場に集う

千葉県九十九里で田植え体験!日本酒造りまで楽しめる「二人三脚プロジェクト」へ

五月晴れが眩しい、5月初旬。千葉県の九十九里の田んぼに、子どもも大人も帽子をかぶり、短パンTシャツの軽装で集まっていました。

彼らは「二人三脚プロジェクト」の参加者たち。九十九里の農家、熱田農園さんが提供する田んぼで田植えをし、日本酒づくりまでみんなで一緒に楽しもうというプロジェクトです。

二人三脚プロジェクトとは?

二人三脚プロジェクトは、有機農家である熱田農園さん主催で行われているプロジェクト。2012年5月から始まり、毎年5月に田植えをし、稲刈りを9月に、そして2月頃には収穫した完全無農薬無化学肥料米を使って「二人三脚」という日本酒をつくり、田植えをしたメンバーが再結集して飲み明かすという、季節に準じた大規模な企画です。

日本酒「二人三脚」

もとくら編集部は初参加だったのですが、参加者の方々のうち、顔を合わすなり「おお、久しぶり!」という挨拶を交わしている方がちらほら。みんな、去年や一昨年のプロジェクトに参加した方々で、半分ほどがリピーターだそうです。

「このプロジェクトで生まれたつながりも好きだし、主催者の熱田さんが本当に実直なひとで、また参加したいと思った」という声も聞かれた、このイベント。一過性のものではなく、季節や月日を横断してかかわり合いを持てることも、魅力のひとつのようです。

舞台は千葉県九十九里の「熱田農園」

さて! 会場である熱田農園へやってきました。

熱田さん

こちらが、農園を取り仕切る熱田伸也さん。まぶしいのか、この写真は若干強面ですが職人気質の熱い方。二人三脚プロジェクトの旗揚げ人として、いくつかある自分の田んぼの一部を、参加者の方々に毎年開放しているのです。

田んぼの様子

いよいよ田植え! 事前になにかレクチャーがあるのかと思いきや、よういどん!とばかりに大人も子どもも次々と田んぼの中へ。

熱田さんからは「何をしてもいいけど、必ずぼくの田んぼの敷地内だけにしてくださいね!」というアナウンスのみで、稲が入ったゴム版のセットを持って、みなさんどんどん田植えを始めます。

稲の様子

稲
熱田さんが種から育てた稲たち

編集部は田植え初体験でしたので、しどろもどろになりながら、まずは周りの方の様子を見て倣い、教えていただきながらなんとか稲を植えていきました。

田植えのお手本

田んぼのなかは生暖かい水が張られていて、どろりとした土の感触はなんともいえない包容力があります。カエルやミミズ、そしてたくさんの昆虫が足元を泳ぎ抜けていきます。ふいに、稲のことを忘れて田んぼを駆け抜けたり大地に身をあずけたくなってしまいましたが、理性を保ちました。

広々田んぼ

ひとりあたり、3列を植えていくのですが、思った以上にまっすぐ稲を植えるのが難しいのです。そのうえ、後ろ向きでバックしながら一定の方向に稲を植えていくので、一度来た道は戻れません。

一点に集中すると、列が乱れてしまうし、列ばかり意識すると稲の植わり具合が甘くなってしまいます。水に稲の葉が沈んでしまっても、根っこをグッと土の中に入れ込まないと、浮いてきてしまって結局やり直しになってしまうのだそうです。

nininsankyaku11

突き抜けるような青空の下で、もくもくと田植えをするわたしたち。参加者の中には、家族やカップル、友人同士で参加している方が多くいらっしゃいました。

田植えをする男性

どうやって植えるか聞いてみる

父と子で田植え

田植えをするパパ

田植えをする女性2人

田植えをする女性

熱田さんは、野菜もつくっており、その野菜を買い付けているお客さんが、このプロジェクトの参加者になるという流れが多いようです。田植えそのものの楽しさを味わえるうえに、信頼している農家さんと直接話すことができる機会として、参加者の方々にとっても大切な場になっています。

それに、大人になってから裸足でどろんこになることなんて、滅多にありません。そのうえ、田んぼはぬかるみになっていますから足をとられると後ろへひっくり返りそうになります。ただ田んぼの中に立っているだけで、童心に帰れる気がします。

田植えが終わったらBBQ!

ほどよい風と、暑すぎない季節ですが、太陽の下でひと仕事終えたら、ちょっと一休みしたい頃。田植えをしたメンバーで、プロジェクトを共催している山根晋さんのお店「Cafe gin-ger」へ。

山根さんのお店

九十九里浜で採れた海産物とシャキシャキ新鮮な野菜でバーベキューです!

BBQの様子

BBQのお肉

バーベキューの海鮮

プロジェクト名の「二人三脚」は、どういう意味が込められているのかを熱田さんに伺うと「農業というのは一人ではできないもの。作り手と買ってくれる人や食べてくれる人がいて初めて成り立つから、感謝を込めて名付けた」といいます。

しかも、日本酒「二人三脚」のラベルは毎年変わるのだそうです。参加者の方や、プロジェクトを通して親しくなった方にデザインをお願いしています。ラベルを決まったものにしないのは、買い手にとっては覚えづらいというデメリットもありますが、まずは自分たちが伝えたい価値観やプロジェクトの世界観を表現することを優先しているのだそう。

ちょっぴり頑固な熱田さんを筆頭に開催される、人肌のぬくもりを感じる「二人三脚プロジェクト」。田植えが終わった5月から、日本酒が完成して新酒パーティーを開催する1月まで、もとくらでは追いかけてみたいと思います。

二人三脚プロジェクト参加者 二人三脚プロジェクト参加者

集合写真

(一部写真提供:二人三脚プロジェクト

このプロジェクトのこと

公式Facebookページ:二人三脚プロジェクト

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立花実咲

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。生もの&手づくりのもの好き。パフォーミングアーツの世界と日常をつなぎたい。北海道下川町で宿「andgram」をはじめました。→ さらに詳しく見る

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