タオルをちゃんと選べば、心地いいと思える瞬間、幸せと思える時間は、1日のなかでどんどん増えていきます。つくり手の愛情がいっぱい込められたタオルは、肌にふれるとぬくもりがあり、安心感すら覚えます。それを使うたびにうれしくなるもの。
携わるタンザニアの綿農家の方から地球の自然環境まで、循環するものづくりを徹底しながら、最先端の技術と尽きることのない愛情が注ぎ込まれた「IKEUCHI ORGANIC」のタオル。「いまの世の中の当たり前」を見直すきっかけをくれる、新しい価値観を内包した製品です。
愛媛県の今治市を拠点にする IKEUCHI ORGANIC の活動は、僕らの日々の生活を、未来を、どんなふうに助けてくれるのでしょうか? IKEUCHI ORGANIC のストアマネージャー及び KYOTO STORE / 京都ストアの店長である益田晴子さんにうかがいました。
益田 晴子(ますだ はるこ)
京都市出身。営業部リテールストアマネージャー、京都ストア店長。タオルソムリエNO.1001。短大でテキスタイルサイエンスを学んだ後、繊維関係やアパレルの輸入等に携わる。2014年IKEUCHI ORGANIC入社。海外旅行客も多い京都ストアでお客様にIKEUCHI ORGANICを伝える。1人1人にぴったりくるタオル選びには、お客様からの信頼も厚い。愛用タオルは「コットンヌーボー」。
IKEUCHI ORGANICとの出会い
── 入社に至る経緯から教えていただけますか?
益田晴子(以下、益田) はい。私がうちの代表(池内計司さん)と出会ったのが、2011年のコットンヌーボーというプロジェクトの発表会でした。池内の話を聞き、コットンヌーボーをさわり、幼い頃に使っていたタオルを思い出したんです。
益田 小さな頃にブルーのタオルケットが大好きで、同じタオルケットをずっと使っていて、クタクタになり、母が新しいタオルケットを買ってきても、ブルーのタオルケットを押入れから出してきて使っていたようです。
“あぁ、私、タオル大好きやったな”ってことを思い出しました。
母は、タオルケットを今のウォッシュサイズくらいに切って、周りを縫って私に持たせていたみたいです。それが私にとってはお守り代わり。小さいときは病気がちで、喘息があって外で遊ぶこともなかなかできなくて、人見知りも激しくて。そういう幼い頃に、いつも手のなかにあったタオルのことは、すごく覚えています。
2011年のコットンヌーボーをさわったときに感じたタオルに込められた愛情が、ブルーのタオルケットを思い出させてくれたのかなって、なんとなく、感覚で思っています。イケウチでは職人も、綿農家さんも、私たちみんながいっぱい愛情をかけてタオルをつくってお客様に届けているので。それが IKEUCHI ORGANICとの出会いです。
次の世代に、胸を張ってバトンを渡していくことがしたいんじゃないかな……?
── イケウチのタオルと出会い、そのあとどういう背景があって入社することになったのでしょうか。
益田 2011年からからイケウチのタオルを使うようになって、一気にファンになりました。
私はその時、別の会社でアパレルの部隊にいて海外でつくった衣服を日本に輸入してお客さまに納めるというデリバリーの仕事と、生産管理のほうも少ししていました。ファストファッションと呼ばれる衣類も扱っていました。
そんな中イケウチのタオルに出会ったときに、わたしがやりたいことって、こっちじゃないかなって思いました。次の世代に持続していくものを、胸を張って渡していくことがしたいんじゃないかなって。
社会人になって20年働いてきて、あと20年働くんやったら、ずっと笑って仕事をしたいなと思いました。
Facebook が始まった頃でもあって、池内とお友達になってイベントや講演会で会うたびにスゴイひとだと思い、「IKEUCHI ORGANIC で働きたい」って伝え続けました。2014年に、晴れて入社。だから4年間イケウチの門を叩き続けましたね。
次のきっかけにつながる種をまいています
── いわば大手の企業から転職、ということになりますよね。そこに関しては、なにかハードルはなかったのでしょうか。
益田 私がこんなことをやりたいとかこう生きていきたいって思っていることを、理解してくれるひとが周りにすごくいっぱいいて。前職でお世話になったひとも「そこまで晴子が言うんであれば、がんばれ」って、送り出してくれはったんです。
応援してくれはるひとがすごく多くて。いまだに最初の会社の上司も仲良くてお食事に行きますし、日々、飲み友達とか、応援してくれるひとが増えていく(笑)。
── それこそ、イケウチのブランディングを手がけるナガオカケンメイさんとも飲み友達とうかがっています。
益田 そうなんですよ。仲良くさせていただいています。
── それはイケウチに入ってからつながったんですか?
益田 イケウチに入る前です。もうナガオカケンメイ氏は10年ぐらいのお付き合い……。
── じゃあその……ナガオカケンメイさんからしても、「え、IKEUCHI ORGANIC に入ったの!?」みたいな話ということですよね?
