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【移住女子】「田舎はユートピアじゃない」。でも私たちは、今の暮らしが大好きです-福岡 畠山千春&新潟 栗原里奈 -

私と地域の未来をつくり、繋いでいく。【移住女子】特集、はじめます。

2012年4月に新潟県長岡市の川口に移住した、栗原里奈さんと、2013年5月に福岡県糸島市に移住した、畠山千春さん。

2011年3月の東日本大震災が大きな移住のきっかけとなったと語る2人は、じつはお互いの移住前からの知り合い。年齢が近く、想いや暮らしのスタイルも似ているところが多いそう。「違うのは、東と西くらいかもしれないね」と笑い合う2人に、それぞれが暮らす地域の魅力を聞きました。

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栗原 里奈:新潟県長岡市

1986年千葉県松戸市生まれ。東京の大手企業に勤め、裕福な暮らしに満足していた中、東日本大震災を経験。お金があってもお米が買えない体験をし、お金に依存し過ぎた暮らしに気づく。2012年に結婚した後、2013年11月新潟県長岡市の中山間地に念願の移住を果たす。2014年6月第一子を出産。地域の人に見守られながら子育て奮闘中。現在は新潟地域プロデューサーとしてイベント企画・運営だけでなく、講演や執筆活動にも邁進。SUZUgroupに所属しながら、食を中心とした新潟県の文化の発信に努めている。

移住女子・畠山さん

畠山 千春:福岡県糸島市(@chiharuh

1986年生まれ。3.11をきっかけに大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ、自分の暮らしを自分で作るべく活動中。2011年から動物の解体を学び、鳥を絞めて食べるワークショップを開催している。2013年狩猟免許取得、狩りを始めながら、獲物の皮なめしなども修行中。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちで作る「いとしまシェアハウス」を運営。2014年に木楽舎より『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』を出版。ブログ「ちはるの森」の運営。

移住女子_新潟県長岡市の栗原里奈さんと、福岡県糸島市の畠山千春さん
左)畠山千春さん 右)栗原里奈さん
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とにかく最高です

畠山千春(以下、千春)  地域の魅力かぁ……。先に言ってもいいですか?

栗原里奈(以下、里奈) もちろん(笑)。

千春 端的に言うと、私の暮らす糸島は、最高なところです。

里奈 あはは(笑)。

千春 山があって、棚田があって、きれいな川があって。季節折々の花がたくさん咲いて、夜は星がとてもきれいに見えます。私が住んでいるのは山間集落なんですが、じつは車で5分も行けば海もあるんですよ。

福岡県糸島市
福岡県糸島市

千春 どれくらい最高かというと、それぞれの季節が美しすぎて、旅行が必要ないくらい。

特に春は通りすぎるのが早いので、仕事で県外に行く用事ができると、「あぁ、きれいな季節と美味しいものを逃しちゃう……」と後ろ髪を引かれます。ツクシやノビル、フキノトウなどの山菜類は、1週間単位で旬の時期が過ぎてしまうから。

里奈 うんうん。

千春 うちは水道が通っていなくて、湧き水が流れる川から水を引いて暮らしています。川が海につながっているところなので、生態系がものすごく豊か。水が良いからお米も美味しいし、川魚も海魚も食べられる。もちろん、山の恵みもたくさんあります。

里奈 たとえば(島本)幸奈ちゃんが暮らす宮城県石巻市は海の幸に強くて、(佐藤)可奈子ちゃんが暮らす新潟県十日町市は山の幸に強い、みたいなね。地域ごとに食材って違ってくるものだけど、海と山の幸のどちらもあるんだね。

千春 うん。自然環境がいい。あと、都会が近い。福岡市街まで、電車で1本。しかも、50分くらいなんですよ。空港までも1時間あれば出られるし、最近はLCCも飛んでいるから気軽に出かけられる。糸島って、ある意味お試し移住に向いている場所なんじゃないかなぁって私は思いますね。

