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「TAKA Winter Video Camp」で出会った人々に訊く兵庫県多可町の魅力とは?

1月中旬。どこでも地元メディア「ジモコロ」チームとして、兵庫県多可町へと足を運びました。ジモコロとは、先日公開した【親友対談】に出てきた徳谷柿次郎さんが編集長を務めるウェブメディア。

旅の目的は、株式会社ロフトワークさんによって企画・運営された町のPRムービーをつくるプロジェクト「TAKA Winter Video Camp」に帯同すること。

「ジモコロ」編集長・徳谷柿次郎さんによるプレゼンの様子
「ジモコロ」編集長・徳谷柿次郎さん(左)によるプレゼンの様子

キャンプは2泊3日、丸々多可町で過ごして、町の魅力を感じたままに、5人のクリエイターが映像をつくるための企画を考えるユニークな動画制作キャンプです。多可町では自治体や商工会、行政が一丸となって、このプロジェクトが進行しています。

巻き寿司

取材前の打ち合わせの様子

藤原たか子さん(左)
藤原たか子さん(左)

また、県外からも多数のお客さんが訪れる太巻き寿司で有名な「マイスター工房」の施設長、藤原たか子さんにもインタビューを行っており、本日同時に記事を公開しています。

「灯台もと暮らし」では、編集長の柿次郎さんから「くいしんさんは、自由に取材してもらっていいですよ」という言葉をもらったので、この旅で出会った方々に「多可町の魅力ってなんですか?」と訊いてきました。多可町に住んでいる方々の視点と、多可町に初めて訪れた方々の視点、その両方から町の魅力をお届けします。

多可町で出会ったみなさまに訊く「多可町の魅力って何?」

雪化粧の多可町

(1)「chattanaの森」支配人・岡崎智康さん

岡崎さん

岡崎さんのプロフィール画像

岡崎 智康(おかざき ともやす)

1979年生まれ。兵庫県西脇市出身・在住。飲食業での経験を経て、「chattanaの森」支配人となる。

── 岡崎さんは、ご出身は多可町なんですか?

岡崎 私はね、出身は隣町の西脇市なんですよ。13年くらい前から、多可町の学童保育で働いていたんですね。その前は、飲食店や喫茶店で働いたりとか。株式会社町の駅という会社がうちの施設の親会社なんですけど、そこの施設長さんの本職が内職屋さんで、最初はその仕事を手伝っていたんですよ。で、僕が絵を描くのが好きなんですね。そうしたらその施設長さんが、「絵を描けるから、自分ならできるやろ」と言われて、ここの支配人になったんです。

── 施設長さんの「絵を描けるからできるだろう」というのは、どういった意図だったんですかね?

岡崎 頭の中に設計図を描けるというんですかね。もともとはPOPのデザインをやったりとかしていたんですけど、そういった仕事をしていく上で、こういうお店にしたいと想像するのが上手だろうから、と支配人になる道を用意してくれたんです。

── なるほど。多可町の魅力ってなんだと思います?

岡崎 やっぱり、ありきたりやけど、自然が豊かなところですね。今は隣町に住んでいるけれど、多可町は特に綺麗です。多可町には、「モリアオガエル」という名前のカエルがいるんですよ。鮮やかで綺麗な緑色をしたカエルなんですけど、綺麗なところにしか生息できないんですね。そういうカエルがいたりとか、綺麗なところにしか生えないコケも生えてたりとか。自然が美しいということを、自然が自分たちで証明しているんです。

chattanaの森のモーニング
chattanaの森のモーニング

岡崎さん2

(2)田舎の洋食屋「古時計」・徳岡壮平さん

徳岡さん

徳岡さんのプロフィール画像

徳岡 壮平(とくおか そうへい)

1989年、兵庫県多可町生まれ。父が病気で倒れたことをきっかけに家業を継ぐことを決意。

── 徳岡さんは、生まれも育ちも多可町なのでしょうか?

徳岡 そうなんです。でも、調理師専門学校のときは大阪に一年住んで、そのあとイタリア料理店で修行しているときに姫路に3年住みました。修行時代を経て、多可町に戻ってきた感じです。

── お父さんが病気で倒れたことがあって、その際に、家業を継ぐことを決意されたとお聞きしました。

徳岡 そうですね。ただいきなり慣れない飲食業に飛び込んだというわけではなくて、もともと料理は好きだったんです。それこそ中学生の頃から、休みの日のお昼ごはんを自分でつくったり、パンを焼いたりしていました。父が倒れたときは何も考えられなくなって、ぼーっとしてしまって。気づいたら、専門学校の資料を請求していました(笑)。

── へぇ、すごい! お父さんも調理をするんですよね?

