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【鳥取メディア研究部】情報発信の素人が今すぐ「独自性」を身につける方法

情報発信力を高めよう──。

最近では学生でさえ聞くことのある言葉。

仕事のため、やりたいことを実現するために発信力を高めなければと焦ることもあると思います。

文章は得意じゃない。何を発信すればいいのかもわからない。でも、発信力を養いたい。そう思うなら、ぜひ続けて読んでみてください。

先月の6月24日。編集部は情報発信を学ぶ講座「鳥取メディア研究部~ぼくらが伝える、鳥取(以下、鳥取メディア研究部)」に参加してきました。

鳥取メディア研究部は、県内に暮らすひとが自分たちの手で「鳥取県の魅力を日本全国に情報発信してくためにはどうすればいいのか?」を学ぶための連続講座です。

鳥取メディア研究部

同プロジェクトは鳥取県と日本財団が実施している「県の魅力の再発見・価値の創造」プロジェクトの一環でもあり、主催はTom Cat(Tottori media creative action team)(*1)、そして「灯台もと暮らし」も協力させてもらっています。

(*1)Tom Cat:一般社団法人ワノクニ、トットリズム、鳥取マガジンが協働する鳥取メディアクリエイティブアクションチームの略称。

今回が、初めての講義。第1回目のテーマは「インターネットで情報発信する際の基礎知識を学ぼう!」。

株式会社MASH代表の染谷昌利さんを講師に迎えました。

本レポートでは、これから情報発信をするのに必ず役立つ(1)情報発信においてもっとも大切なこと、そして発信者が心得るべき(2)価値のある情報と(3)独自性について取り上げたいと思います。

染谷昌利さん

染谷 昌利(そめや まさとし)

12年間の会社員生活を経て、インターネットからの集客や収益化、アフィリエイトを中心としたインターネット広告の専門家として独立。現在はブログメディアの運営とともに、書籍の執筆・プロデュース、企業や地方自治体のアドバイザー、講演活動も行う。All Aboutアフィリエイトガイドとしても活動中。主な著書に『ブログ飯個性を収入に変える生き方』(インプレス)、『世界一やさしい アフィリエイトの教科書 1年生』等多数。

以下、染谷昌利

鳥取の、情報発信のリーダーになってもらいたい

染谷昌利さん

染谷と申します。

今回インターネットに限らず情報発信をするにあたっての基礎についてお話をさせていただければと思います。

初回の僕の役割は、場づくりです。

全5回の講義で、情報発信に関するいろんな考え方やテクニックを講師の皆さんが教えてくれると思うんです。

でも、基礎となる考え方、知識、心構えがしっかりしていないと、聞いたからといって上辺だけしかなぞれません。

今日来てくれた31名の方には、鳥取の情報発信のリーダーになってもらいたいと思います。

今日の結論を最初に話します。

大切なことは、情報発信をするという動機に想いがあるか。

なんで自分たちが情報発信をして鳥取を盛り上げていきたいのか? なぜ伝えたいのか? ということなんです。「Why」っていうのはすごく重要。

とにかく発信しておけばいいんでしょ、って思うひとは結構多いんです。じゃあ誰の役に立っているのか? というのを、しっかり考えてください。

自分が取り扱っているサービスをどうしたいのか。情報発信によって誰が得をするのか。そのために自分が何をできるのか?

鳥取メディア研究部_スライド

 

これらをしっかり考えてもらって、自分の情報であったり取り扱っている商品を届けていただければなと思います。

対面で商売をやっている方だったらわかると思うんですけど、その商品やサービスを使ってくれたお客さんが将来幸せになれるのか? そういうものがあるのかないのかだけで大きく変わります。

自分が良ければいい、自分が儲かりたいっていう欲が前面に出始めると、方向性がブレて歪んでいきます。

情報発信っていろんなことをPRできちゃうんです。しっかり「why」を腑に落としていってください。

オリジナリティの見つけ方

鳥取メディア研究部

ということで、その情報を欲しいと思っているひとに対して「価値のある情報」を発信しましょう。

価値って説明できるひといます? これも理解しておくと、発信のヒントになります。

これが正しいかわからないけど、僕がいま一番納得感があるのがこの公式。

鳥取メディア研究部スライド

ひとの悩みに答える「役に立っている」というのと、希少性という「珍しいこと」が重なると、価値として認識されやすい。

情報発信における「独自性」についても話します。

ネットでは“このひとから買いたい”って思う以外は、安いところで物が買われていきます。皆さんがあるノートパソコンを買うとしたら、一番安いところから買いますよね、普通。

でも、ここでしか買えない商品やここでしか教えてもらえないノウハウなんだったら買わざるをえない。それは値段がいくらでも関係なくて、このひとから学びたい、このひとの商品が欲しいって思ってもらうことがすごく重要です。

自分ってどんな能力持ってるんだろう、自分の取り扱っている商品はどんな魅力があるんだろう、そしてどんな情報発信ができるんだろう? というのを出せば出すほどオリジナリティが見つかってきます。

