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【鳥取メディア研究部】「ローカルメディアをやりたかったらまずはお金をしっかり稼ごう!」イケダハヤト

豪華ゲストを迎えて全5回で開催中の「鳥取メディア研究部~ぼくらが伝える、鳥取(以下、鳥取メディア研究部)」。9月23日(土)に、第4回を開催しました。

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同プロジェクトは鳥取県と日本財団が実施している「県の魅力の再発見・価値の創造」プロジェクトの一環で、主催はTom Cat(Tottori media creative action team)(*1)。「灯台もと暮らし」も協力しています。

(*1)Tom Cat:一般社団法人ワノクニ、とっとりずむ、鳥取マガジンが協働する鳥取メディアクリエイティブアクションチームの略称。

鳥取の様子1

鳥取の様子2

会場

メディアに限らず、何か新しいことを始めるときに、たくさんあったら嬉しいもの……。

それは、お金。

インターネット上でお金を稼ぐ方法のひとつに「アフィリエイト」と呼ばれる広告収入を得られる仕組みがあります。そのアフィリエイトについて、今回お話をしてくれる講師が、ブログ『まだ労働で消耗してるの?』を運営している、プロブロガーのイケダハヤトさん(通称、イケハヤさん)。「灯台もと暮らし」でも特集した【高知県嶺北地域】にお住まいです。

アイコン

イケダ ハヤト

1986年神奈川県生まれ。ブログ「まだ労働で消耗してるの?」を運営。2009年に早稲田大学政治経済学部を卒業、半導体メーカー大手、ベンチャー企業を経て、独立。2011年からはブロガーとして、高知県を中心に活動。著書に『年収150万円でぼくらは自由に生きていく(星海社)』『武器としての書く技術(中経出版)』『新世代努力論(朝日新聞出版)』『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく(幻冬舎新書)』などがある。

当日のタイムスケジュール

14:00〜 ごあいさつ
14:05〜 イケハヤさんの講座スタート
14:55〜 イケハヤさん大質問会
16:00〜 ワークショップ

さっそくですが、イケハヤさんの講座から、「お金の話、収益化の話」の一部を厳選してお届けします。

イケハヤさん運営ブログは、月間100万人が読んでいるサイト

イケダハヤトさん
イケダハヤトさん

イケダと申します。さっきがんばって急いでスライドをつくったんですよ。行き当たりばったりで生きてるので(笑)。

今日は全5回のうちの、4回目ですよね。聞いた感じだと、メディアの話とかクリエイティブやSNSの話は、すでにしてもらっているかと思いますので、僕が担当するのはお金の話。収益化の話を中心にしていこうかなと思います。

ブログを書いていて、アクセス数で言うと月間100万人くらいが読んでいるサイトを運営しています。ページビューは調子いいと300万ページビュー以上になります。

2009年につくって8年経つサイトで、記事は8,000本くらい蓄積しています。放っておいても、アクセスはどんどん来るようになってるという感じ。

僕が住んでるのは高知県の嶺北地域と言います。四国のど真ん中で、山の中です。いわゆる限界集落と言われるような場所。世帯数でいうと100世帯くらいで、人口が150人くらいの集落です。

だいたいみなさん60歳以上なので、若いひとはそんなにいない。ただ、移住者が着々と増えていて、僕らしかり、20代30代のひともそこそこいるというおもしろい地域です。

ローカルメディアは儲からない

ローカルメディアは儲からない

みなさんは、ブログやローカルメディアを運営している方が多いかと思います。

前提として、ローカルメディアは、まず儲からないです。

基本的にお金にならないと思ったほうがいいです。普通にやっていくと、まあ食えないです。ちゃんと続けるためには収益性を考えないといけない。

じゃあどうするかというと。

遠回りなようですけど、メディアに限らず、別でちゃんと収益性のいい事業を持ってそこで稼げばよいと思います。稼いだお金で、お金にならないことを淡々と楽しくやっていけばいいんじゃないかなと思うんです。

僕は、遊ぶためのお金を手に入れるためにがんばって仕事をしています。どんどんお金を稼いで、楽しいことをチームでやって、おもしろい地域をつくっていく、ということをしているんですね。

