わたし、「灯台もと暮らし」編集部・立花は2017年5月から北海道下川町へ移住しました。
移住したはいいものの、地域のことを何も知らない状態では仕方がありません。そこで「地域に根づいた企業の中がどうなっているのか知りたい!」と、就業体験を突撃でお願いしたところ、ご快諾いただけ、お仕事を経験できることに。
地域には仕事がない、なんて、勘違い。地域を思い、ひとを思い、自分の好きなことを生業としてはたらく下川の人々は、どんな一日を送っているのでしょうか。
朝、8時。
待ち遠しかった夏が来た下川町の7月は、爽やかな朝の風が吹き抜けるところから始まる。
町の中心部である市街地の中に、オフィスを構える「下川フォレストファミリー株式会社(以下、フォレストファミリー)」は、2014年にできたばかりの会社。
林業・林産業の中でも、加工を担い、下川町のいろいろな公共施設にもフォレストファミリーの製品が使われている。
町にとって、なくてはならない会社の一つだ。
町内はもちろん、町外からも働きに来ている方も多い。
まずは、それぞれの持ち場で、昨日の仕事の続きを始める。
「何かできること、ありますか」とドキドキしながら聞いてみると、「じゃあ、これをやってみようか」と制作途中の商品を手渡してくださる。
わたしは林業の知識も十分でない上に木を扱う仕事は初めてだけれど、まずは手を動かしてみようと、トンカチを手に持つ。
加工の現場は、時々ブオオオッと大きな音がする。何の音かと思えば、隣にある製材の工場から空気の流れてくる音らしい。あとは、機械が時折、勢いよくリズムよく木を削る音。
それから加工場の隣の工場では製材された木版の表面に、キラリと光る松ヤニを見つけてそれを取り除く作業もある。
粘着力のある松ヤニは、ひとの手で一ヶ所ずつ目視確認で見つけて取り出し、おが粉をまぶして補正する。決して華やかな作業ではないけれど、他の材を傷めないようにするためにも重要なお仕事。
「仕事は自分で見つけろよ、俺に聞くな」。
東京でアルバイトをしていたときの、こわーい上司の台詞を思い出す。
仕事をつくるということは、新入りが自発的に動かなければならないのは前提だとして、それと同じくらい「じゃあこれをやってごらん」と席をひとつ、つくってくれる寛容さがあるのとないのでは全然違うな、と目の前の松ヤニを見ながら思う。
フォレストファミリーでは10時からの15分間と昼休み、それから15時からの15分間の3回、休憩がある。
わたしが就業体験をさせてもらった昼から15時までの時間は、あっという間だ。目の前の仕事に集中していると、ついつい夢中になり過ぎて水分をとるのを忘れてしまいそうになる。
仕事中も、15時の休憩時も、活発に交わされるやりとり。談笑する笑い声。
「フォレストファミリーさんは、とても良い雰囲気の会社ですね」と言うと「そうかなぁ」とみんな、笑う。
そして、続ける。「でも、確かにものづくりが好きなメンバーが集まっている会社ではあるよね」と。
休憩が終わると、黙々と手を動かしながら木に向かう目は一瞬で鋭くなる。17時の終業時間になると、各々のタイミングで、仕事を切り上げて「お疲れ様」と帰っていく。
これって、実はとても珍しいことなのかもしれないけれど、ちょっとお邪魔させてもらっている初心者中の初心者であるわたしに対して、誰一人として先輩ヅラしない。
おが粉が舞う現場で交わされるやりとりも、新入りを気をかけてくれる空気の良さが、ここにはある。
もちろん、たった数日の就業体験では分かり得ない厳しいことや大変なことだって、いくらでもあるはず。
それでも、今日も陽の光がたっぷり入る風が抜けてゆくような工場で、下川町のものづくりは行われているようだ。
(この記事は、北海道下川町《下川町産業活性化支援機構》と協働で製作する記事広告コンテンツです)
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この会社について
会社名:下川フォレストファミリー株式会社
代表:山下邦廣
設立:2014年
住所:北海道上川郡下川町南町141番地
電話番号:01655-4-3544
従業員:20名