郷に入る

地元の魅力をもう一度知りたくて。【新潟県】特集、始めます。

東京で暮らしていると、毎日が慌ただしい。

数メートル先で閉まる山手線の電車に飛び乗ったり、点滅する信号を前にして走ってみたり。

ほんの数分、数十秒しか変わらないのに、滑りこまねば損、とばかりに急ぐ。

「この街で学ぶことはまだあるから」と、残ることを決めた私。

東京で過ごす毎日は、忙しくて、刺激的で、とても楽しい。

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でも。

「本当に求めていたものはなんだっただろう?」

「欲しかったものは、見つけられた?」

自分に問うと、少しだけ戸惑う。

新しい何かを求めて、上京した過去の日。

まだ出会わぬなにか、人や、場所や、モノや、仕事。

今よりずっと若かった私は、「ここにはない何かを」と願い、地元をあとにして。

振り返れば、随分時間が経ちました。

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私の地元は新潟です。

忘れてなんかいない。いつも頭の片隅にある、あの街の思い出。

「地元はどこ?」「お酒強いね。」

質問に答えようとするたび、想いを重ねて。

気付けば東京の街にも、ふるさとの面影を感じたりして。

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大切なものを指折り数えて、前に進むために少しだけ振り返る。

地元の魅力をもう一度知りたくて。【新潟県】特集、始めます。

(撮影協力:株式会社カレント モデル・女優 澤 麻衣子)

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探求者

伊佐 知美

旅するエッセイスト、フォトグラファー。1986年生まれ、新潟県出身。世界中を旅しながら取材・執筆・撮影をしています。→ さらに詳しく見る

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