営みを知る

【かぐや姫の胸の内】花と草木で私の生きる道を切り開く− 鈴木恵梨佳 −

【かぐや姫の胸の内】多様な生き方が選べる現代だからこそ、女性の生き方を考えたい──

ここは、都会の喧噪から引き離された知る人ぞ知る老舗スナック。
夜な夜な少なの女性が集い、想いを吐露する隠れた酒場。

確かに近年、女性が活躍する場は増えて来たように私も思う。

自由に生きていい。そう言われても、

「どう生きればいいの?」

「このままでいいのかな。」

「枠にはめられたくない。」

私たちの悩みは尽きない。

選択肢が増えたように思える現代だからこそ、
多様な生き方が選べる今だからこそ、
この店に来る女性の列は、絶えないのかもしれない。

ほら、今も細腕が店の扉を開ける気配。
一人の女性が入ってきた……

連載 今を生きる女性の本音「かぐや姫の胸の内」

今晩のゲストは、造園・園芸店で働く若き女性、鈴木恵梨佳(すずき えりか)さんです。

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鈴木恵梨佳(以下、鈴木) こんばんは。

── こんばんは。お一人? お仕事終わりかしら。

鈴木 はい、今日はカフェのグリーン設置だったので、力仕事で……って毎日なんですけど。まだ何も食べてなくて。お夕食いただけますか?

── もちろんよ。まずは花咲く中国茶・工芸茶の焼酎割りを作るわ。ゆっくりと深呼吸してお飲みなさい。

グリーンの魅力は「変わり続けること」

── グリーンの仕事って、植物を扱っているということ?

鈴木 はい、造園・園芸店で働いています。

── いわゆる土木系女子ね。

鈴木 ……それは、建設業に従事する女性のことを指すことばだと思うので、ちょっと違うかもしれません(笑)。

── なるほど。造園業って、具体的にどんなお仕事をするものなの?

鈴木 グリーンに関することすべてです。女子大生時代に衝撃をうけた作品を制作していた師匠のもとで、今は修業中。師匠何でもできる人なので、仕事の内容を一言で言い表すのがすごく難しいんですが……。お庭作りはもちろん、カフェやホテルのグリーン設置、イベントや催事の装飾や、もちろんお花屋さんでもあるのでアレンジメントなど、毎日いろんなことに挑戦させてもらっています。

── あなたもそういった実際の作業をするの?

鈴木 もちろんです! まだお勉強中ですが、私も作業しますよ。最近だと、秋篠宮ご夫妻がご臨席になる式典でモニュメントを制作させて頂いたりとか

ミス日本グランプリの鈴木恵梨佳さん

── すごい力が必要そうな作業ね。

鈴木 あはは、そうかもしれないですね。でも、私はもとから体育会系なので平気なんです。土や鉢などを持って階段を登り降りするのは、たしかに体力勝負なところがありますけれど。夏なんかは汗だく、泥まみれになったりしてますよ、すっぴんに近い感じで働くことも(笑)。

── キレイなあなたがそんな風に働いているなんて、好印象だわ。

鈴木 いえいえ、そんな。ありがとうございます。この仕事って、完成が華やかで人目を引くものであればあるほど、作業自体は厳しくなっていくものなんですよねぇ。

── まぁでも、すっぴんで働くのは理想よ。私も昔はそうだったわ……。ところで、造園学を志すきっかけは何だったの?

鈴木 えっと、なんだろう。祖母がお洋服を作る仕事をしていたので、小さい頃からデザインの仕事に興味があったんですよね。それこそ、ファッションデザイナーや、インテリアデザイナーというような職業に憧れていた時期もありました。でも、いまいち自分の感性に自信が持てなかったり、あとは好きなことを仕事にしたらデザインの分野が嫌いになっちゃうんじゃないか……なんて不安を勝手に抱いたり、結局なかなか踏み切れずに育ちました。

── 今のあなたのハツラツとした印象からすると、少し意外ね。

鈴木 そうでしょうか(笑)? 植物の魅力に出会ったのは中学生の頃です。もともと実家が東京都の高尾山の近くなので、緑に囲まれて育ったことも影響しているのかもしれませんが、理科の授業で「なぜ植物はごはんを食べていないのに生きていけるのか」とか、そんな些細な疑問がひとつずつ解決されていくのがすごく楽しくて。数学は苦手だったのに、植物が好きだという気持ちだけで大学は理系に進むことを決めました。

── へぇ。

鈴木 大学入学当初は、バラの研究をしたいと思っていたんですが、授業を受ける中で造園学に出会いました。造園学は、簡単に言うと「お庭をデザインする学問」。好きな道を進んできたはずの植物という分野の中で、幼いころに憧れていた「デザイン」に再会した私は造園学に、ある種運命的なものを感じて「もうこれしかない!」と。

── なるほど、そこで造園学に出会って、進む道を決めたわけね。たしかに運命的だわ。ねぇ、鈴木さんが思うグリーンの魅力ってなぁに?

