「灯台もと暮らし」が以前、【高知県嶺北地域】特集にてプロブロガーのイケダハヤトさんを取材したのは、2016年の春。

嶺北1

嶺北2

あれから約2年、イケハヤさんは嶺北で「イケハヤランド」をつくっています。

現地に足を運び、取材させてもらって気づいたのは、イケハヤランドとは「イケハヤさんが購入した高知の山奥の土地」のこと。今はまだ、それ以上でも以下でもありません。

僕ら「灯台もと暮らし」編集部は、もう1年以上、特定のオフィスを持たずに、ノマド的に働いています。

そんな中、編集部員たちに芽生えてきたのは、「オフィス欲しいなぁ」という気持ち……。

そこで、「フリーランス時代にノマドしていたけれど、嶺北で拠点を構えたイケハヤさんに、自分たちの先輩としてその心境を聞いてみたらどうだろう」と今回の記事の企画が決定しました。

「ノマドは、山を買え!」

「日本中に拠点が点在していて、相互に交流できるように世の中が変化し始めている」

「田舎で会うと、数時間でもすげえ楽しい思い出になる」

「ルワンダに行きたい」

「あらゆるものは本質的には、流動的」

「みんなひとつに固執しすぎ」

「自分たちの経済圏を自分たちでつくるっていうチャレンジがおもしろい」

続々登場する“イケハヤ語録”、お楽しみください。

イケハヤさん1

イケハヤさん2

ノマドは、山を買え!

── 僕らの周りでも特にここ一年くらい、2拠点や多拠点居住している方が増えてきているなと感じています。イケハヤさんの場合は、イケハヤランドという大拠点を、自らの手でつくっているわけじゃないですか。

イケハヤ そうですね。ふははは(笑)。

── イケハヤさんがノマドというキーワードで記事を書いたり、実際にフリーランスとしてノマドワーカーをしていたのって、2012、3年頃です。で、2014年に高知に移住されました。インターネットを軸にしたプロブロガーという仕事は、どんな場所でもできる仕事にも関わらず、イケハヤさんの場合は、嶺北に拠点を構えたわけですよね。

イケハヤ はい。そうですね。

── 素朴な疑問なんですけど。イケハヤさんが、リアルの土地や森に興味を持つようになったのってなぜなんですか?

イケハヤ こういう場所をつくれるのは純粋におもしろいですよね。リアルな土地がないとできないことって多いし。希少な資源が、田舎にはたくさん余ってる。都会だと土地も高いし、そもそもこんな山なんかないじゃないですか。

今年の冬は、もうちょっと買って陣地を広げたいんですよ。隣接してる山で、ふたつくらい買えそうなところがあって。そこを買えたら、4,000坪か5,000坪くらいに陣地が広がるんです。

整備したら山はきれいになるから、そこを宅地にできたりしますし。水も太陽光もあるので暮らしていけるので。10年、20年後くらいにここら辺を全部開発して、20くらいの世帯が暮らす集落をつくれるわけですよ。コストは1億もかからないんじゃないかって考えると夢がありますよね。

そういう遊びはリアルな土地がないとできない。東京だったら1億じゃできませんよね。そういうスケール感って、田舎特有です。自分の広い土地があるのはすごく楽しいし、快適。周りに誰もいないし。

みんな実際、山を買ってますよ。ホリエモンも自分の村をつくるって言って、山を買ってるし。僕の同世代だと、Next Commons Labの林さん。林さんは、こないだ敷地にクマが出るんだって言ってました。クマはきつい(笑)。

山を買うのは、本当におもしろいですよ。これは、自分を中心とした経済圏をリアルにつくっていく行為につながりますよね。

イケハヤランド付近

世界中にいる似たような嗜好性のひとたちみんなが拠点を持ったら

── 「灯台もと暮らし」編集長の伊佐は、世界一周をした都合で、もう2年くらい自身の家がなくって。そうなると、「家が欲しい」と言い出すんです。僕ら自身ももう1年以上オフィスを持たずに仕事をしてたのですが、いくらノマドをやっていても、結局、拠点はあったほうがよいのかって問いが僕らの中に芽生えてきまして。今回、お話をうかがいに来ました。

イケハヤ 「greenz.jp」編集長の鈴木菜央さんがアメリカの西海岸に行って、エコビレッジを取材したときの話なのですが。そこでやっていることは日本と変わらないし、意気投合できたんだ、と。アメリカにも、同じような考え方のひとたちがいることに感動したって話をしていました。

その感覚ってよくわかります。僕らのようなITノマドみたいな働き方をするひとって、どこにいても同じように仕事ができる。逆に言えば、アメリカにも僕らみたいな働き方をするひとがいるし、ヨーロッパにもアフリカにも似たような志向性のひとたちがたぶんいるんですよ。

そこで、世界中にいる似たような嗜好性のひとたちみんなが拠点を持ったら楽しいじゃないですか。今、同じようなひとたちのいる場所が日本には増えてきていますよね。

こうして今日みたいに高知の拠点にも、松本さん(本特集のスポンサー)やもとくら編集部が来てくれる。LCCが登場して一般的になって、移動コストが下がったことで、気軽に行き来できるようになりました。

世界中、日本中に拠点が点在していて、相互に交流できるように世の中が変化し始めています。それが楽しいですし、次の僕らの思う豊かさって、そこかなという感じ。各地の拠点に遊びにいけるし、そこに行って仕事もできるし、プロジェクトが生まれることもあるみたいな。おもしろそうじゃないですか?