具体的にどうやって稼いだらよいのか

具体的にどうやってお金を稼ぐの? というお話。今日は、アフィリエイトについて詳しい方は、そんなにいらっしゃらないと思います。他の講師陣の方も、染谷さんは詳しいけど、他のみなさんはアフィリエイターではないので、僕がしたらよいのではないかなと。

アフィリエイトがどういうものかというと、まずASP、「アフィリエイト・サービス・プロバイダ」というものがあります。たくさんのASPがあって、たとえば業界最大手の「A8.net」というASPがあります。ここに、いろんな広告が載ってるんです。

たとえば自然食品の通販の専門店の広告とか。これを紹介して、誰かが買ってくれると、利益の3%が、僕のところに振り込まれます。

本当にいろいろあります。最近おせち商戦が始まってますね。おせちをブログで紹介して売ったら、2,500円とか。毛布の売上の20%が入るとか。誰でも知っている会社の広告もたくさんあります。

アフィリエイトの広告としての特徴は、実際にその商品が売れたときにそのお金を得るっていうところが、今までの広告とはイメージが違うんです。たくさん売れば売った分だけ、お金がもらえる仕組みになっています。

自分が好きなものを売ろう

講義中の様子

僕、漫画がすごい好きなんですよ。強烈に好きで。年間で1500冊くらいの漫画を読んでいます。ずっと漫画を読んでいるので、漫画のまとめを書いているんですね。「1巻完結 漫画」とかで検索すると、僕のブログが上位に出て来ます。

ずらずらと漫画が載ってるわけです。この漫画を、みなさんが紹介記事を見て、おもしろそうだなと思ってポチッとAmazonで買ってくれると、電子書籍の場合は8%、540円の8%が僕に収益として入ります。僕はそんなにAmazonは力入れてないですけど、いろんな商品が売れていて、その紹介料として今月は10万弱くらい入っています。

矢野大地さんの「蕁麻疹の記事」の話

うちはアフィリエイトの月商が500万円くらいです。でも、トップ中のトップだと、ひとりで月商2,000万以上稼いでいる方とかいますから。恐ろしいですよ。それくらい収益性が出せるメディア事業が存在しているということを知るのはすごく意味があると思います。

でも最初はやっぱり難しいです。いきなり狙って、10万とか稼げるのは、100人にひとりいるかいないか。そんな簡単に当たらないので、ひたすら1〜2年は続けましょう。

すごくわかりやすい事例で、うちの元アシスタントの矢野くんというおもしろい男がいて。彼にアフィリエイトを教えたんです。まぁ、アフィリエイトやってみろよと。彼も僕と同じ嶺北地域の限界集落に住んでいるんです。「アフィリエイトわかんないです」って最初は言っていました。

でもそのうち大当たりして。彼は、酒をひたすら飲む。で、酒を飲みすぎて、蕁麻疹が出て病院に行ったことがあって、その経験をブログに書いたんです。そしたらなんと「酒 蕁麻疹」で検索すると彼のブログが検索1位で出てきます(※2017年10月現在)。

蕁麻疹になるのも悪いことじゃないなと(笑)。めちゃくちゃ読まれているそうです。みんな酒を飲んで、蕁麻疹に困ってるんです。

最初は大した記事じゃなかったんですけど、上位表示が取れてからがんばってリライトしてるんですよ。10回以上書き直してるんじゃないかな。いろいろ話してみてる中で、A8.netを見てみたら、シジミのアフィリエイト広告がありました。彼がこれはいけるんじゃないかと思って、シジミを試してみたっていうのを記事に入れたら、ちゃんとシジミが売れるんですよ(笑)。

月に数万円の収入になっているらしいです、この記事で。すごいですよ。もうそんなメンテもしてないですもん。なので、はじめからアフィリエイトを狙わなくても、記事をちゃんと書いていくと、たまにヒットするんですよ。これ、意外とよくある話なので、そういうところを狙って、可能性があることを意識して記事を書いていくといいのではないかなと思います。

アフィリエイト、メディアの事業って、すごく外貨を稼ぎやすいんです。僕も限界集落にいるわけですが、そこからお金を稼ぐのではなく、外の世界からお金を得て、地域に還元していくようなスタイルでビジネスをしています。そっちのほうが豊かになりやすい。

