、ありがたいことに近所の方からたくさん野菜をいただきました。かぼちゃやきゅうり、ピーマン、とうもろこし、金時草(きんじそう)、すいか……。なかでもナスは、うれしい悲鳴をあげるほどいただきました。

いただいたナスを、ちゃんと食べきりたい。

その思いで、毎日、ナスを使ったおかずをせっせとつくりますが、それでもなかなか減りません。使っても、またいただくからです。

食べても食べても追いつかない、どうしよう、と思っていたところ、友人がナスを干していることを知りました。聞いてみると、それはナスを輪切りなど好きな形に切って、水につけてアクを抜き、水を切って干す、というなんとも手軽な方法。

私も干しナスをつくってみることにしました。
朝、空を見て「今日はよく晴れそうだ」と確認してから、ナスを切り、干してからでかけます。雨が降りそうな空模様になり、慌ててナスをしまいに帰ったこともありましたが、ナスは4日ほどでカラカラに乾きました。これをジップロックに入れて保存しておけば、冬でもナスを食べられます。

他にも、土佐町ではぜんまいやわらび、いたどり、たけのこ、大根、しいたけなど、その季節にしか収穫できない食材を1年中食べられるように、干したり塩漬けにしたりして保存します。

それはずっと昔から引き継がれてきた「今あるものを工夫し、大切にする」という素晴らしい知恵であり、ひとつの文化であると私は思います。

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鳥山百合子

2011年に神奈川県から土佐町へ移り住む。3人の子どもの母。NPOれいほく田舎暮らしネットワークで働きながら、家族で食べるお米と野菜をつくっている。山の暮らしの知恵を学び、それを自分自身の身につけながら、次の世代へも引き継いでいけるように、「書くこと」「記録すること」に取り組んでいる。

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