徳岡 父は今ではすっかり元気になって、僕とお客さんを取り合っていますね(笑)。

── お客さんの取り合いになると言いますと?

徳岡 僕はコーヒーを淹れたり、ハンバーガーをつくったりしています。父は、洋食全般を担当しているんです。正直な話まだまだハンバーガーよりも洋食のほうが人気なので、いずれ追いつきたい気持ちです(笑)。

徳岡さんのつくる自家製バンズのチーズバーガー(1150円)
徳岡さんのつくる自家製バンズのチーズバーガー(1150円)

── なるほど。お父さんとライバル関係でもあるわけですね。多可町の魅力はなんでしょうか?

徳岡 景色がいいし、静かで暮らしやすいところですかね。夏に大阪から帰ってきたときに、扇風機だけで十分涼しくて驚いたのを覚えています。都会に住んでいるひとからしたら、避暑地といってもいいんでしょうね。僕は加美区にある「二宮荒田神社」が好きで。小さな神社なんですが、秋にはお祭りがあって、過ごしやすくて好きなんです。

── 今後の目標はありますか?

徳岡 今やっと、だんだん「洋食だけじゃなくて、ハンバーガーもあるお店」というふうに、認知されてきていると思うんです。これから、もっともっとハンバーガーが人気になって欲しいですね。地元の方にも来てもらいつつ、都会からも足を運んでもらえるお店にしたい。親父を超えていこうと思います!

黒田庄和牛のハンバーグ(1300円)
黒田庄和牛のハンバーグ(1300円)

(3)映像クリエイター・齋藤汐里さん

齋藤汐里さん

齋藤さんのプロフィール画像

齋藤 汐里(さいとう しおり)

本キャンプにて初めて多可町に訪れる。1988年生まれ・千葉県出身。テレビ番組の制作経験を経て、2016年6月に独立。フリーランスとして活動する一方、個人のプロジェクトとして”つくり手”をフィーチャーしたドキュメンタリーシリーズ「手と手」を制作している。

── 最初にキャンプの感想を教えてください。

齋藤 今回のキャンプは、企画自体がユニークで、参加者としてとても有意義な時間を過ごせました。私自身、千葉県の房総半島にある小さな町の出身なので、多可町のような規模の町がどうやって町を盛り立てていくのか興味があったんですね。また、映像クリエイターとしては、横のつながりをつくる機会って多くはないと思っています。そういった面でも、毛色の違うタイプのクリエイターさんたちと同じ地域で取材できるというのは、新しい発見が多く貴重な時間でした。

── プロジェクトに応募したきっかけはありますか?

齋藤 ローカルのビジネスや地域活性化のプロジェクトにもともと興味はあったのですが、参加したい!と直接的なきっかけになったのは、柿次郎さんがメンターとして参加されていたことが大きいですね。

── えっ、そうなんですね! なぜですか?

齋藤 以前、テレビ番組の制作の仕事をしていたのですが、勤め先の社長が、株式会社バーグハンバーグバーグ(柿次郎さんが昨年まで勤めていた会社)代表のシモダテツヤさんとお仕事をさせていただいたことがあって。仕事の仕方や発想のすごさみたいなものをいつも耳にしていました。会社のホームページとか見ても「ヤバい(笑)」って思いますよね(笑)。柿次郎さんがバーグハンバーグバーグ出身ということで、学びを得たいという気持ちでした。

── 多可町で印象に残った人物がいたら教えてください。

齋藤 小椋聡さんという、兵庫県の西宮市から多可町に移住された方の言葉が心に残っていて。町役場と提携して「定住コンシェルジュ」をされていたり、古民家ギャラリーを営んでいる方なのですが、「私たちがやっていることは子供たちが一目見て『すごいね!』と言うようなことではないけれども、若い子たちが社会に出てつまずいたりしたときに『そういえば、おもしろいことやってるひとがいたな』って思い出してくれたらいい」って仰られていて、とても印象的でした。

最初はプレゼン企画のストーリーを「多可町の大人たちは子供も憧れの存在」というテーマで考えていたのですが、小椋さんに話を聞いて「大人がなりたい大人が集う町」に変更しました。大人でもいろんな感情の入り混じった夢を描けるんだなって思えたからです。

齋藤さんのプレゼンの様子

プレゼンのスライド

── 映像作家として今後の目標はありますか?

