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【新潟県】日本にスキーを伝えた偉人であり、ゆるキャラ「レルヒさん」って?

日本ではじめてスキーを伝えた、オーストリアの偉人・レルヒさん(テオドール・フォン・レルヒ)。実在する人物をモチーフにした、ゆるキャラ「レルヒさん」は新潟県民のほぼ全員が知っているそうです。

ゆるキャラとしてのレルヒさんは、どうして生まれたのか? そしてレルヒさんは今後、どのような進化を遂げるのか。レルヒさんの誕生から関わっている株式会社タカヨシの佐々木謙一さんに教えていただきました。

スキー伝来100周年を記念して誕生

── レルヒさんは、他のご当地キャラに類を見ないインパクトがありますが、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

佐々木謙一(以下、佐々木) 1911年にスキーが日本に伝わってから100周年ということで、2011年に県が実施したロゴマークのコンペに、広告代理店と一緒に参加したんです。当時、ロゴマークをつくるのはいいアイデアだけど、それだけではあまり注目されないだろうと思いました。

だったら「自分たちでキャラクターをつくろう」と。社内で意見を出しあってつくったキャラクターも一緒にコンペで提案、採用され、レルヒさんが生まれました。

レルヒさん

── レルヒさんの身長はおよそ270cm、大きな身体は黄色一色。ゆるキャラのなかでも、キモかわいいタイプだと感じます。

佐々木 レルヒさんが生まれた2009年は、既にゆるキャラブームでしたから、同じキャラクターとして埋没しないことを第一に考えました。あとは、ゆるキャラ調査をしたときに、比較的シュールなキャラも受け入れられると分かったので、他のキャラよりも少し目立つほうがいいのではないかということで、この風貌になりました。

── 他のご当地キャラクターと並んだときに、頭ひとつ飛び抜けていますね(笑)。

佐々木 黄色も目立ちます。目立ちたいからといって大きくし過ぎるとスキーができなくなってしまうので、そこだけ気をつけて着ぐるみをつくりました。

── レルヒさんのキャラ設定もとても詳細ですね。レルヒさんの年齢は28歳で、それ以降は数えるのをやめたと読みました。

佐々木 そうですね、いま104歳ですよ(笑)。

── ご高齢ですね(笑)。

佐々木 レルヒさんの性格をある程度考えていて、レルヒさんだったら、こういうことしても大丈夫なことがありまして。例えば「愛の頭突き」というのがあるんですけど、頭が長いので、お辞儀をすると必ず頭をどこかにぶつけてしまう。それがときどきファンの方たちに当たると、愛の頭突きを受けたと喜んでもらえるんです。もちろん頭は柔らかいから、怪我はしませんよ。

レルヒさん

 新潟の観光を広めるのが使命

── 新潟県民のほとんどの方がレルヒさんを知っているとうかがっています。

佐々木 嬉しいことに、いろんなことでお騒がせしてますけどねえ。注目してもらえるようになったきっかけは、『笑っていいとも!』のコーナーで、ゆるキャラを紹介する企画でお声かけいただけるようになったのはあります。

── ゆるキャラも戦国時代のようにお見受けしますが、課題はありますか?

佐々木 もっと露出機会を増やして、売れたいですね。こちらからイベントに出してほしいと依頼する方が多いのが現状です。逆に各地から呼ばれて困る、くらいになってくれたらうれしいですね。

もともとは新潟のスキーを盛り上げるために生まれましたが、大きな目標は「新潟の観光を広めたい」ということです。今やってることも、新潟のいいところを全国の方々に知ってもらうための活動が主ですから、いろいろなところへうかがえればと思っています。

おでこをぶつけるレルヒさん

── 魅力を伝えて移住を促進できたら、すごく経済効果のあるキャラクターになりますよね。

佐々木 仰るように、新潟に来てもらいたい。もっというと住んでもらいたい。今は移住体験もできるようになってきているんですよ。

NPO法人の『ふるさと回帰支援センター』が2015年の2月に発表した、2014年「田舎暮らし希望地域ランキング」によると、新潟県は5位でした。近年は右肩上がりで、多少なりともいろんな意味で、レルヒさんがお手伝いできているのかなと思います。

── 佐々木さんは、新潟にどんな魅力があると思いますか?

佐々木 たとえば食において、海があり川があり、平野がある。なおかつ雪解けのいい水があるからなんでも実る肥沃な土壌になります。

米や酒がおいしいですよ。酒蔵は日本一「数」が多いんだけど、歴史はあっても大きいメーカーが少ないから、全国に売りに出すことは少ないんです。それに食に関しては「宣伝下手」で、「流通させるまでの生産量に至ってない」ことが、新潟の課題かもしれませんね。

キャラクターみんなで新潟の魅力を伝えていく

演説するレルヒさん

── 今後レルヒさんが力を入れて取り組んでいくことはありますか?

佐々木 新潟県の宣伝課長の「トッキッキ」がいます。何かするときには必ず一緒に、宣伝の一部を担っていきます。

あとは、海外でも動いてみたいですね。南半球とか近隣アジアの雪の降らない地域に行って、スキーや新潟のおもしろさを伝えることで、インバウンドという視点で新潟にも日本にも貢献できたらおもしろいのではないかと。

エヌキャラネット
引用:新潟県ご当地キャラクターステーション エヌキャラネット

── 日本は世界でも有名なアニメキャラクターをたくさん輩出しているので、地域のゆるキャラが、世界で愛されるキャラクターになる可能性は大いにあり得ますよね。

佐々木 今年の3月に、新潟県内で活躍するご当地キャラクターを紹介しながら、そのキャラクターが生まれた地域や企業に興味をもっていただくためのポータルサイトをつくりました。「エヌキャラネット」といいます。

このサイトを立ち上げるために「にいがた産業創造機構(NICO)」から補助金をいただいて、「地域ブランドキャラクターラボ」という会社を設立してはじめました。

── 本格的ですね!

佐々木 これまでレルヒさんの担当として尽力してきましたが、「遊ぶ」くらいの感覚と何でもやってみようという気持ちを持って、キャラクターのみんなで、力を合わせていきますよ。

お話をうかがった人

佐々木謙一

佐々木謙一
大学卒業後、高義紙業(現タカヨシ)に入社。営業一筋38年。東京生活3回通算20年で現在は新潟市在住。WEBやイベント等の案件を多く受注し、近年は官公庁を中心に観光や広報・啓発活動を多く手掛けている。新潟国体でトッキッキの仕事をした経験から、レルヒさんの立ち上げから関わり、今年「地域ブランドキャラクターラボ」を設立。ご当地キャラの窓口として「エヌキャラネット」を立ち上げた。

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小松﨑拓郎

ドイツ・ベルリン在住の編集者 / フォトグラファー。茨城県龍ケ崎市出身、→ さらに詳しく見る

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