とにかく自分のできることを書き出しておくのは独自性を見つける手がかりになります。

鳥取メディア研究部_スライド_2

“こんなこと誰でもできるし、知っているよね”って思うひとがよくいるんですけど、それは大きな間違い。評価するのは、自分自身じゃなくて読んでくれるひとです。

必要なひとはその情報を価値として受け取るんです。皆さんからしたら鳥取の名産品なんて常識かもしれないけど、僕からしたら非常識、知りません。

思い上がっちゃいけないんですけど、自分以外はみんな素人だと思って大丈夫。相手は何も知らない。だからイチからちゃんと説明してあげなければいけないよね。遠慮せずに発信していくことがすごく重要です。

鳥取メディア研究部

例えば、美容師は髪が切れて当たり前。髪を切るということだけの勝負だったらみんなたいして変わらないんです。そこにブログやSNSで専門的な情報発信が加わると、“このひとはいろんなことを教えてくれる美容師さんなんだ”っていう一つの独自性が生まれますよね。

そうすると、単に「美容師です」っていってるひととは違う、独自のキャラクターが生まれてきます。

なおかつ、趣味もくっつけてみましょう。

染谷昌利さん

僕の知り合いにサッカー好きの美容師がいるんです。集客のコンサルもやっていて美容師の中でもおもしろいことをやっているひとなんですけど、そのひとはJリーグの試合にあわせて講演会の日程を決めている。つまり試合を見て講演して帰ってくる(笑)。

何がすごいのかというと、その美容師さんとサッカーの話をしたいお客さんが来るんです。お客さんはサッカーが好きなひとと2時間サッカーの話をして、なおかつ髪も切られて楽しい時間を過ごせる。

それが独自性です。大したことじゃないんです。ちょっとした変化をつけてあげることで、そのひとのオリジナリティってすごくでてきます。

ネット発信の唯一の失敗

鳥取メディア研究部_スライド_3

とにかく学んで手を動かしてください。

100人規模の講演で話す時に「この中で帰って手を動かすひとが5%。そして一ヶ月後やり続けたのは1%もいません」ってよく話すんですが、実際そうです。

インターネットの発信で重要なことって、とにかく続けることなんです。リスクが少ないんだから、やったもん勝ちです。

こんなことを発信したら叩かれるんじゃないか? と思うかもしれませんけど、ひとを攻撃しなければ叩かれません。そして安心してください、最初の数ヶ月なんて読まれてないんで(笑)。

(会場 笑)

真摯に素直に、伝えたいことを書く。自分がいいことをやっていると思ったら、怖がることは何一つないです。

みんな発信することが続かないのでライバルは勝手に減っていきます。

インターネットの唯一の失敗っていうのはやめてしまうこと。やめてしまうと何も残らないので、とにかくやり続けましょう。

やり続けると、ダメだったことがわかるんです。このやり方だったらうまくいかないなってことがわかるので、そうしたらやり直せばいいんです。

情報発信を「続ける」には?

染谷昌利さん

最初にした話に戻りますが、結局なぜやるのか? 想いがあるのか? ってところがやっぱり大切です。「なぜ」が定まってないと、情報発信は続かないから。

では。このあと2時間のワークショップで半強制的に手を動かしてもらいます。90分間、ありがとうございました。

鳥取メディア研究部_スライド

 

* * *

知り、学び合い、自分たちの手でやってみることを大切にしている鳥取メディア研究部。

ここまでのレポートは染谷さんの講座の一部ですが、繰り返し強調されたのは、「誰かじゃなくて、自分で発信すること」。何を、なぜ、どう発信するのか?

後半は2時間をかけて受講生と講師、受講生同士で学びを深め実際に手を動かす、ワークショップがおこなわれました。

ワークショップの様子

鳥取メディア研究部
1)自分の強みや特徴の書き出すことからワークショップははじまった
鳥取メディア研究部
2)自分の夢や目標を書き出している
鳥取メディア研究部
3)自己紹介を兼ね、書き出したそれぞれの夢や目標をグループ内でシェアした

鳥取メディア研究部

鳥取メディア研究部
4)それぞれの目標を叶えるための方法を考えるワークショップ。グループでアイデアを出し合っている
鳥取メディア研究部
5)続いて、鳥取の魅力や伝えたいことを考える時間。5W3H1Wに当てはめてそれらを書き出した
鳥取メディア研究部
6)発信したいことをグループメンバーに伝えるワークショップ。鳥取の魅力を伝える情報発信の第一歩となった

鳥取メディア研究部

鳥取メディア研究部
7)計6グループそれぞれが、ワークショップの感想を振り返り、今後の意気込みを語った
鳥取メディア研究部
2時間にわたるワークショップが終了!この後も講師の染谷さんと受講生が語り合っていた

鳥取メディア研究部の第2回は、今月末! 7月22日(土)です。女子クリエーターのためのライフスタイルづくりマガジン「箱庭」編集部の森史子さんをゲストに迎えます。テーマはFacebook「いいね!」数7万超えのウェブメディアに学ぶ「SNSを活用して情報発信をする方法」。

次回のレポートもお楽しみに。

鳥取メディア研究部

(この記事は、日本財団と協働で製作する記事広告コンテンツです)

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小松﨑拓郎

ドイツ・ベルリン在住の編集者。茨城県龍ケ崎市出身、→ さらに詳しく見る

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