営みを知る

【蔵前】素敵な一日を、ゲストハウス「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」から

モノづくりの町【蔵前】特集、始めます。

東京の下町の一部である蔵前に、ゲストハウス「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」(以下、Nui.)はあります。2012年9月にオープンして以来、国内外から訪れるゲストや地元の方々の集う場として、じわりじわりとその名を広めていきました。

Nui.を運営しているのは株式会社Backpackers’ Japan(バックパッカーズジャパン)という会社。そのうちのお一人、清水翔太郎さんにNui.という場の変遷と、蔵前について伺いました。

清水翔太郎さん
Nui.のマネージャー、清水翔太郎さん

人と人とがつながっていく場所

Nui.は、Backpackers’ Japanが運営する、ふたつ目のゲストハウス。1号店は入谷にある「toco.」で、2号店をつくると決まった時、はじめから蔵前に絞って物件を探していたというわけではありませんでした。

宿泊施設としてアクセスが良く、自分たちの作りたい空間が実現できる場所を探していたら、たどり着いたのが蔵前だったと言います。

Nui.外観
Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE の外観

もともと倉庫だったところをリノベーションして作られたNui.。「toco.」の施工をお願いした大工職人の方々に、主に1階のラウンジスペースの改装をお願いして、スタッフも一緒に作業をさせてもらい完成しました。高い天井と日差しがたっぷり差し込むガラス戸の内装はとても開放的な雰囲気です。

Nui.1階ラウンジの様子
Nui.1階ラウンジの様子

こうした空間づくりの背景には、Nui.を運営するBackpackers’ Japanという会社の「あらゆる境界線を超えて、人々が集える場所を」という理念があるといいます。

その思いも営業形態として現れています。というのも、Nui.の1階のラウンジは、昼間はカフェ、夜はバーとして雰囲気ががらりと変わります。それに加え、海外から来て宿泊しているゲストがコーヒーを飲んでいたり、近所の人がちょっと休憩やお喋りをしに来たり、訪れるひともさまざま。

宿泊施設として旅行客の人に日夜関係なく心地よく過ごしてもらうことはもちろん、地元の人にも開けた、人種や国籍、言語を超えて人が集える場所にしたい、と清水さんはおっしゃっていました。

通り過ぎていた所から、ほっと一息つける場所へ

蔵前にNui.がオープンしたのは今から2年と半年前。その当時からアトリエや工房の多いエリアでしたが、最近ではカフェやショップなどの出店も増え、人通りは更に増えていきました。ただ、大通りから一本裏に入ったところに、Nui.や他の小さなお店が点在していることもあって、偶然見つけるというよりも蔵前というエリアを目指して来る人が多いようです。

Nui.バーカウンター
バーカウンターではバリスタやバーテンダーの方が日夜ゲストをおもてなし

ものづくりの町として、細く長く下町文化を培ってきた蔵前ですが、飲食店はあまり多くありません。ですから、お昼にふらりと立ち寄って、おいしいコーヒーが飲めたり、夜にちょっと一杯お酒を飲みたい時に入れたりするNui.は、下町歩きの新しい「目的地」になりつつあるように感じます。

Nui.

清水さんに、Nui.を運営するなかで印象的なエピソードを伺うと、これという一番は決められないけれど「一度来てくれたゲストがまた戻ってきてくれた時」とのこと。このように、一人で来たゲストとのスタッフ同士が仲良くなったり、初対面のゲスト同士が知り合ったりすることもあるのが、ゲストハウスという場の魅力でもあるように思います。

自分の日常がゲストの非日常だということを忘れない

日夜、様々な人が行き交うNui.。カフェやバーと営業形態を変えつつも、本業は宿泊業です。Nui.に泊まりに訪れたゲストにとっては、蔵前に来ることやNui.に宿泊することそのものが、非日常のわくわくする出来事のひとつです。

だからこそ受け入れる側として、清水さんたちは自分たちの生活で感じる心地よさをきちんと提供することが大事だといいます。

「宿泊しているところでゆっくり休めるからこそ、日中の観光やアクティビティを楽しめると思います。宿泊業というのはシンプルな仕事ですから慣れてしまうとルーティーンに陥りがちですが、ぼくらができることは、日々の業務をしっかりとおこなうことです。」

Nui.チェックインカウンター

また、自分たちの日常の一部であることも、ゲストにとっては非日常だという感覚も研ぎ澄ませていることが大切だといいます。

「ゲストにとってNui.で過ごす時間は、今がすべてです。ぼくらにとっては一対多であっても、ゲストにとっては一対一の関係性ですし、ぼくらにとって日常である一日が、いかにゲストにとっては特別な日であるかを、きちんと自分たちが心得ていられるかどうかが大事かなと思います。」

Nui.は、ゲストにとっての目的地であり、人と人とが行き交う交差点でもあります。もし蔵前を訪れたなら、昼夜問わず、ふらりと入ってみてはいかがでしょうか。その居心地の良さに、日本であり日本でない場にやって来たような、不思議な開放感のある時間を過ごせることでしょう。

Nui.玄関口

お話をうかがったひと

清水 翔太郎(しみず しょうたろう)
1986年生まれ、29歳。大分県出身。立命館大学卒。株式会社Backpackers’ Japan 2012年6月入社し、現在は「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」ホステルマネージャー。主にホステルのマネージメントを担当。

このお店のこと

Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE
住所:東京都台東区蔵前2-14-13
電話番号:03-6240-9854
営業時間:カフェ 8:00~18:00、バー 18:00~25:00(L.O.24:30)
/チェックイン 16:00~23:00、チェックアウト ~11:00
定休日:無し
最寄駅:「蔵前駅」都営浅草線A2出口、都営大江戸線A7出口
公式HP:Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE

【蔵前】特集の記事はこちら

この特集の裏話・未公開音源をnoteで限定公開中!

もとくらの袋とじ

もとくらBOOKSはこちら

感想を書く

探求者

立花実咲

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。生もの&手づくりのもの好き。パフォーミングアーツの世界と日常をつなぎたい。北海道下川町で宿「andgram」をはじめました。→ さらに詳しく見る

詳しいプロフィールをみる
【蔵前】若者よ、蔵前から大志を抱け!エムピウ店主・村上雄一郎さん 【蔵前】文房具専門店「カキモリ」書くことを楽しむきっかけをこの町から

目次

特集記事一覧

探求者

目次

感想を送る

motokura

これからの暮らしを考える
より幸せで納得感のある生き方を