鈴木 「完成したときが完成形じゃないこと」でしょうか。もちろんお仕事ですから、お客さまに納品する際は最高の状態を目指さなければいけません。でも、植物は生き物なので、納品したしないに関わらず、未来永劫ずっと変化し続けていくもの。ですから、その成長も加味してデザインもするんです。それってとってもクリエイティブな作業だと感じます。

あとは、じつは本物の植物ではなく、フェイクと呼ばれる人口植物を扱ったりもしています。最初は少し戸惑いましたが、でもやってみると「いかに命を吹き込むか」に魅力を感じて。

とにかく、グリーンが好きなんですよね。

── いいわね、私もお花は好きよ。「芍薬」と、あとは花言葉が「死んでも離れない」っていう枝モノの「ヘデラベリー」とかね。

鈴木 ヘデラベリー……よくご存知ですね。

── ふふ。

「2011年東京きものの女王」「2013年ミス日本グランプリ」の経験を経て

── ねぇ、あなたのことを前から知っている気がするんだけど、なぜかしら? テレビや雑誌で見かけたことがある……?

鈴木 もしかしたら、私が「2011年東京きものの女王(*1)」や「2013年ミス日本グランプリ(*2)」だからかもしれませんね。

(*1)東京きものの女王:東京を代表する「きものが似合う女性」を決めるコンテスト(主催:東京きもの振興会)

(*2)ミス日本コンテスト:日本の代表的な美しいお嬢さんを選び育てて、美人の指標とするという目的をもち、美しい女性に栄誉と実益を与えようという願いを持って行われているコンテスト(主催:ミス日本コンテスト事務局・和田研究所)

── あら、そうなのね? 普通に話しているけれど、私は今とても驚いているわ。

鈴木 あはは(笑)。どちらも元、ですけれどね。おかげで、普通では経験できない、さまざまな機会をいただくことができました。

じつはいまの仕事も「東京きものの女王」での経験が影響しているんです。造園を学び始めた頃は、もっぱらイングリッシュガーデンに魅力を感じていたんですが、「東京きものの女王」になって、カレンダー撮影で京都に行った際に十一代目小川治兵衛さんという方にお会いする機会があって。

ちなみに、十一代目小川治兵衛さんは、平安神宮のお庭を作った七代目の御子息で、日本庭園を学ぶ者にとっては雲の上の存在のような方なんですが。

── 私もお会いしてみたいわ。

鈴木 ですよね! この方にお会いしてお話を聞いた時、私は初めて日本庭園の魅力に気が付くことができました。そこからは日本庭園について調べ直して、国土交通省の企画でお庭をデザインさせていただいたり。今は2020年のオリンピックに向けて、和のおもてなし空間を作って世界の方に楽しんでいただきたいと思うようにもなりました。

kaguya_erika鈴木 東京きものの女王というネームバリューを持つことで、自分が生きている世界とはまた別の世界を垣間見られる。そのことに気が付いた私は、さらに大きなネームバリューである「ミス日本コンテスト」に挑戦することを決めたんです。

── へぇ、そうだったのね……。「ミス日本コンテスト」って、どんな世界なのかしら。過去には藤原紀香さんがグランプリに選ばれたりしているわよね。

鈴木 はい、よくご存知ですね。

── 昔出たいと思っていたもの。

鈴木 そ、そうなんですね。

「ミス日本コンテスト」の選考過程を少しお話しましょうか。まず書類審査に始まり、面接、地区選考を経てファイナリストに残ると、最終審査の日まで随時行われる「お勉強会」に出席する資格が得られます。

そこでは、ウォーキングやヘアメイクなどのレッスンはもちろん、浮世絵や能、現役外務省の方を講師に迎え外交について、そしてスピーチや自己プレゼンテーション、コーチングなどのレッスンがあります。ミス日本グランプリに選出されると、翌日から日本の代表として観光庁のお仕事などをすることになるので、そういった教養を身に付ける機会をいただけるんですね。

この勉強会に出席したいから「ミス日本コンテスト」に挑戦するという方もいらっしゃるくらいで……。

── あなたのその内側からにじみ出る知性は、きっとそこに由来していたりもするのでしょうね。

鈴木 いえいえ。そして、そこで半年間共に学んだ者同士が、最終審査でステージに上がり、その年のミス日本グランプリが決まるという順番になっています。

── お勉強会……すごいわ。そして、なかなか長い選考過程ね。

鈴木 華やかに見えるかもしれませんが、意外に過酷なコンテストですよ(笑)。

ミス日本グランプリの鈴木恵梨佳さん

── ミス日本になって、よかったことってある?

