いつもと暮らし

【ロッタのこと、私のこと】子育てもお店も“忙しない”状態から抜け出したい #3

東京都世田谷区にある駅・松陰神社前に“ロッタさん”の愛称で親しまれる「café Lotta」はあります。“ロッタさん”の生みの親・桜井かおりさんの、ロッタで過ごす日々のことを書いていただく連載「ロッタのこと、私のこと」を、始めます。

ひとり営業になって、7ヶ月が経ちました。

始めの頃はお客様にラストオーダーが伝えられず、自然にお席を立たれるのを待っていました。

いつまでも片付けはできず、お店を閉めて買い物して帰宅。夜ご飯をつくる。部活で腹ペコの息子がごはんにありつけるのは、夜10時過ぎ。

お客様には時間を気にせず、ゆっくりとしていただきたい。

でも、家族に迷惑をかけていたのでは協力も得られない。結果、長続きもしない。

「やっぱり、子育て中のひとり営業は無理なのか?」と、ずいぶん悩みました。

そこで閉店時間の30分前 5時半になったらクローズの小さな黒板を、店先に出すことにしました。

店内のお客様には見えない場所です。たったこれだけのことなのにドギマギすることはなくなりました。

お客様には閉店時間までは、ゆっくりとしていただきたいのです。

食べ終えた食器をどんどん下げないのも、そのためです(これはケースバイケース。テーブルの上で邪魔のようでしたら、そっとお下げすることも)。

売り上げのために、お店の回転を良くしようなんて考えは、さらさらありません。

また、ご来店の時にお手元を見てケーキやおでんの具の袋をお持ちだったら「お預かりして冷やしておきますから、ごゆっくり」とお声かけします。

ちょっとしたことなのに、そのちょっとしたサービスがとても喜んでいただけます。

“小さなお店だからできること” って、まだまだいっぱいあるのだろうなぁ……。

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探求者

桜井 かおり

2001年にオープンした「café Lotta」のオーナー。パリと台湾が好き。

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