徳島県神山町を訪れたら、寄って欲しいレストランがあります。それが、古民家を改装した素敵な外観のフランス家庭料理の店「カフェオニヴァ」です。オーガニックに詳しいシェフが厳選した、神山町の美味しい食事とそのこだわりをご紹介いたします。
■【徳島県神山町】「Café on y va」(カフェオニヴァ)」丁寧な日々が紡ぐ、これからの暮らし
新鮮野菜がたっぷりといただけるオーガニックメニューがずらり
こちらのボードは、冬のディナーメニューの一例です。
カフェオニヴァでいただけるのは、地元で採れた新鮮な野菜をふんだんに利用したヘルシーで美味しい食事。長年オーガニックワインの輸入に携わってきた女性が食材の仕入れから調理までを担当しているため、ボードに並ぶのはどこか女性が惹かれるラインナップ。
こちらはプリフィクスメニューの「前菜の5種盛り合わせ」です。中心が「ひよこ豆と赤大根とタマネギのサラダ」、そして右上から時計回りに「かぼちゃのマリネ」「キャロットラペ」「生ハムとキウイ」「ブロッコリーのケークサレ」の5種。旬の食材やその日のおすすめの野菜を使用するため、内容は日替わりです。何が出てくるかは、その日のお楽しみ。
一口食べた瞬間、野菜の味がいつもより濃いことに気が付きます。これは、シェフがフランス滞在中に学んだ「新鮮な野菜は余計な味付けが不要なほど美味しい」という信念に従った調理がされているため。野菜や豆は歯ごたえも良く、季節に合わせた食材の旨味がしっかりと堪能出来る一皿となっています。
「ごぼうのポタージュ」は、ごぼうを大量に購入して帰ろうと思わせるほど、感動を呼ぶ味。聞けば、水煮したごぼうに牛乳、少量の塩こしょうを加えただけというシンプルな調理方法のようなのですが、この美味しさは一体……。
取材陣が首をひねっていると、シェフが野菜へのこだわりを教えてくれました。
徳島県産の美味しい野菜を食べて欲しい
「基本的にはオーガニックなものを仕入れたいと思っています。でも、それに固執しているわけではないんです。
例えばレタスを仕入れたいとしても、徳島県産のものが見付からなければ、仕入れそのものを諦めることがあります。遠くの地で採れたオーガニックマークの付いた野菜を仕入れることは簡単ですが、それって何か違うかなと思っていて……。
私の中のオーガニックは、ただ無農薬だったり化学肥料を使っていないということでは無いんです。神山町でそれが見つかったら一番いいし、もちろんあればそれを買います。でも、今は現実的に難しい面があるんです。生産量が足りなかったり、値段の折り合いがつかなかったり……。だから、せめてまずは地元のものを使って、徐々にオーガニック食材が増やせるように働きかけていけたらいいなと思っています。野菜の美味しさって、運ぶ距離が短いほど新鮮で美味しいですしね。」
そう言うシェフの周りには、最近地元で採れたブルーベリーや栗などを使ってみないかという話も舞い込んでくるのだと言います。
私の中のオーガニックは「ライフスタイル全部」
更にシェフは、「自分の目の前の食べ物だけがオーガニックだったら良いっていう話ではないと思っていて。」と続けます。
「言ってしまえば衣類などもそうです。なぜ農薬や化学肥料を使わないことが良いのかと言えば、それらは全て空気や水などに入っていってしまうから。すごく大きな範囲の話で……。地球は一つの固まりで、大気に覆われているので全てが回っています。
汚したら汚しただけ綺麗にするのにエネルギーが必要ですし、もしかしたらもう綺麗にならないかもしれない。私たちはみんなで暮らしているわけだから、だったら最初から汚れない方法で生きる方が良いよね、と。
そういった意味で、オーガニックというのはただ単に食材のことだけを指すのではなくて、生き方というか、ライフスタイル全部のことだと思っています。」
こうした想いを持つシェフが作るメニューの数々は、素材の美味しさが際立つ幸せな味がします。
美味しかったより楽しかった、と思って欲しい
こだわり抜いて作った料理を、より多くの人に味わって欲しい。それが一番の願いなのかと思いきや、実はシェフはそう思っているわけではないようです。
