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ADHDの私が自己肯定感を得られた理由

ADHD=注意欠陥・多動性障害。

「不注意」「多動性」「衝動性」という症状のある、発達障害のひとつです。

何をやったらよいのか優先順位がわからなくなってしまったり、集中力がなかったり、じっとしていられない。

場合によってそれは、社会から、

「仕事のデキないひと」

というレッテルを貼られてしまいます。

高梨健太郎さんとF太さんは、イベント「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を通じて、「自分は仕事がデキない人間なのでは?」と悩んでいるひとに自信を与えることはできないか、日夜、試行錯誤しています。

高梨健太郎さん(左)、F太さん(右)
高梨健太郎さん(左)、F太さん(右)

不注意優勢ADHDの高梨さんを救ったのは「タスク管理」。

タスク管理と言うとビジネスマンに必要なスキルで「ADHDに関係あるの?」と思ってしまいますが、高梨さんはADHDの対処法として有効なのではないかと考えます。

「やることをすべてツールやExcelに書き出すこと」を徹底したことによって、高梨さんは自身の特性をカバーし、仕事に対する自信を得ることができました。

高梨さんがどのようにタスク管理と出会い、自己肯定感を得たのか。そしてイベントで何を伝えたいのか、お届けします。

高梨さんアイコン

高梨 健太郎(たかなし けんたろう)

都内メーカー勤務。ADHDの診断を受ける。GTDというタスク管理手法に沿うExcelツールを自作することで、自身の特性による抜け漏れ等をカバーする仕組みを構築し就労を継続。同様の特性を持つ方々へタスク管理で救われた体験とその仕組みを紹介するイベント「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を定期開催。自作ツールをクラウド化した「タスクペディア」を社会福祉法人SHIPから無料公開 Twitter:小鳥遊

F太さんアイコン

F太(えふた)

フォロワー25万人の、なぜか「フォローしとくと運が良くなる」と話題のツイッターアカウント「ひらめきメモ」の中の人。緊張した気持ちをふぅっと楽にしたり、ほんの少し勇気がわくような、そんな思考や情報をツイートしている。心地のいい思考の流れをデザインしたい。著書『それを、「楽しいほう」に変えてみない? 明日ちょっと運がよくなる、思考のメモ』Twitter:F太

ふたりの出会い

── おふたりの出会いから聞いていってもよいでしょうか。

F太 ふたりともタスク管理のこだわりが強くて。いろいろインターネット上で調べたり、本を読んだりしていたんですね。

高梨 そうですね。でも、自分でExcelを使ってタスク管理ツールをつくるまでは全然知らなかったんですよ。

F太 えっ、そうだったんですね。

高梨 だから、いろいろ大変だったんです(笑)。

F太 僕は資格試験の勉強を始めたときに、全然集中できなくてどうしたらいいんだろうみたいなところから、タスク管理や、自分の時間を上手に使うことを考え始めたんです。大学卒業後、公認会計士試験の勉強をずっとやっていたんですけど。

勉強と共に情報収集をしている中で、タスク管理界隈では有名な大橋悦夫さんのことを知りました。

── どんな方なのでしょうか?

F太 「タスクシュート」というツールをつくったり、「シゴタノ」っていうウェブメディアを運営している方で。ふたりとも「シゴタノ」の読者でした。その大橋さんが主催するイベントに出向いたら、そこに高梨さんがいたんです。

イベント中に自己紹介をしているとき、高梨さんが「僕は本当にタスク管理が好きで」「タスク管理をするために会社に行っている」と言っていて、本当にマニアックだなと(笑)。

高梨 ふふふっ(笑)。

笑うふたり

F太 僕は僕で、仕事をゲームみたいにやっていきたいという思いをずっと持っていました。そうやって考えていたので純粋に「この方のお話をもっと聞いてみたいなあ」と思ったんです。

高梨さんは自己紹介も上手で、理路整然と話されていて。言葉遣いとかも丁寧だし、ありきたりな言い方ですけど、要領がいい方なんだろうなと思って見ていたんです。

でも、イベントの帰り道に、じつは自分自身が発達障害だという診断を過去に受けたことがあって、仕事を何度も辞めていると聞いて。それがすごく僕の中では衝撃でした。

ふたりでイベントをやることに

── その後、どのようにしてイベントをやることになったんでしょう。

F太 それが、そのイベントの当日に、やることになったんです。

── 出会ったその日に?

