郷に入る

【蔵前】「デイリーズ・マフィン」町の散策のお供においしい洋菓子はいかが?

モノづくりの町【蔵前】特集、始めます。

都営地下鉄浅草線の蔵前駅のA1出口を出て、すぐの場所にあるマフィン専門店「デイリーズ・マフィン」。

朝が比較的ゆっくりと始まる蔵前界隈で、朝8時から開店している飲食店は貴重な存在です。足早に駅に向かう人がいる一方で、焼きたてのマフィンを頬張る人の姿もちらほら。

近づくと、甘い香りがただよう「デイリーズ・マフィン」に少しお邪魔してみましょう。

デイリーズマフィンの外観

かわいらしい店内に、焼きたてマフィンがずらり

「デイリーズ・マフィン」は、仙台にあるお店の2号店として蔵前に出店したマフィンのお店です。

デイリーズマフィンの定番商品

ショーケースに並ぶのは、約20種類のマフィン。「プレーンマフィン」や「チョコブロック」のほか、「マンゴー焦がしキャラメル」や「ミルクティー&ハニー」、「夏野菜ゴロゴロ」など、名前を聞くだけでお腹が空くものまであります。

旬の素材を使って焼き上げているため、何に出会えるかはその日のお楽しみ。

レシピを考えているのは店主の奥さまで元パティシエの、古家あゆみさん。2014年にレシピ本も出版されましたが、本に載っていないものも多いのだとか。これまで通算700位上のレシピを考案されてきたというから驚きです。

参考:『外はカリっと、中はしっとり! まいにち食べたい デイリーズマフィン 〜デザートからおかずまで。マフィン専門店デイリーズマフィンのオリジナルレシピ50品〜』(マイナビ)

デイリーズマフィン

「デイリーズ・マフィン」の特徴は、何と言ってもその味わい。「マフィンと聞くとパサパサした食感を思い出すから苦手!」という方も、一口食べた瞬間「マフィンって美味しいじゃない」と顔をほころばせるほどのしっとり感が人気です。朝ごはんやランチ、3時のおやつや手土産にもぴったり。

でも、なぜ仙台から蔵前に? 店主の古家さんに、お話を聞いてみました。

仙台から蔵前へ。出店の場所を選んだ理由

── なぜ蔵前にお店を構えていらっしゃるのでしょうか?

古家和行(以下、古家)人と土地との縁が大きいですね。

デイリーズマフィン経営者
左:社員の寺下昌伸さん、右:店主の古家和行さん。

もともと僕はインテリアの仕事をしていて、妻は元パティシエ。いつか夫婦でお店を持てたらいいねと話していたこともあって、一番最初は僕の地元である仙台で出店したんです。

でも、東京で働いていた頃からお付き合いの合ったプロダクトデザインショップ「コンセント(KONCENT)」の名児耶さんとの縁は仙台に行ってからも続いていて、「コンセント」のお店が浅草橋から蔵前に移転した少しあとのタイミングで、「入り口でお菓子を売りたいんだけど、デイリーズ・マフィンさんどうかな?」と声をかけていただきました。

参考:【蔵前】「KONCENT(コンセント)」をエネルギー源に、どこの真似もしない町を作る

古家 仙台からマフィンを配送して、毎週土日に販売するスタイルで、まずは1ヶ月のチャレンジ。……と思っていたのですが、気が付けば1年以上が経過していて(笑)。

── 予想以上に続いたんですね。

古家 はい、ありがたいことです。それで、名児耶さんに「モノマチ」があるから、よかったら仙台から蔵前に来て、販売してみたら」と再び提案していただきました。

── 「モノマチ」って、徒蔵エリアのイベントのことですよね?

