帽子をかぶった子どもたちが、朝の散歩に出かけます。
スーツを着た男性が、眠い目をこすりつつ、世田谷線のホームで今日のスケジュールをチェックしています。
夕方は遊び疲れて家へ帰る子どもたちや、お茶をした帰りの女性たちが楽しげに立ち話をしている姿がちらほらと見られ、少し遠くからは威勢のいい八百屋のおじちゃんの声が聞こえます。
世田谷区を走る二両の電車・世田谷線の駅の一つ「松陰神社前」は、人々の暮らしが根付くマイペースな町です。
気張らず背伸びをしないこの町に惹かれて、徐々によそからひとが集まるようになったのは、ここ数年のこと。
仕事場や学校は渋谷や三軒茶屋、下北沢などで暮らしているのは松陰神社前、というひとは珍しくありません。疲れて帰宅したら、夜の町が静かに住人達を迎えてくれます。
けれど週末は、少し賑やかな雰囲気。朝から散歩している若い女性のグループや、男女ペア、一人でカメラ片手に歩いているひとの姿も。
地元で暮らす人々と、別の地域から世田谷線に乗ってやってきた人々が、ゆるやかに交わり合う週末。
知るひとぞ知る町から、少しずつ外へと開いてきた松陰神社前ですが、それでもやっぱり自分たちなりのペースは乱さない。そんな町の姿を楽しむのにちょうどいいのは、翌日の日曜日もおやすみでホッとできる、土曜日かもしれません。
暮らすひとと冒険をしに来るひとたちが集う【松陰神社前】特集、始めます。