高梨 そうですね。帰りの山手線の電車の中で、F太さんが誘ってくれました。

F太 正直僕は気軽に「やってみません?」ってすぐに提案しちゃうタイプなんです。今でも覚えてるんですけど、提案した瞬間、高梨さんの目の色が変わって。

高梨 はははは(笑)。

笑うふたり2

F太 「本気でやりますよ」みたいな感じ。

高梨 そうでした(笑)。

F太 気軽に提案したら、「あっ、このひと、本気だ(笑)」ってなって。そこからあとは、高梨さんからいろいろ提案をいただいて、あれよあれよとイベントを開催しました。

おふたりのイベント開催中の様子1
おふたりのイベント開催中の様子
おふたりのイベント開催中の様子2
現在では年に数回ペースで同イベントを開催している

高梨 ふたりが出会った日が2016年6月で、翌月の中旬くらいには私からこんな感じでどうでしょうかとパワーポイントの資料を送って。

F太 パワポもできてるからやるしかない(笑)。

── はははは(笑)。

高梨 ものすごくやりたかったので(笑)。それで、初回は2016年の9月。

F太 そっか。3ヶ月しか経ってなかったんですね。

自分が一番楽しいと思える仕事の仕方をすればいい

── F太さんは、タスク管理にのめりこんだきっかけとかあるんですか。

F太 先に言った資格試験というのが、公認会計士なんですけど。その勉強をしていたときは、大学を卒業して働いていなかったんです。卒業してから2年くらい勉強をしつつ、飲食店やコールセンターでバイトをしていました。

1日10時間くらい勉強をしなくちゃいけないのに、全然集中できなくて。そんな自分をなんとかしなきゃと考えていたときに、ライフハックやタスク管理に出会って、関連書籍を読み漁っていました。

いま思うと、試験勉強に集中できないから、集中するための勉強法を学んでいたんです。だから、最初は“逃げ”でした。当時はひとりで勉強をしていてさみしくて、それでツイッターにもハマッていったんです。

ツイッターにはまっていた過程を語るF太さん

── その頃にツイッターに出会うんですね。それは何年頃なんでしょう。

F太 たしか、2009年頃かなぁ。僕がツイッターに登録したのは2009年12月なんです。ツイッターで公認会計士の勉強をしている人と交流しつつ、勉強法の勉強をして、「こうやると集中力が上がるよ」「ヘコんだときは、こういうふうに考えるとうまくいくよ」と発信していたのが、今につながっているんです。

── へぇ! そこから、フォロワーが25万人に(笑)。

F太 だんだんいろんなひとに読んでもらえるようになって、そのうちツイッターのほうが楽しくなっちゃって(笑)。資格の勉強に手がつかなくなっていって、今となってはツイッターの方がメインの仕事になっちゃっているんですけど(笑)。

でもそうやって学んだのは、集中するためには結局、楽しむことが一番だなということで。僕はそもそも資格の勉強を楽しめていなかったということなんだと思います。

だからこそ、「自分が一番楽しいと思える仕事の仕方をしよう」というのを、タスク管理を通じて伝えていくことが、僕らのやっているイベントのテーマになっているんです。

好きなことをやるにしても、好きなことをやるためにちゃんとやらなきゃいけないことはどうしてもあって。それでも、それを含めて楽しむコツを、高梨さんは持っているんです。

不動産屋さん時代にお客さんを案内できなかったこと

高梨さん

── 高梨さんは、どんな感じでタスク管理に出会ったんでしょうか。

高梨 私も資格試験の勉強をしていました。大学を卒業してから、20代のほとんどを司法書士の試験勉強に捧げまして。がんばったんですけど、結局は受かりませんでした。

最後のほうは成績上位で「受かりそうかも」というところまでいったのですが……そこまで来たので、勉強しつつ、実務経験も積もうと思って、司法書士事務所に事務員さんとしてアルバイトで入ったんです。そうしたら、おもしろいように仕事ができなくって(笑)。

