愛媛県今治市を代表する「IKEUCHI ORGANIC」のタオルは、日本国内にとどまらずアジア各国をはじめ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、海外でも支持されています。
今回、お話をおうかがいしたのは、そんな海外展開のキーマンである海外営業担当の山鬼さん。
山鬼 育子(やまき いくこ)
IKEUCHI ORGANICのインターナショナルリレーションズマネージャー。愛媛県大洲市生まれ。大学卒業後、旅行会社、ホテル勤務を経て2013年秋にIKEUCHI ORGANIC入社。現在は海外営業に広く携わる。好きなタオルはストレイツオーガニック240。
山鬼育子さんは愛媛県生まれの愛媛県育ち。
大学卒業後は東京の旅行会社に勤務し、その後“大好きだったから”という理由で移住したトルコで1年間暮らしたのち帰国、東京での海外ホテルのセールス経験を経て、IKEUCHI ORGANICに入社します。
海外とつながりを持ちながら働くことに憧れを持つひとは多いと思います。そしてそれを実現しているひとも、珍しくない世の中。もしも海外で仕事をすることを考えたとき、あなたならどんな働き方を選びますか?
山鬼さんにとって愛媛は愛する地元。海外は、好奇心の行き着く場所。どちらかを諦めるわけではなく、どちらも選びとった山鬼さんの働き方についてお聞きしました。
(以下、山鬼育子)
こだわりが強いIKEUCHI ORGANICに惹かれて
わたしは生まれも育ちも愛媛県の大洲市というところです。
それまで海外を担当する旅行会社やホテルの仕事をしていたので、「自分のできることでなにか愛媛に関係するお仕事ができないかな?」という気持ちで、グローバル展開をしているIKEUCHI ORGANICに入社を決めました。
今治やタオルに、もともと思い入れがあったかというと決してそうではありません。イケウチの拠点である今治市は、わたしの生まれ育った大洲市からは、松山を挟んで車で2時間弱。生活圏内とは言えない場所です。
愛媛のひとは「タオルは買うものではなく、もらうもの」という意識があるひとが多くて。わたし自身も、特別関心を持っていたわけではなかったです。
それでもイケウチがいいなと思ったのはわたし自身、愛媛が好きだったから。大学のために上京して地元を離れているのですけど、その前からずっと、今も、愛媛も海外も大好きです。
だから、40歳を過ぎて最後の転職を、って考えたときに地元に戻ることも考えたんです。今まで関わってきた自分の経験を活かせて大好きな海外に関わる仕事をしたい。しかも大好きな愛媛にかかわりたいと思い、ネットで「愛媛県 海外進出企業」と検索したら、出てくるのは池内タオルばかりでした。
当時のサイトをみていたらオーガニックや風力発電に対してとても「こだわりが強いな」と思ったのが最初の印象です。愛媛にこんなすごい会社があったのかと「おもしろそう!」と感じて、当時の採用担当の方にメーカーでの経験はないが応募できないかメールしました。
取り扱われている地域や店舗
海外と最初に取引が始まったのは、アメリカからです。そしてカナダ、オーストラリア。アジアは中国の沿岸部、上海や香港、あとは台湾。最近は、ヨーロッパの市場開拓を少しずつ増やしています。
営業をかけるのは、基本はセレクトショップです。NYの「ABCカーペット&ホーム」や、カナダの「Orling&Wu」など、各国のセレクトショップで取り扱っていただいています。
販売代理店を入れないIKEUCHI ORGANICの海外展開
IKEUCHI ORGANICでは、海外市場を開拓するときに、間にディストリビューター(販売代理店)は入れていないんです。
イケウチのタオルは材料がオーガニックコットンで風力発電で織っているため、どうしても原価が高くなります。その上で狙いはふたつあって、ひとつは仲介コストを下げたいのと、もうひとつは何より、会社としての想いがあります。
自社商品のコンセプトを直接、私たちが海外バイヤーや販売スタッフに伝えて、彼らがお客さまに説明する。想いが直接伝わるシステムが、わたしたちの理想です。
わたしは、普段は東京オフィスで働いていて、海外からの受注から出荷までの作業など中心に行い、その他、海外のクライアントとのやりとり、見積り作成、新規の問い合わせ対応を行っています。
日本での海外営業も、大事な仕事のひとつです。各国営業先のリサーチやクライアント向けのニュースレターを作成したり、英語のSNS投稿や、次回出張に向けてのプレゼン資料を用意したり。
海外にもっともっとイケウチのタオルを広めていきたいので、ここに置いて欲しいと思うところに、サンプルと資料を日本から送っています。
海外が好きで、旅行会社社員に
そもそもは『大草原の小さな家』というNHKのドラマを子どものとき見ていたのが、海外に関心を持つようになったきっかけなんです。アメリカに暮らす家族が、開拓地でいろんな試練に遭いながらも家族として成長していくファミリードラマなんですね。