イケハヤさん4

「今度の打ち合わせは沖縄で」みたいな

イケハヤ 先日の鳥取メディア研究部の翌日に、「ホンバコ(鳥取駅近くのブックカフェ)」にみんながVALU(や仮想通貨)の話をするのに集まったのは衝撃的でした。

イケハヤ 特別何かあるわけでもないけどみんな鳥取にわらわらと集まって、話して、解散するみたいな。時代がひとつ進んだ感じがしましたよね。3年前では、そうはならなかったでしょう。

それだけ今はひとが流動的に動くようになってますし。普段と違う場所で人と会うのって楽しいですよね。東京で会ってもおもしろくないでしょうし。鳥取の田舎で会うと、数時間でもすげえ楽しい思い出になりますよ。ひとと会う場所が多様化していく。

今だと東京にひとが集まるのが当たり前とされていますよね。僕の友人の経営者とか、沖縄で集まったりしますね。それで酒を飲んで帰るっていう(笑)。仕事の打ち合わせをわざわざ沖縄でするんですよ。地方のひとからすると、それって東京に出ていくのとあまり変わらない。

僕、今、ルワンダに行きたいと思ってて。

── ルワンダですか!

イケハヤ ルワンダは今すごくおもしろいらしくて。経済成長も著しいし、文化的にも発展してきているし、IT企業も増えていて、気候もいいです。

でも、僕の家族だけで行ったってわからないことだらけ。だけど、今は現地にいるひととつながることも容易だし、詳しいひとや行きたいひとを、ちょっと募集したら一瞬で集まるじゃないですか。クラウドファンディングで一緒にいくひとを集めてもいいし。

「今度の打ち合わせは沖縄でやりましょう」「ルワンダでやりましょう」みたいな。これから数年は、そういう遊びが流行るんじゃないですかね。

イケハヤさん7

あらゆるものはそもそも流動的

イケハヤ あらゆるものは本質的には、流動的です。僕はここに住んでいるから、働く場所という意味ではそんなに流動的ではないですけど、仕事も流動的に変えてきました。

── ブログがあって、イケダハヤトがやってるっていう芯はあるんだけど、TwitterやFacebookといったSNSやマーケティングの話が中心だった時期を経て、移住やローカルというテーマになり、今度は仮想通貨というテーマに移り変わっているんですよね。流動性がめちゃ高い。

イケハヤ それ自体を含めてノマド的なんでしょうね。ひとつのものにこだわらず、常識にとらわれず、自分のコンディションと周りの環境を見つつ調整しながら楽しんでいく。

みんなひとつに固執しすぎ感はありますね。もっとさっさと次に行けばパフォーマンスが高まるのは確実なのに。それいつまでもやっててもしょうがなくねえか、みたいな(笑)。

時代というのは流れがありますから。今は変化をしていったほうが得な時代です。変化したほうが、いい。

みんなが柔軟な働き方を求め出した

イケハヤさん8

── いわゆるノマドではなくとも、柔軟な働き方を求めてるひとがすごく増えている実感もあって。えとみほさんが言ってたんですけど、求人すると、給料が高い云々よりも、「週3、4勤務」とかに今、優秀なひとが集まるそうで。そういう働き方が広がってきたし、そういう働き方ってできるんだって認知されてきたんだろうなって感じます。

イケハヤ ようやくって感じですね。やっと時代が追いついてきました(笑)。

今、うちの会社は今期、年商1億いけるかなっていうくらい。このまま2億くらいまでもっていきたいと思っているのですが、そうなると資金的に余裕ができて、投資がやりやすくなってきます。

そのお金の使い方をどうするかを考えるのですが、僕ひとりじゃ難しいので、うちの妻に金を使ってもらおうかなって考えていて。

幼稚園や保育園みたいなものをつくりたいということも言っているので。「イケハヤ版森のようちえん」みたいなものをつくったらいいんじゃないかなと(笑)。楽しいですよね。

金にならない事業をもっとやっていくつもりです。学校とか保育園、介護施設とか。ブログは、収益源として利益率が高いモデルです。だからもっと、赤字を垂れ流せる体質を強化していきたい。

この町の住人は、3,500人くらい。僕が住んでる集落が100人ちょっとくらいです。自分たちの経済圏や社会を自分たちでつくろうとするとき、この規模感ってちょうどいいんですよ。

今は仲間が集まってきています。自分たちの経済圏を自分たちでつくるっていうチャレンジがおもしろいし、何より嶺北は、暮らしやすいですしね(笑)。

イケハヤさん10

(この記事は、合同会社cocowaと協働で製作する記事広告コンテンツです)

文章/くいしん
写真/伊佐知美

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