「ひとが好き」と言える土地で暮らす幸せ

里奈 推すねぇ(笑)。新潟も上越新幹線と、今は北陸新幹線も通っているから、交通の便はすごくいいし、食べ物も美味しいよ。

でも、私は立地や自然環境ももちろんだけど、川口のひとがいいなと思ったんですよ。

移住女子_新潟県長岡市の栗原里奈さんと、福岡県糸島市の畠山千春さん

千春 うん、すごく分かる。

里奈 私は、2011年の東日本大震災で考えが変わった人間なので。それまでは東京都内でいわゆるOLとして働いていたけれど、東日本大震災後に「現金を持っていても食べ物が買えない」という衝撃的な出来事に遭遇して。

川口には、中越地震後、なおたくましく生きるひとがたくさんいます。田んぼが崩れて、名産の鯉が泳いでいた池がつぶれてしまって……それでも、立ち直って頑張っているひとたちが、生きていらっしゃる場所。その力強さにすごく憧れたし、いまもその背中を追い駆けたいと思っている。現代の東京や、首都圏に暮らすひとたちに足りないものを、このひとたちは持っていると思ったことが、一番の移住の動機なんだよね。

千春 ひと、だよね。

里奈 そう。それらを継ぐ一助を担えるようになるために、今はいろいろなことに挑戦している途中という感じかな。

お金ではない価値で自分の暮らしを組み立てていく

千春 私と里奈ちゃんは、移住のきっかけや感じていることがすごく似ているよね。

里奈 うん。違いといえば住んでいるところが東か西か、くらいじゃない?

千春 私も、2011年の東日本大震災を体験したときに、これまで通りの暮らしを続けることに、すごく危機感を感じました。

都会は物流があってこそ成り立つ場所。それは素晴らしいシステムだと思うし、否定する気持ちも全然ない。環境問題や地域コミュニティに関心を持ちながら、街暮らしを選んでいた私が、その都会の恩恵を選んでいたひとりだからね。

でも、震災を体験してから、自分で何も生み出せずに、お金で交換しないと何も手に入れられない状況にいることが、すごく恐ろしいなと思った。いかに、自分の暮らしを自分でつくれず周りに依存しながら生きてきたかを痛感して。

周りがどんな状態になっても、きちんと自分の力で生きていける技術や知識や、信頼できるひと、コミュニティを得たいと思ったの。その2つを実践するために糸島に移住したといっても、過言ではないかもしれない。

里奈 分かる〜! 私たちは2人とも狩猟免許を持っているけれど、狩猟をしようと思ったきっかけや、そこに至るまでの気持ちって、すごく自然の流れの中にあったよね。

移住女子_新潟県長岡市の栗原里奈さん

千春 そうそう。

あ、でも私たちの違いで言えば、私は里奈ちゃんよりも少しだけ慎重派かも(笑)。

里奈 私もすごく考えてから動くタイプだとは思うけれど、千春ちゃんもすっごく考える派だよね(笑)。

千春 いやほんとに、めっちゃ考えてる。

里奈 移住は、考えないとできないよね。

私たちは、よく「東京の会社を辞めて地域に移住して、勇気あるね」と言われることがあるけれど、いきなりすべてを手放して移住したわけではない。都会の仕事を請け負いながら、徐々に仕事の比重を移住先に移したり。私の場合は、まずパートナーを見つけて、経済的にも暮らしも、安定するような道を選びながら進んできたし。

でも、やっぱりさっきの千春ちゃんの話の繰り返しになるけれど、私たちは、都会で暮らすよりも、地域で暮らす方がリスクが少ないと思ったから、今の土地で暮らすことを選んだんだよね。