齋藤 今後は、ひとの人生観に触れるような作品を生み続けたいです。作品を見てくれた人が、何か行動を起こすきっかけを見出してくれたり、「よっしゃ、自分もがんばろ!」みたいなエネルギーを感じてくれたら、映像作家として本当に幸せだなと思います。

昨年より、「手と手」という“つくり手”をフィーチャーした短編ドキュメンタリーの制作をしているんですが、その作品を通していろんな職人さんたちの生き方や働き方を取材しています。現在は自主制作で行なっていますが、今後も制作を続けて、自分の作品でエネルギーを発信していくことが目標です!

(4)「ジモコロ」チームのカメラマン・小林直博さん

フリーペーパー『鶴と亀』

小林さんのプロフィール画像

小林 直博(こばやし なおひろ)

本キャンプにて初めて多可町に訪れる。フリーペーパー『鶴と亀』編集長。編集者兼フォトグラファー。1991年生まれ。ばあちゃん子。生まれ育った長野県飯山市を拠点に、奥信濃らしい生き方を目指し活動中。本記事に出てくる写真の撮影を担当。

── 小林さんは今回のキャンプで初めて多可町に足を運んだんですよね?

小林 はい! そうですね。

── まずはキャンプの感想を聞かせてもらってよいですか?

小林 僕は長野県飯山市という、人口2万人くらいの地域に住んでいるんですね。そういう身からすると、今回のキャンプがこの規模の地域で開催されていること自体にまず感動しました。多可町は「敬老の日発祥の地」だったり、日本酒の「山田錦発祥の地」だったり、はたまた山間部の荘厳な雰囲気だったり、住民のみなさんが自分の町のいいところをグイグイ言えるところはすごく魅力的に感じました。

── 多可町の一番の魅力をあえてひとつ挙げるとしたらなんでしょうか?

小林 自分が住んでいる土地と比べてみても親近感が湧きました。なんというか表現が難しいのですが、町のひとが、気取ってないなって思いましたね。特に印象に残っているのは、マイスター工房の太巻きと、レストランの古時計と、あとは播州織(ばんしゅうおり)です。播州織に文字が織ってあるものなんかはカッコよくて惚れました。

── マイスター工房の藤原さんの印象はどうでした?

小林 あのまま死ぬまで突っ走って欲しいですね(笑)。あと孫にお小遣いを5万円あげている話、うちのばあちゃんにも話してみようと思います。

小林さんのおばあちゃん
小林さんのおばあちゃん

── 5万円もらえたら嬉しいですよね(笑)。最後に『鶴と亀』の今後の展望を聞いてもよいでしょうか?

小林 春頃に第五号を発行目指して今まさに制作中です。あと、山梨のフリーペーパー「BEEK」とのコラボ、『鶴と亀山梨号』も発行予定で準備中です。

── そうなんですね! どちらも楽しみにしておきます。『鶴と亀』だけではなく、小林さんはジモコロチームとして、いろんな地域を取材で回っているんですよね?

小林 そうですね。燕三条、山形、長野、諏訪、松本、京都、山梨、道東(北海道)、岩手、荒川区とか──。

── わっ。めちゃくちゃたくさんですね(笑)。今後もご活躍を期待しております!

小林さん

多可町の2泊3日の映像キャンプを終えて

僕自身はというと、多可町の町職員のみなさまの温かい空気感が印象的でした。「TAKA Winter Video Camp」のような先進的な取り組みに賛同して実現されているということは、ある意味では尖った空気や、パワフルさが目立つひとが多いのかなと最初は想像していました。

実際は、多可町に着いたとき、気取ることなく等身大の姿勢で僕らを迎えてくれて、とても安心した気持ちになったことを覚えています。

あとはもちろん、「マイスター工房」の巻き寿司です。まさか自分自身、「この巻き寿司を食べるために、また多可町に足を運びたいな」と感じるとは、思っていませんでした。

きっとまたいつか食べに行きたいと思うご飯があれば、土地の魅力云々を飛び越えてひとが集まるんだと、ここまで強く実感できたのは初めてだったかもしれません。

冒頭でも触れましたが、施設長の藤原たか子さんへのインタビュー記事が、本日同時に「ジモコロ」にて公開されていますので、よかったら合わせて読んでみていただけたら嬉しいです。

(この記事は、「ジモコロ」と協働で製作する記事広告コンテンツです)

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くいしん

編集者。1985年生まれ、神奈川県小田原市出身。→ さらに詳しく見る

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