古家 そうです。東京で暮らしていたけれど職場は青山でしたし、それまできちんと蔵前を訪れたことがなかったんですよ。

けれど「モノマチ」の当日にはすごくたくさんの方に来店していただきました。僕はその時、蔵前の持つ勢いを強く感じたんですね。他にも、名児耶さんにクリエイターさんや職人さんなど、たくさんの方を紹介していただいたことで、下町の一部だと思っていた蔵前の印象がガラリと変わりました。

デイリーズマフィン店内
デイリーズ・マフィンの店内の様子

古家 その後、妻が東京出身だから、次は東京にお店を持ちたいねなんて話をしていた頃に、偶然今の物件に出会って。ほかの物件を見ることもなく、最初に見てすぐ決めて「デイリーズ・マフィン」の2号店を始めることにしました。

── えぇっ。展開が早いですね、すごい。

古家 「モノマチ」の時に出会った方々が本当に魅力的だったんです。それが、蔵前に出店しようと思った一番の理由だったんだと思いますね。

蔵前は人と人とのつながりがある町

── 蔵前は、あたたかい雰囲気のある町だと思います。

古家 そうですね。蔵前は、革の職人さんから飲食店の経営をされている方、クリエイターさんなど、本当に様々な業種の方が暮らす町です。業種を超えて、みんなが横のつながりを持っていることがすごいと思います。

── 以前の職場があった東京の左側とは、また違った雰囲気がありますか?

古家 全然違うと思います。お店に来てくださる方も、半分くらいはリピーターの方かもしれません。ちょっと疲れた顔をしていると「がんばって」と声をかけていただいたりすることもあります(笑)。

デイリーズ・マフィンの店内

── これから、蔵前という町はどうなっていくと思いますか?

古家 今後、もっとお店が増えていくんじゃないでしょうか。最近はマンションができたり、エリアとして女性誌に取り上げられりして、町を歩く人の層も少しずつ変化してきた気がします。

もともといらっしゃる方と、新しい方とのバランスが、いい感じになってきているんじゃないかという肌感はありますね。昔からこの辺りに住んでいらっしゃる常連の方の中には、「ついこの間まで、このへんにおしゃれなお店なんか全然なかったのにねー」なんて言う方もいらっしゃいますし。

── ちょうど今、変わってきている最中の町なんですね。

古家 はい。すでに注目され始めている町だけれど、もっと注目を集める日が来るんじゃないかなぁ。

でも、うちのお店としてはマフィンをガブっと食べ歩きしながら、蔵前をブラブラ散策するくらい、かしこまっていない雰囲気があるといいなって思います。今以上に注目を集める日が来たとしても、いい感じに肩の力が抜けた町でありたいなぁって、個人的には思いますね。

マフィンとコーヒー

── なるほど、いいですね。変わっていく町、蔵前。最後に、もしこれから挑戦したいことが何かあれば、ぜひ教えてください。

古家 まだ分かりませんが、何か新しいことを始めたいなという漠然とした気持ちはありますね。蔵前はそこまで広い町ではないので、「デイリーズ・マフィン」の新しいお店を出店する、とかではなくて、もう少し違うお店がやれたらいいなとか。

蔵前かもしれないし、もしかしたら浅草橋とかかもしれませんが……でも東京の東側でやりたいという気持ちです。

── ありがとうございました。次回は、マフィンをもぐもぐしながら蔵前歩きをしに、また遊びに来たいと思います。

(写真一部提供:デイリーズ・マフィン

お話をうかがった人

dailysmuffin8

古家 和行(ふるや かずゆき)
1978年生まれ。10年間インテリアショップにて営業とバイヤーを行い、2011年に故郷の仙台でデイリーズ・マフィンをオープン。その後、2014年に東京 蔵前に2号店をオープン。

お店の情報

デイリーズマフィンの看板

デイリーズ・マフィン
住所:東京都台東区蔵前2-3-1-101
電話番号:03-3865-4451
営業時間:8:00〜 (月曜日〜金曜日)、11:00〜 (土曜日)
定休日:日曜・祝日
公式サイトはこちら

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伊佐 知美

旅するエッセイスト、フォトグラファー。1986年生まれ、新潟県出身。世界中を旅しながら取材・執筆・撮影をしています。→ さらに詳しく見る

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【蔵前】【かぐや姫の胸の内】ごはんとくらし、本を愛する私たちの出版社「アノニマ・スタジオ」 【蔵前】「NAKAMURA TEA LIFE STORE」100年先も、暮らしにお茶の楽しみを。

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