個人や団体が制作から流通までを手がける冊子、リトルプレス。ジュンク堂書店 池袋本店で雑誌コーナーを担当する小高聡美(こだか さとみ)さんは、「リトルプレスとは、作り手と読み手がしっかりと握手しているのが見える本」だと言います。
そんな小高さんに、今手に取りたいおすすめのリトルプレスを聞きました。
■参考:世界を深めるリトルプレス。お探しならば、ジュンク堂書店 池袋本店へ
小高さんおすすめのリトルプレス
── 小高さんおすすめのリトルプレスを教えて下さい。
小高聡美(以下、小高) 当店で取り扱っているリトルプレスは、仕入れ担当である私が惚れ込んで置かせていただいているものばかりです。ですから、選ぶのは本当に難しいのですが、「Crafter」や「HOPE BOOK」、「talking about」や「色ちゃん『初めて東京で会った時のことを覚えていますか?』」「日々」は最近特に好きですね。
「HOPE BOOK」は職業も年齢も国籍も違う30人が願望をテーマに言葉を綴る文集で、冒頭の一文が「まず、出会いに恵まれている人生に感謝したい」となっているところもお気に入りです。
「色ちゃん〜」は、女子4人からなるアートユニット「色ちゃん」の作品集とインタビューから構成されているリトルプレスなのですが、もうこれが本当にかわいくて。表紙からは想像できない豊かでポップな世界が詰まっていて、めくるごとに違う世界に出会えます。作り手の方の熱が伝わる、非常に女性らしい冊子です。
── 「talking about」は私も気になっていました。
小高 「talking about」は編集・ライティングが元クウネル編集長の岡戸絹枝さんですから、知っている方が多いかもしれませんね。
もともとは「100年経っても好きなもの、もしかしたら変わらず着ているかもしれないもの」をコンセプトにした究極的に小さなトータルアパレルブランド「n100(エヌ・ワンハンドレッド)」の方が、「岡戸さんの編集した雑誌が読みたい」と願ったことが始まりの新雑誌です。創刊は2012年、ファンが多いと聞いています。
「talking about」もそうですが、最近は全国規模で展開している、いわゆる商業雑誌の制作に関わっていらっしゃった方がリトルプレスを手がけるというケースが少しずつ増えてきているように思います。商業雑誌は、発売日が過ぎると出版社のもとに返品され、最終的には裁断処分されてしまうのが通常の流れ。岡部さんは、それを「本が殺されてしまう」と感じて辛くなることもあったそうです。
リトルプレスは、手の届く範囲で本作りができるということも魅力の1つなのかもしれませんね。
── なるほど。どれもじっくり読みたくなりました。
小高 ありがとうございます。またぜひお店に来て、お気に入りのリトルプレスを探してみてくださいね。
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お話をうかがった人
小高 聡美(こだか さとみ)
2005年ジュンク堂書店池袋本店入社。現在まで、同店雑誌担当。
お店の情報
ジュンク堂書店 池袋本店
住所:東京都豊島区 南池袋2−15−5
最寄駅:JR、メトロ、西武線各線池袋駅東口
電話番号:03-5956-6111
定休日:元旦のみ
営業時間:月~土 10:00〜23:00(日・祝 10:00〜22:00)
公式HP:http://www.junkudo.co.jp/mj/store/store_detail.php?store_id=1