いつもと暮らし

【今日の一枚】気持ちでつながるお弁当のメッセージ

高知県嶺北地域・土佐町の暮らしを届ける「今日の一枚」。神奈川から移住してきた鳥山百合子さんの日常を綴っていただきます。

ある日のお弁当。メニューは卵サンド、蜂蜜バターサンド。レンコンと人参のきんぴら。イタドリと油揚げのきんぴら。卵焼き。ウィンナー。スナップエンドウ。いちご。

お弁当の食材のほとんどが地元のものであることに驚きます。

パンは友人夫婦が営むパン屋さんの食パンをサンドイッチ用にスライスしてもらったもの。卵は我が家の鶏たちが産んだもの。蜂蜜は土佐町のひとが道の駅に出しているもの(山のあちこちに蜂の巣箱が置いてあって、夏になると蜂蜜を収穫します)。

人参とミニトマトは地元の産直市で。イタドリは去年収穫して塩漬けしておいたものを戻して使いました。スナップエンドウは我が家の畑の。いちごは土佐町の美味しいいちご屋さんの(とても甘いです!)。それ以外はスーパーで買いました。

こちらで暮らし始めてから、身近にあるものでお弁当をつくることができるようになりました。

買い物に行くのを忘れて冷蔵庫の中身がちょっと心細くても、素晴らしいタイミングで近所の方に野菜をいただいたり、保存食を組み合わせたりして乗り切ることができたことが何度もあります。買い物に行って食材をそろえなくてもなんとかなると思えるようになりました。

土が近くにあると、食材そのものをつくろうと思ったらつくることができます。
つくるひとが近くにいると、つくっているそのひとに「ありがとう」と言えます。
そのことが、こんなにも安心を与えてくれるとは知りませんでした。

つくることが近くにあると、食べることが豊かになります。

子どもたちは、このお弁当をとても喜んで食べました。喜んでくれるとやっぱり嬉しい。「おいしいね」と言ってくれるから、また次もつくろうと思う。

お弁当をつくることは「あなたのことが大事だよ」というメッセージを送ることでもあって、お弁当箱を開ける時の顔を見ていたら、そのひとと私の気持ちとがつながるような気持ちがします。

たかがお弁当、されどお弁当。
おいしく食べてね! という気持ちを込めてつくっていきたいです。

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探求者

鳥山百合子

2011年に神奈川県から土佐町へ移り住む。3人の子どもの母。NPOれいほく田舎暮らしネットワークで働きながら、家族で食べるお米と野菜をつくっている。山の暮らしの知恵を学び、それを自分自身の身につけながら、次の世代へも引き継いでいけるように、「書くこと」「記録すること」に取り組んでいる。

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