ドラマに影響されて、海外の世界に触れてみたくなって、音楽も洋楽を聴いたり海外の映画やラジオにはまったり、英語を習い始めたりしていました。
大学を卒業して、両親から愛媛に帰ってこいって言われていたんですけど、反対を押し切って、意地で東京に残りました(笑)。そして旅行会社の社員に。当時は東京でしか自分のしたい海外に関わる仕事はできないと思っていましたから。
僻地のツアーばかり組む会社だった
勤めていた旅行会社はちょっとユニークで、アメリカやヨーロッパのような一般的な観光地ではなく、僻地のようなところのツアー専門の会社だったんです。そこでツアーの手配、営業をしていました。最初の出張は、ペルーとボリビアでした。
その他、ソ連だった頃のロシアへで、サンクトペテルブルクとモスクワ、キエフに行ったり、シリア、ヨルダンに行ったり。一般的な観光地と違って現地で問題が起きたり臨機応変な対応が求められることも多くありましたけど、普通の地域では、見れない遺跡や景色に出会い、貴重な経験をさせてもらいました。
とても楽しくて、14年くらい働いていたのですけど、すべての方面のツアー会社が統合され、会社が何倍にも大きくなり、中近東の他、ヨーロッパも担当するようになりました。統合直後のせいか、仕事が増え、毎日夜中に家に着く状態で仕事でもプライベートでも自由に動けなくなっていました。
その頃、添乗で訪れたトルコが大好きになっていて、プライベートで何度も足を運んでいました。トルコ語も勉強していたほどです。小さいときから持っていた「海外に住みたい」という気持ちがふつふつとわいてきて、年齢的にも最後のチャンスかもと考え、トルコに住むことを決めて、退職の決断をしました。
独特の雰囲気がある国、トルコ
トルコはわたしにとってすごく特別な国なんです。初めて訪れたのは、30歳過ぎくらいのときでした。人の暖かさと独特な景色に感動したのをよく覚えています。
中でもイスタンブールが大好きです。イスタンブールは「東西文明の十字路」とも言われるくらい両方の文化が混じり合った土地ですが、アジアでもヨーロッパでもなくて、トルコ独自の文化があり、トルコはトルコ、イスタンブールはイスタンブールでしかない、他のどの国にもない独特な雰囲気がつくられています。
食べ物も大好きです。あまり知られていないのですけど、トルコ料理は世界三大料理と言われているくらいで、美味しいだけじゃなくて、野菜や魚の新鮮さをとても大事にしています。
美味しく食べるために努力を惜しまない国民性なのだな、と感じました。
会社を辞めてから、1年間トルコに住みました。暮らしてみて思ったのは「ひとがとにかく明るいし、やさしいし、それでいて自由で楽しく前向きに生きている」ということ。治安も良くイスタンブールは夜中でも場所によっては女性ひとりで歩けるほどです。
トルコのひとは人見知りしない性格で、好奇心が旺盛で、ひととのつながりを大切にする人々。道端でひとが困っていたら、20人くらいあっという間に集まって助けるんです(笑)。
愛媛のモノを世界に届けたい
あたたかくて、親日的なトルコの人々のことが大好きだったのですが、トルコでいろんな国の人々と出会いました。
そんな中で、もっと日本のモノ、愛媛のモノを海外に紹介したいという気持ちが強くなっていきました。
IKEUCHI ORGANICは、挑戦しやすい会社
東京を拠点に働いていますが、海外と愛媛に関われる仕事をできることはとてもありがたく思っています。
IKEUCHI ORGANICは、なにか新しいことに挑戦したいと明言すれば、「やってみたら?」と言ってくれる会社なんです。ダメ出しもたくさんありますが、自分次第で挑戦の機会をつくれる会社だと思います。
通常、大きな組織の中だとなかなか上手く挑戦に結び付けられないことってあるのだと、何度かの転職で感じていました。
今は、チャンスがたくさん転がっていて、そのチャンスを「拾ってもいいよ」と言ってくれる会社にいるのだと自覚しています。
たとえば現在は、海外営業の施策の一環で、アイスホッケーのサポートを行っています。海外営業の重要ターゲットである、アメリカやカナダ、ヨーロッパではアイスホッケーが人気で、影響力がとても大きいです。
特にNHL(世界最高峰プロリーグ)のある北米では生活の一部です。IKEUCHI ORGANICでは、小学生の世界最大の大会(カナダ・ケベック)に出場するジャパン・セレクトと現男子日本代表でNHLを目指す蓑島圭吾選手(中央大学)を、今年からタオルでサポートしています。
夢はNHLでIKEUCHI ORGANICのタオルが使われること、蓑島選手とジャパン・セレクトの、世界での活躍です。アイスホッケーを通じて、世界へIKEUCHI ORGANICの商品を広げたいと思っています。
自分の好きな国や土地、そしてイケウチのタオルを必要としてくれているひとのいるところに、愛媛のモノがもっと知られて、届いていけばいいなと思っています。
文/くいしん
写真/タクロコマ
(この記事は、IKEUCHI ORGANIC株式会社と協働で製作する記事広告コンテンツです)