一番願っているのは、カフェオニヴァに来た人が、ここで過ごした時間が楽しかったなと思ってくれることなのだそう。料理は脇役でいい。美味しかったよりも楽しかった、また来たいと思って欲しい。それがこのお店を経営していく上で最も大切にしたい想いなのだと言います。
シェフはもともとオーガニックワインの専門家。店内には実際に足を運んで選んだとっておきのヨーロッパ産ワインが並びます。コーヒーは神山町で専門店を営む「豆ちよ」さんから仕入れるなど、ドリンクもおすすめばかり。ちなみにお水は徳島名産のすだち入り。
地元で採れた新鮮野菜とオーガニックな食材、そして美味しいドリンクと集まる人の笑顔があれば、昼も夜も楽しい時間が過ごせることは想像に難くありません。
徳島県神山町を訪れたら、メインストリートで一際目を引くカフェオニヴァの扉を叩いてみて下さい。「みんなでごはん」もお忘れなく。
お店の情報
Cafe on y va(カフェ オニヴァ)
公式Facebook:https://www.facebook.com/cafeonyvakamiyama
店舗名:Cafe on y va(カフェ オニヴァ)
住所:徳島県 名西郡神山町神領字西野間5-1
最寄り駅:JR徳島駅 ※徳島駅から徳島バス「寄井中」まで約70分乗車
電話番号:050-2024-4918
営業時間::開店 12:00、ラストオーダー21:00
定休日:水、木曜日
※記事内のメニューは2014年12月のプリフィクスメニュー(3,500円)の一例です。
※アラカルトメニューもあります。
豆ちよ
公式Facebook:https://www.facebook.com/mamechiyo.coffee
【徳島県神山町】特集の記事一覧はこちら
- 暮らしている人の顔が見たいから【徳島県神山町】特集、始めます。
- 【徳島県神山町】挨拶代わりに作物を配る。「食べてみーだ」の田舎の暮らし
- 【徳島県神山町】岩丸お父さんが教えてくれた、「人」ひとりを大切にすること
- 【徳島県神山町】田舎暮らしは「検索」 よりも、「実践」する生き方が大切
- 【徳島県神山町】メディアの神山町が全てじゃない — 移住者と地元民の間の私 —
- 【徳島県神山町】今は暮らしを選択する時勢。若者にとって“古き良き文化は新しい”
- 【徳島県神山町】今必要なのは、リアルを知るきっかけと、感謝の意識を持つこと
- 【徳島県神山町】「Café on y va」(カフェオニヴァ)」丁寧な日々が紡ぐ、これからの暮らし
- 【徳島県神山町】旬の地元野菜が楽しめる「カフェオニヴァ」の目指すオーガニック
- 【徳島県神山町】もうすぐ母親になる私が、田舎で子育てを決めた理由
- 【徳島県神山町】綺麗なお姉さんはクリエイティブ。田舎暮らしの美肌の秘密
- 【徳島県神山町】ソーシャルとリアリティの間の暮らし
- 【徳島県神山町】梅のお菓子「峠(タオ)ノコロコロ」と神山塾卒業生の感謝の気持ち
- 【徳島県神山町】えんがわオフィス 隅田徹の「この町に投じる次の一手」
- 【徳島県神山町】ピザを食べるならYusan Pizzaへ。地元の美味しい食材を堪能しよう
- 【徳島県神山町】旅で学んだ、自給したエネルギーが暮らしを豊かにするということ
- 【徳島県神山町】自分らしく生きたい人へ。幸せに暮らすために、ワクワクする実験をしよう
- 【徳島県神山町】旅をしながら地域で暮らし、社会での役割を持つということ
- 【徳島県神山町】地域の未来を考え続けていくために
- 【徳島県神山町】僕らを神山町に導いたもの
- 【徳島県神山町】「枠組みのない町」を創る- グリーンバレー大南信也 –
- 【徳島県神山町】山を、森を、水を。未来の「しずく」を守ろう|神山しずくプロジェクト
- 【徳島県神山町】靴が足にフィットする喜びを、みんなに届けたい|オーダーメイド靴屋「リヒトリヒト」
- 【徳島県神山町】「神山ルビィ」完熟・無添加の梅が田舎と都市をつなぐ|NPO法人里山みらい