F太 はははは(笑)。

高梨 入って、数ヶ月経ったときに「うちじゃ雇えない」と言われました。すごくショックでした。その瞬間のことは今でもトラウマで「はぁ、やってしまったなぁ」とだけ思って。そのときは、自分が発達障害だとはまだわかっていなかったんです。「なんで自分はこんなに、できないんだろう」と、ただただ自分のことを責めていました。

しようがないから、別のアルバイトをやろうと思って、不動産屋さんでアルバイトを始めたんですけど、ここでもまぁ、全然仕事ができなかったんです。いろんなことを忘れたり、段取りがめちゃくちゃだったり。内見に行きたいというお客さまを案内するのに、物件の場所がわからなくて、結局ご案内できずに帰してしまったこともありました。

F太 それはつらいですね。

F太さん

高梨 内見では電気が通っていないお部屋を案内するので、夜になるとできないんです。迷子になったときは頭が真っ白になっちゃって、何をしたらいいかもわからなくなり、そのまま夜になって、不動産屋に戻りました。

── それは何時間くらいあったんですか。

高梨 2、3時間くらいだったと思います。そういう仕事上の失敗をたくさんして、ふとしたときに「これは障害か何かなんじゃないか」と思って、ネットで「忘れる」「仕事ができない」とか、いろいろ検索してみたんです。

そうしたら、当時はまだあまりメジャーではなかった、発達障害という言葉を知りました。それで、心療内科に行って、診断を受けたら、ADHDでした。

タスク管理を覚えて、定期試験のあとのような開放感を得た

高梨 ADHDの診断を受けたあとは、障害者雇用で会社に就職することになりました。1社目は5年ほど働かせてもらったのですが、もともと仕事ができなかった自分を雇っていただいたので、会社に対してものすごく恩義があって。

それで、がんばりすぎちゃったんです。仕事をたくさんもらえることがうれしかったし、楽しかった。でも結局、精神的に負荷がかかって、退職することになりました。

2社目でもほとんど同じような展開で、休職して。その会社は復職して、その頃、Excelでタスク管理のツールをつくり始めました。

高梨さん2

── そのツールが、高梨さんを救った?

高梨 そうですね。ADHDと診断されていたこともあり「あぁ、私はこういう特性を持っているんだ」と、開き直ったんです。自分に自信がなくなったので、覚えていられる自信がないんですよ。なので、全部の仕事を書き出しておこう、そうすれば忘れててもいいんだ、と思って、タスク管理らしいことを自分で始めました。

あるとき、自分と同じことをしているひとっているのかなとふと検索したんです。当初は「タスク管理」というフレーズを知らなかったので、「仕事 業務」「仕事 管理」とか、そんな感じで検索していきました。そうしたら、タスク管理という言葉を知って、いろいろ調べていくことになったんです。

ただ、2社目は営業に異動になることになって、それは自分のやりたいことではなかったため、辞めることになりました。

で、1社目で一緒に仕事をしていた仲間たちのLINEのグループに「こういう理由で仕事を辞めることになったので、次の仕事を探している」という旨のメッセージを送ったんです。そうしたら、「ちょうど今日、自分の勤めている会社の法務担当が辞表を出してきた」「やらないか」と言われて、すぐに「やります!」と答えました。それで、今の会社に入社することになったんです。

── Excelでツールをつくってからは、自らの仕事に自信を持てるようになっていったのでしょうか?

高梨 そうですね。実感した瞬間は今でも覚えていて、タスク管理をするようになる前は、会社を出ても仕事の不安が頭から離れなかったんです。心配が大きくなると、あまり眠れなかったり、ご飯も美味しくなかったり。

タスク管理をするようになって、ほとんどそれらがなくなりました。荷物(業務)をすべて置いて、会社を出たら忘れられる。この解放感が、最初はすごくインパクトがありました。たとえるなら、中学高校の定期試験の一番最後の試験が終わった瞬間みたいな。「テストが終わったから、今日から何をしてもいいんだ」という感覚にそっくりでした。