もちろんローカルのビジネスを否定するわけじゃないですけど、役割分担というか、外からの稼いだほうが効率がいいわけです。そういうことをちゃんとやっていくためにアフィリエイトをちょっと学んでおくと、事業的にもローカルメディアが伸ばしやすくなります。

まずはしっかり収益化できる事業をつくる。そして、ローカルメディアをやる。こういう順番がよいと思います。

講義中の様子

ワクワクすることを忘れない

メディア運営をしていく上で怖いのはですね、大勢のひとと一緒にメディアをつくってしまって、途中でつまんなくなることです。ワクワクしなくなることが、一番怖い。ワクワクしないんだったらやめたほうがいいですし、ワクワクできるように、考えたほうがいいです。僕の場合は、自分ひとりでメディアをやっているので、自分が移住の話を書くのはもうつまんねえなと思ったのでやめました。

その前はTwitterやFacebookの話、ソーシャルメディアのマーケティングの話を書いていました。でも、飽きてきて、自分自身でやっていて、つまんねえなってなったのでやめました。今は仮想通貨がおもしろくて、ワクワクしながら仮想通貨の記事を書いています。たぶん、これもすぐ飽きます。そうしたら、また次を探します。

そうやって、ワクワクしながらやっていかないと、おもしろいメディアはできません。自分がやっていて楽しくない。これが、とても重要です。お金を稼ぐっていうところも同時にやりつつ、自分がワクワクできることをメディアで表現していくということを高度な次元で融合させていく仕事が、メディア運営です。

個人の影響力は重要

影響力が重要

個人の影響力ってすごく重要です。自分を前に出すのは怖いですし、当然、炎上とかします。「死ね」とか「馬鹿」「消えろ」としょっちゅう言われます。でも、そんなのは慣れなので。個人の影響力、しっかり自分を前にさらけ出して高めていくっていうのは、これからメディアをつくるなら意識したほうがよいと僕は思う。

ちゃんとお金を稼ぎましょう。しっかりお金を稼いで、おもしろい場所をつくって、いろんなことをやりましょうというような僕からのメッセージでございます。ご静聴ありがとうございました。

ワークショップの様子

ワークショップの様子

ワークショップは「イケハヤが参加者のブログ・メディアを斬る!」という企画。以下の5つのブログ・メディアが取り上げられました。

TOTTO
ツイッターアカウントはこちら
イケハヤさんからのコメント:
「このままでは一年後に消える! タイトルを工夫しましょう」

鳥取なにたべ!
ツイッターアカウントはこちら
イケハヤさんからのコメント:
「写真のクオリティを高めて、統一感を出し、世界観をつくろう。ハッシュタグをもっと上手に使おう」

職業:農家 ちけの就農奮闘記
ツイッターアカウントはこちら
イケハヤさんからのコメント:
「アメブロは見づらいから、他のブログサービスに変えたほうがいい」

なりじょしん家
ツイッターアカウントはこちら
イケハヤさんからのコメント:
「収益性の高い記事を狙って書いてみよう。文章のボリュームが少ないので、今の文量なら1日2、3本は書いてみよう」

ハロー鳥取ハロー保険
Facebookページはこちら
イケハヤさんからのコメント:
「ブログを独立させるのではなくて、会社サイト本体とくっつけてるのがよい」

ぶった斬ったと思いきや、いいところは褒めまくるイケハヤさん
ぶった斬ったと思いきや、いいところは褒めまくるイケハヤさん
懇親会は近くにあるブックカフェ「ホンバコ」さんで行った
懇親会は近くにあるブックカフェ「ホンバコ」さんで行った

集合写真

鳥取メディア研究部、最終回となる第5回は10月21日(土)に開催します!

ゲスト講師は、「ジモコロ」「BAMP」編集長で株式会社Huuuu代表の徳谷柿次郎さん。

「その地域に興味がなかった人々に土地の魅力を届けるコツ」を学びます。

(この記事は、日本財団と協働で製作する記事広告コンテンツです)

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探求者

くいしん

編集者。1985年生まれ、神奈川県小田原市出身。→ さらに詳しく見る

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