移住女子_新潟県長岡市の栗原里奈さんと、福岡県糸島市の畠山千春さん

千春 そうそう。ちょっと壮大な話になっちゃうかもしれないけれど、私たちがおばあちゃんおじいちゃんの世代になったときの年金問題とか考えなければいけないことじゃない。たとえば年金がもらえないと分かったとき、その年でキャッシュを稼ぎ続けるってきっとすごく難しい。そもそも今後、貨幣経済がちゃんと回っていくかどうかも分からないし。

そうなったら、お金じゃない価値でも、私のことを助けてくれるひとたちと一緒に暮らす方法をとらないと、危ないんじゃないかなって。このひとを助けたいとか、このひとはこういうところに秀でているから尊敬している、守っていこうとか、そう思ってもらえるような人材になるのが私の今の目指すところ。

里奈 根本的な生きる技術を鍛えていくとか、変わらない価値を磨いていきたいと思うってことだよね。

田舎はユートピアじゃない。移住のミスマッチをなくしたい

千春 ちょっと話は変わるけれど、私は、糸島がすごくお試し移住に向いているなと思う一方で、移住のミスマッチをなくしたいという気持ちもあるんだよね。

里奈 それも分かる。

千春 分かり合えることが多いねぇ(笑)。

里奈 いいことだよ(笑)。

移住女子_福岡県糸島市の畠山千春さん

千春 やっぱり、田舎暮らしはユートピアじゃないから。私はすごく糸島の暮らしを楽しいと思っているけれど、実際は夢みたいなことばかりじゃない。それを含めて、私は今の暮らしが好きだって言えるんだけど……。

移住したいと思ったひとが、自分がどういう場所に住みたいのかとか、地域で暮らすことの大変さを見つめ直す作業は、たぶんすごく大切なんだろうなって思う。漠然と古民家に住んで、おしゃれなカフェみたいに改装して、自分の食べる分は畑をやって自給自足、という夢は否定はしないけど、でもそれをするためにはまず地域のひととの信頼関係をつくることが必要とか、家の改修はじつはマンションに住むよりもすごく費用がかかるという現実がある。

そういうことを加味して、果たして自分はそれを乗り越えられるのか? って考えて、その上で来てくれるひとが増えたら、うれしいよね。

里奈 地域の方が人間関係は濃いもんね。私たちは移住者だけど、移住してくるひとを受け入れる立場になることも、いまはあるからきっと強くそう思うのかもね。

千春 うん。だから、私たち夫婦が運営する「いとしまシェアハウス」では、移住の受け入れのときはもちろん、糸島を出て行くことがあった場合のケア、コミュニケーションをすごく丁寧にしたいと思っているし、実践もしているんだよね。

いとしまシェアハウス
写真引用:「いとしまシェアハウス

里奈 それはすごくいいことだと思うよ。

千春 地域のミスマッチをなくして、自分の描く暮らしを実現できるひとが増えたら、地域はもっと豊かになると思うし、私自身も、もっと生きることを楽しめると思うんだよね。ひとりじゃ絶対に生きていけないから、田舎って。

……総じて、糸島、いいところだよ。

里奈 え、そういう終わり方?(笑) でも、お互いまだまだやりたいことがたくさんあるはずだよね。また少し時間が経ってインタビューしてもらったら、やっていることが変わっているかもしれない。

千春 そうだね。糸島の暮らしのいいところをそのまま残して、小さな村をつくっていきたいな。

里奈 できるよ、千春ちゃんなら。私も、新しい仕事を始めたし、川口の子育てサークルの活動も、楽しく続けていけたらいいな。

ということで、川口もすごくいいところですよ(笑)。東と西で少し距離は離れているけれど、これからもお互い頑張っていこうね。

(この記事は、にいがたイナカレッジと協働で製作する記事広告コンテンツです)
(一部写真提供:畠山千春)

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伊佐 知美

旅するエッセイスト、フォトグラファー。1986年生まれ、新潟県出身。世界中を旅しながら取材・執筆・撮影をしています。→ さらに詳しく見る

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