高梨さん3

「思い込み」という鎖を外すきっかけをつくる

F太 僕らのイベントは、企画内容を簡単に言ってしまえば「タスク管理の基本」なんです。高梨さんが紹介してくれるタスク管理ツールって、タスク管理マニアからしたらすごく基礎的な部分を抑えたもので。だからこそ誰にでも必要なものだし、学んでおいて損はないものなんです。

その上で僕が思うのは「鎖を外す」ということ。うまく自分のよさを使えていないときって、まわりからの評価で苦しめられてしまうんです。「要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術」という名前でイベントをやるのは、足を運んでくださった方の、思い込みという名の鎖を外すお手伝いをさせてほしいからなんです。

僕自身、コールセンターでアルバイトをしているときに、うまく仕事ができなくて3ヶ月でクビになってしまったことがあります。でも次に、仕事内容もまったく同じ職種の別の会社に移ったんですよ。

そうしたら自分の上司についてくれたひとが、がんばるひとを評価するタイプの方で。同じような失敗は結構していたんですけど、「そのうち慣れるから」と励ましてくれて。

── 評価軸が違ったんですね。

F太 そう。要領はよくないんだけど、むしろその分一生懸命やっていたので「がんばってる」と評価してくれるようになって。そのうち仕事にも慣れて、ふと気づいたら成績も上がっていきました。

仕事ができるできないというのも上司によるし、上司の評価次第なんだなってそのとき気づけたんです。ひとつの場所で仕事をしていると、判断基準を持てない。だから、イベントに来て欲しいんです。

最近、サードプレイスを持とう、コミュニティをたくさん持とう、とよく言われているじゃないですか。それって、今いる自分の会社や家族の環境を客観的に見るために必要とされているんだと思うんです。家族と会社の意見や評価が自分そのものだと思いこんじゃう人が多いけれど、そうじゃないんだって気づける場所が欲しい。

でも、追い詰められてるひとほど時間もないし、新しいコミュニティを持とうっていう余裕なんかないはずで。だからそこは、ツイッターがちょうどいいなと思っています。ツイッターは、何もしたくないときでもぼーっと見ていられるじゃないですか。

まだ自分の苦しみを言語化できていなかったとしても、ツイッターを流し読みする中で、「ADHDかもしれない」とか「タスク管理ツールで何か改善するかも」という情報がそこにあったら、悩みに対する答えの一部にアクセスできるようになるかもしれないんです。

だからイベントに来られる方々には、高梨さんのエピソードと、高梨さんのタスク管理の技術があなたの役に立つかもしれないですよ、と伝えたいのは大前提なんですけど。その上で、まだ言葉になってない悩みを抱えているひとに、心が軽くなるきっかけを届けたいって思っています。

F太さん2

楽しく仕事ができるかもしれない、と思えるきっかけを届けたい

高梨 私は、自分と同じような特徴を持っている人たちが、自分で自分の可能性を閉じ込めてしまわないように「こういうやり方をすれば楽しく仕事ができるかもしれない」と思えるきっかけを、提供し続けていきたいと思っています。

あと、自分がつくったExcelのツールを広めていきたいのですが、当たり前ですけどExcelなので、Microsoft Officeがないと使えないんです。

それをクリアするために、タスク管理関連のイベントで知り合った友人のプログラマさんと一緒に「タスクペディア」というクラウドツールを開発しました。このツールを、もっと広げていきたいと思っています。

F太 僕はこれからも、僕をフォローしてくださる方が一番必要としているものを提供していけたらと思っていて。僕自身、自分で何かを新しく生み出すというよりは、すでにできあがったクオリティの高いものを紹介していくだけでいいって思っているんです。それは、高梨さんとイベントをやって気づいたことで。

必ずしも自分で生み出す必要はなくって、高梨さんのような魅力的な方をいろんな人に知ってもらいたい。僕は、そうやってきっかけになれるだけで嬉しいです。そのために、いろんな方とイベントをやったり、人とつながる機会を持っていきたいと思っています。

おふたり3

今回お話してもらったイベントの詳細は随時、以下に更新されています。

文/くいしん
写真/小松崎拓郎

(この記事は、高梨健太郎さん、F太さんと協働で製作する記事広告コンテンツです)

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くいしん

編集者。1985年生まれ、神奈川県小田原市出身。→ さらに詳しく見る

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