いつもと暮らし

【今日の一枚】毎日が、かけがえのない日々の積み重ね|高知県土佐町

高知県嶺北地域・土佐町の暮らしを届ける「今日の一枚」。神奈川から移住してきた鳥山百合子さんの日常を綴っていただきます。

ぴんとした空気の中、からりと晴れて冷たい風が吹いている冬のある日。土佐町溜井(ぬるい)から見える山々は、うっすらと雪化粧をしていました。

この場所へ立つと、山々からの冷たい風が私のところへ一直線に、ごうーごうーと耳元で大きな音を立てながら、ひっきりなしに向かってきます。私は全身でその風を受けとめているような気持ちでした。

青空に浮かぶ雲たちもその風を受けながらぐいぐいと迫ってきて、この風をここで受け止めているのは私だけ。そう思うとこの風を思い切り、ぎゅっと抱きしめたくなりました。目の前でくりひろげられる風景は本当に美しかった。

「わぁ……!」と思わず声をあげたくなる美しい風景や心がふるえるような光景に出会うと、「私は今、ここにいる」という強烈な実感が私自身の中から湧き出てくるのを感じます。この風景のなかで、私は大切なひとたちと一緒に生きているんだ、と。

わざわざ遠い場所へでかけなくても、毎日の暮らしの中に、目がぱっちりと開くような風景や出来事がちりばめられている。私にとっての土佐町での暮らしは、毎日が特別で、かけがえのない日々の積み重ねなのです。

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高知県嶺北・土佐町のこと

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鳥山百合子

2011年に神奈川県から土佐町へ移り住む。3人の子どもの母。NPOれいほく田舎暮らしネットワークで働きながら、家族で食べるお米と野菜をつくっている。山の暮らしの知恵を学び、それを自分自身の身につけながら、次の世代へも引き継いでいけるように、「書くこと」「記録すること」に取り組んでいる。

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