益田 そうです。「入るの、ほんとうに入るの!?」「入る」って言って。「ほんとに!?」みたいな。
ナガオカケンメイ氏もそうだし、みなさん応援もしてくれているし、気にもかけてくれている。私は周りのひとにほんとうに恵まれてお仕事していると思います。
今は IKEUCHI ORGANIC のストアマネージャーであり京都ストアの店長です。今まで自分が店舗運営のようなお仕事をしていれば、 お店の売上を上げる術が身についていたのかもしれませんが、 そういうコツを身につけてきていないし、むしろ初めての経験です。
だから、どうしたらひとがいっぱい来てくれて、どうしたらひとが楽しくお買い物をしてくれて、どうしたらこのひとがうちのタオルをいいと思ってくださるんだろ?っていうところを常に考える。
ストアのイベントはつねにファン目線でつくります。そしてイベント中、一緒に楽しむ。仕事をしているという感覚もなく休日でも常に IKEUCHI ORGANIC のことを考えています。
── それは具体的にいうと、どんなふうに?
益田 例えば、箕面(みのお)ビールという、大阪でクラフトビールを製造・販売しているメーカーのグッズにイケウチのタオルを使っていただいています。もともと、私と箕面ビールの社長が友達ということもあり、休日に会ってお互いの話をしながら、グッズの打ち合わせもしたりします。
今、灯台もと暮らしでも特集されている坂ノ途中さんともコラボしました。
益田 大切にお仕事をされている会社のお客様は、皆さん価値観が近いと思います。なので、同じような価値観を持ったお客様にお互いの会社を知っていただく。いろんなところに種をまきに行く感覚ですかね。
最終的にイケウチのよさを知ったひとたちが、今治オープンハウスのような場にいてくれはると嬉しいなと思います。このあいだのオープンハウスのとき、たくさん京都のお客さんが来てくれてはりました。
益田 もともとのはじまりは「お客様」としての関係ですが、今は、皆さん素敵な仲間のような感覚です。お客様同士の横の繋がりができたり、そういうコミュニケーションの場としても京都ストアはあるんだと思います。
だから私はお客様はじめ、関わって下さる方々を“ IKEUCHI ORGANIC とその仲間たち”と呼んでいて。私ひとりではなにもできひんし、仲間たちと一緒に動いている感覚ですね。その仲間たちが、またいろんな次のきっかけをつくってくれるんです。ありがたいです。
社会がもとに戻ることにつながると信じてる
── お客様とのやりとりにある真の狙いはなんでしょう。会社としてタオルを売る、というのもあると思いますが、個人としていうと。
益田 ふとしたときに、「なんで私、ここでこんなにがんばってんねやろう?」と思うこともあります。このお仕事していると、大変なことも多いですしね。
そういうときにいつも思うのは、なんかねぇ、使命みたいなものがあって。この会社が続いていくことが「社会がもとに戻る」ということにつながると、信じてるんやと思います。
昔、きゅうりは曲がっていてもよかったのに、今はまっすぐなきゅうりが整列してスーパーに並んでいなきゃいけない。トマトは夏のお野菜やのに、冬にトマトが売っていなくて怒るひとがいる。あるものをあるように使って調理したらいいのに、その季節じゃないものを買いに行って……っていう生活って、すごくおかしいなぁと思うんです。
── よく考えてみると不自然ですよね。無理をしながらでないと成り立たない経済なんでしょうか。
益田 たぶん京都のひとって、“自分らは歴史の「点」でしかない”と思っているひとが多いんじゃないかなと思います。点が続いて今がある。
益田 この会社は創業から64年の会社ですけど、そのうち私はまだ3年しかいない。でも、私が続けて次のひとにバトンを渡すことによって、点が続いていく。バトンをもらってバトンを渡す。そこで変なバトンは渡したくない。
イケウチの活動という点が続くことで、自分たちやどこかの誰か、生き物や環境に負担を強いなくても成り立つ社会に戻れると思っているから、そのために私はいるのかな。私たちのような考えを持つ会社が本当のオーガニックな活動を続けないと絶対あかんと思うんですよ。
── そういうところに意識が向くひとっていうのは何が違うのかな、どこで気づくのかな? というのをよく考えます。
益田 わたしもすごく考えます。初めてのタオルと最後のタオルというのがひとにはあって。生まれてきたときにくるまれるのはタオル。ひとは亡くなったあと、そっと体を拭かれるのもタオル。初めてのタオルと最後のタオルの間に、タオルを使わない日はないんですね。手も洗うし、顔も洗うし。タオルを手にしない日っていうのは、まずない。
── うん、ほんとにそうですね。
益田 タオルって毎日そばに寄り添ってくれているもので、そんな毎日使っているタオルの時間を、一生のうちにぎゅぎゅっとしたら、そこの時間が幸せやなぁ、気持ちいいなぁと思えるだけでも、そのひとの人生のなかで幸せが増える。
益田 今、京都市内の一部の区で、産まれて来てくれた子たちにありがとうの気持ちを込めて、IKEUCHI ORGANICの商品をプレゼントするという「イチバンボシギフト」というプロジェクトを続けています。
── そういうのも含めた IKEUCHI ORGANIC という活動体があることによって、暮らしをどんなふうに変えていけるのでしょうか。
益田 今の暮らしの中にある違和感に気付くひとがたくさん出てきて、自分たちの生活を少しずつ見直していく。イケウチのタオルを触った子供たちが大人になった時に IKEUCHI ORGANIC のことを覚えていないかもしれへんけど、タオルに包まれる気持ちよさや幸せの感覚は残っていると思います。
自分の特別な1枚を選ぶ時、特別な1枚を贈る時に IKEUCHI ORGANIC のタオルが選択肢の1つになれば、それだけでも世界は変わっていくんじゃないのかなと信じています。
文・写真/タクロコマ
(この記事は、IKEUCHI ORGANIC株式会社と協働で製作する記事広告コンテンツです)