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地域で活躍する中小企業やフリーランスのためのクラウド会計ソフト「freee」の活用法 - freee・佐々木大輔さん 

地域で活躍するベンチャー企業や個人事業主が増加しつつある昨今。確定申告や年末調整、毎月の給与計算などの経理や会計業務で、1日中時間を取られてしまう経験があるのではないでしょうか。

今回、急成長中の全自動のクラウド会計ソフトfreee創業者の佐々木大輔さんに、地域で暮らす中小企業やフリーランスの人のための、クラウド会計ソフトの活用の事例や方法を教えていただきました。

freeeを始めるきっかけ

── さっそくですが、「freee」をつくるきっかけを教えてください。

佐々木大輔(以下、佐々木) はい。日本は開業率が世界で一番低いのですが、理由のひとつとして会計業務のわかりにくさがあると思います。

ぼくは大学で商学部だったので、経理の専門の人を除けば日本の中でもトップクラスの簿記の知識がある人間だと思います。しかし実際のところ、会計業務は容易にできるものではありませんでした。会計について学んだことのない人が何かビジネスを始めたいという情熱があっても、専門家に相談しないとわからなかったり、会計の段階でハードルがあるのではないかと考えたのがfreeeをはじめるきっかけですね。

子育てしながらでも。地域でやる新たな会計

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── freeeの導入事例を見てみると、都会にかぎらず地域の個人事業主や企業も多いんですね。

佐々木 そうですね。地域の方はインターネットでfreeeを見つけてくれる人が多いです。伊豆大島で居酒屋を経営している方、オートバイ組合の理事になるにあたって経理業務が必要になった方など。70歳近くのご高齢の方でも、freeeを利用いただいています。

── 例えばどのような使い方があるのですか?

佐々木 夫婦で活用している方もいらっしゃいますね。小田原でスポーツ用品店を経営している「イトウスポーツ」さん。奥様は家で子育てをしながら、自宅で店の経理をしています。もちろん自宅で作業をしても、データが入力されるのはクラウド上にあるfreeeです。店舗にあるレジのデータも自動でfreeeに入ります。店舗でも自宅でも、完全にデータの共有ができるので、子育てをしながら家業をサポートできる。そういう新しい使い方ができます。

── 子育てしながら働くことができるんですね。

佐々木 そうです。ほかには山形にある創業60年の料亭で、女将さんが先代から仕事を引き継いだんですが、これまで全て紙で行っていた会計業務を刷新するタイミングで、freeeを導入していただきました。

当時、女将さんは経理に関する知識がなく、加えて子どもの3人の子育てでも忙しくしていました。そこで、違う仕事をしている旦那さんとfreeeを共有しながら2人で共同作業をすることで、経理をペーパーレスにして、無事引き継ぐことができました。

── クラウドに集約できるから、場所に囚われなくて便利ですね。

佐々木 そうですね。例えば『灯台もと暮らし』さんが取材している徳島県神山町のような、東京と地方で働く企業。距離が離れていても会計は集約できるので、クラウドのツールは本当に便利です。ほかにも先ほど話したようなお店と家という、物理的には近いけど、離れているようなシチュエーションでも活用できますね。

メールよりもチャット。満足度が97%

── クラウドで会計業務が完結できるとはいえ、専門の知識のある人に相談したい時に距離が離れているのは不安になりせんか?

佐々木 仰るとおりです。そこでfreeeはカスタマーサポートに重点を置いています。去年はチャットとメールでのお問い合わせ窓口を設けていて、メールでのやり取りの方が多かったのですが、今年はチャットを使ったお問い合わせが圧倒的に多いです。それくらい、日本のコミュニケーションツールとしてチャットが浸透してきています。親の世代でも難なくLINEを使う方は多く、チャットが一般的に使われてきていますよね。

── チャットの何がいいんでしょうか?

佐々木 チャットができることによって、相手が問い合わせてきた時点で、誰が、どんなことに困っているのかがわかった上で会話を始められます。よくある質問であれば、解答できるツールを揃えているので答えられるスピードも圧倒的に早いです。

レスポンスもほんと数秒ですね。「今パソコンの前にいますか?」という、よくわからない質問をする必要もないし(笑)。

── 電話で問い合わせると、よくありますね(笑)。

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佐々木 電話ってどうしようもなく不必要なプロセスがあります。実際電話してみるとわかるんですけど、「まずは本人確認をさせてください」や「どの画面を見ていますか?」というやり取りをしてお互いの歩調を合わせる確認だけで、5~10分過ぎてしまいます。チャットであればその時間を省略できるので、ユーザーのストレスを軽減できます。

そういった意味で、電話やメールのサポートよりも結果として満足度が高いのだと思います。先月のチャットの満足度は97%でした。

── 繁忙期に97%。すごいですね。

佐々木 サポートに対して、どちらかというとイライラする人のほうが多いと思います。チャットをはじめとしたサポートを提供することにおいて、どうやって新しいテクノロジーを使って、なおかつ今までよりも良いレベルのものを提供できるかを常に考えているからだと思います。

経理と会計をする本来の目的

── 実際に地域で暮らしながら、商いをする人が増えているように思います。そういった方々に、freeeをどのように活用してほしいですか?

佐々木 会計情報を経営に活かしてほしいです。今までの経理業務は作業が大変すぎて、実際の数字を見ることに注意が払われてこなかったと思います。

会計業務をアウトソースしている場合も同様です。アウトソースに頼りきると、先月の業績の状況が半月後や一ヶ月後に資料として送られてきます。もちろん先月の経営状況はわかりますが、知るのが遅ければ、今月の経営には活かせません。

経理や会計をする本来の目的は、経営状況を数字で見える化し、たった今の経営に活かすことです。freeeを使うと会計業務は自動化されます。要するに、いきなり数字が手元に揃うことになる。だから今月は「もっとこうしたほうがいいかもしれない」「ここにお金を使い過ぎている」あるいは「もっとお金を使ったほうがいいかもしれない」とビジネスについて考えられるようになるんですね。

数字をリアルタイムで把握しておくことで、経営の仕方が変わってきます、自分のビジネスがどう動いているんだろう、どうすれば会社の業績を改善していけるんだろうと、より興味を持って考える時間を持っていただければと思います。

お話をうかがった人

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佐々木 大輔(ささき だいすけ)
1980年生まれ。一橋大学商学部卒。専攻はデータサイエンス。全自動のクラウド会計ソフトfreee(フリー)を運営するfreee株式会社の代表取締役。 Googleで、日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けのマーケティングチームを統括し、同地域での中小企業におけるオンライン広告プロダクトの浸透に大きな実績を残した後に2012年7月freee株式会社を設立。google 以前は博報堂、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズにて投資アナリストを経て、レコメンドエンジンのスタートアップであるALBERTにてCFOと新規レコメンドエンジンの開発を兼任。

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小松﨑拓郎

ドイツ・ベルリン在住の編集者 / フォトグラファー。茨城県龍ケ崎市出身、→ さらに詳しく見る

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