語るを聞く

【徳島県神山町】綺麗なお姉さんはクリエイティブ。田舎暮らしの美肌の秘密

女性って、やることがたくさんある。お化粧をしたり、スキンケアをしたり、流行りのファッションを気にしたり。

でも、それって本当に必要なことなのかな? 神山町で草木染め職人の妻として暮らす瀧本えみさんに、田舎暮らしの様子を伺いました。

水が綺麗で野菜が美味しい暮らしが好き

徳島県神山町

── 田舎暮らしは肌が綺麗になる気がします。

えみ それはありますね! まず水が綺麗。毎日の生活に関わるものだから、水はとても大事だと思う。水道水を飲める環境って、ここでは当たり前だけど、都会ではそうじゃなかったしね。食べ物にしてもお野菜やお米が中心で、お肉は手に入るけど無くても大丈夫。これは、体質もあるのかもしれないけれど。

── 都会では野菜たっぷりオーガニックランチ(2,000円)が大人気です。

あはは(笑)。そうかもしれないね。ここではそんなお金を支払わなくても、旬の野菜が毎日たっぷり食べられるよ。

田舎暮らしは日々クリエイティブ?

── コスメは何を使っていますか?

コスメですか?

── はい、都会だと、ドラッグストアのラインから百貨店へ、そしていつかはエイジングケアの基礎化粧品へ……という流れがあるような気がしています。

どちらかと言えば手作りになりますね。柚子の種を使って化粧水を作ったり、ハーブのスプレーを作ったり。あ、虫さされにはヘビイチゴの焼酎漬けを使ったりね。暮らしの知恵みたいなものかな。

楽しいんですよ、手作りした方が。もちろん、研究された化粧品メーカーさんのものも素晴らしいけれど、身の回りの材料で手作りしたものを使うのは、単純に自分が楽しい。

徳島県神山町

── 作り方は、どなたかに教えてもらうのでしょうか?

そうだね。もちろん近所の方に教えていただくことも多いよ。でも、教えてもらうだけじゃなくて、自然の中で見付けたものを「これで何か出来ないかな」って自分たちで考えることも日常茶飯事。一緒に居る人と知恵を出し合うっていうのかな。

お金では買えない知恵を探しながら生活するっていうのは、楽しいもんなの。というか、私たちにとってはもうそれが当たり前の暮らしなんだよね。

── 日々クリエイティブ。

まさにそう。日々創造して暮らしてる感じかな。

そういえば、こないだ夫が外で怪我をしてきたことがあって、その時に、まむしの皮を傷口に貼るといいよって近所の方が皮をお裾分けしてくれたことがあったなぁ。しかも、封筒に入れて郵便ポストに入れておいてくれたの。びっくりしたけど、嬉しかったな。まむしの皮って貴重なんだよ。

徳島県神山町

── ……これを傷口に貼るんですか。

絆創膏みたいなものだよね、きっと。すぐに貼ったんだけど、傷の治りが早かった気がします(笑)。

無駄なものが削られていく感覚

── 全然話は違いますが、ネイルやヘアカラーはしますか?

ネイルやらなくなったなぁ。……あ! 藍のネイル。(と手を広げて見せてくれる仕草)天然ナチュラルネイルだよね(笑)。 私より夫の方が大体ネイルしてる感じだなぁ。

神山町でネイルとヘアカラーしてたら、「どうしたの!?」って驚かれちゃうかもしれない。でも、ネイルしていることが駄目って思うわけではなくて、それで気分が明るくなったり、やる気が出るって人はいいんだと思うの。ただ私は、そうじゃないっていうだけの話で。

徳島県神山町

── 雑誌は読みますか?

雑誌……読まなくなった。そう言えば新聞も取っていないし。あ、テレビは見ますよ。ウェブの情報ももちろん入る。でも、確かに時事情報には少し疎くなるかもしれないなぁ。

まぁ、生きていくのには問題ないかなって思ってる。

── 流行などは気になりませんか?

私も都会で暮らしていたことがあるから分かるんだけど、都会って周囲の女性がみんな綺麗にお化粧して、流行りの洋服を着てというのが普通。でも、その感覚で神山町に来ると、すごく浮くから……。どちらかと言えばそういったものがどんどん削られて行く感覚って言うのかな。

徳島県神山町

「これ、何色に染めよう?」

── 洋服はどこで買うのでしょう?

あんまり買わないようになった、というのが答えかな。もちろん洋服は好きだし、服にお金を費やしていた時期もあります。でも、神山町で暮らすようになって、リサイクル品が増えました。古着や、誰かの手作り品をいただいてそれを染めたりとか。

徳島県神山町

洋服を見る目も変わったなと思います。購入したものやいただいたものをそのまま着るのではなくて、まずは何色に染めようかなぁって考えます。自分たちの好きな色に染めることを。

だから、どうしても白や生成りの生地でできた洋服に目がいっちゃうんだよね。もう染める前提の目線で選びます。

── 流行やファッションの優先順位が、以前より低くなったのでしょうか。

そうかもしれないなぁ。量より質。流行の服をその都度買って増やすんじゃなくて、動きやすさや保温性など、自分たちの暮らしに合ったお気に入りの洋服を少量持ちたいなって思うようになった。特に冬場は温かくて気に入った物があれば十分。まぁ、町に出るときは少しおめかしするけどね。

── 2015年2月にお子さんが産まれる予定だと伺っています。もしかして、お子さんのお洋服も?

もちろん染めます! いや、と言うよりも実は既に染め始めているんよねぇ。見ます?

── 是非!

徳島県神山町,藍染

── 可愛いですね。色とりどり。新生児には大きそうなものもありますね(笑)。

うん、もう楽しみでしょうがないんよ。これなんか、まだまだ着られないのは分かってるんけど、染めちゃったんよねぇ。藍染めは防虫抗菌、肌にとっても良いんだよ。贅沢な赤ちゃんやなって。

私は田舎の暮らしが好きなんよ

── 何か物が欲しければ、買うのではなくて作ることを考える。田舎暮らしは、とても充実しているんですね。

流行を追うことも楽しいかもしれんけど、私は今ここにあるもので何ができるかって考えるのが楽しいんだよね。どっちがいいってことではなくて、私はこちらの暮らしの方が好きってだけの話。

だから、これからもこうやって自然体で暮らしていきたいなって思ってるんよ。家族が増えたら、また発見できることも増えるんだと思うしね。

お話を伺った人

瀧本 えみ(たきもと えみ)
(昭和59年生)新潟県生まれ。父親の仕事の関係で富山県に移り思春期を過ごす。京都に移り、興味のあった料理の勉強・修業を積む。結婚を機に神山に移住。草木染め職人の夫の胃袋を掴んでいる。2015年2月に第一子出産予定。

天然染料の染めもん屋「染昌-そめしょう-」

染昌
藍や柿渋の他、様々な草木を使って染める染めもん屋。天然染料と、麻、絹、木綿などの天然繊維にこだわって自然の色目を大切に、自然体に染め上げている。

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伊佐 知美

旅するエッセイスト、フォトグラファー。1986年生まれ、新潟県出身。世界中を旅しながら取材・執筆・撮影をしています。→ さらに詳しく見る

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