鈴木 そうですねぇ、いろいろありすぎて……。うーん。ねぇママ、なんでミス日本に水着審査があるか、ご存知?

── そういえば理由を考えたことがないわ。プロポーションの良し悪しのお話?

鈴木 そう思いますよね。でも、じつは少し違うんです。これは、勉強会の中で先生に教わったことなのですが、プロポーションを見る以外に、いかに自分を守るものがない状態で、心と体、発する言葉に自信が持てるかというセルフプロデュースの観点で評価するという意味合いもあるらしいんですよ。

── へぇ〜。

鈴木 私は、それを聞いた時に「今の自分の体ではステージに自信を持って上がれない!」と思いました。そしてすぐに、最終選考日までミス日本式ダイエットで炭水化物や糖分などをすべて摂らない生活をすることを決めました……。

── (ミス日本式ダイエットが気になるわ……。)

鈴木 すごく辛かったけど、最後までそれを続けてステージに立った結果、分かったんです。鏡に写る自分がどれだけキレイに痩せられたかだとか、もうそういったことを超えて、「私は半年間あれだけやったんだ」という自信が、最後の最後、あと一歩のところでものすごく背中を押してくれるということに。

── なるほどね。「頑張る」っていう意味がよく理解できる、良い経験だわ。水着審査って、一番過酷な審査ってよく言われるわよね。

鈴木 そうかもしれませんね。日本の全テレビ局はもちろん、世界のテレビ局のカメラを向けられる中で、50名近い審査員の方、そして100名以上のお客さまの前で、水着だけをまとった姿でステージに立ち続ける……。たしかに過酷です。

しかも、1分間スピーチをする時間を与えられるのですが、自分が話す「お題」は、話す直前に自ら引くカードに書かれているので、事前に準備ができないんです。

── 極限の緊張状態、ってやつね。

鈴木 女性の社会進出問題や原発の賛否など、難易度の異なるさまざまなお題が用意されているのですが、候補者が何を引くかという「運の良さ」まで選考に含まれているというこの審査。

── あなたが引いたカードには何て書いてあったの?

鈴木 「日本の尊敬する歴史上の偉人を、尊敬する理由と共に答えよ」と。

── ……誰を挙げたの?

鈴木 第10回目のロサンゼルスオリンピックで総合馬術競技耐久種目に出場した城戸俊三選手です。その方は入賞確実かと思われたレースのゴール直線で、愛馬の様子がおかしいことに気が付き、レースを離脱して愛馬のことをおもんばかった方。私もその方のように、ここ一番の時にほかの人を慈しむ心を持てる人になりたいと話しました。

── あなたがグランプリを取った年のコンテストのテーマは「慈しみの心美人」よね。ぴったりの回答ね。まるで神様があなたにそれを言わせたかったかのような。

鈴木 私は、本当に引きが強い、運がいいと思うんです。これは昔からで……本当に運がいい。

人って走馬灯みたいに記憶がよみがえる瞬間があるって言うじゃないですか。私、このカードを引いてスピーチをする瞬間に、過去に通り過ぎてきたいろんな点がつながって線になって、ステージでマイクを握っている自分の周りにぶわーっと集まってくるような感覚を覚えました。鳥肌が止まらなかったのを今でも鮮明に思い出せます。

ファイナリストになったばかりの頃、ミス日本の先輩で日本画家の、中村麻美先生の日本童話や偉人を取り上げた作品展を見に行ったこと。40点近い絵画と、その絵画に描かれた物語が並んでいる作品展の中で、 心惹かれる人物の作品について中村先生と語ったこと。

そして、最終選考の前夜、100人以上が集まるパーティで中村先生に再会し、その人物について再度語っていたこと……。その人物こそが、スピーチで語った城戸選手だったんです。

つまり、私はこの質問に答える準備を、前からしていたような気がしました……。

── なんだかゾクッとしたわ。

バラバラに見える毎日の何気ない出来事は必ず未来の自分に繋がるのだと、私はそのときに確信しました。それに気が付いてからは、日々の過ごし方もがらりと変わりましたね。やれることは全部やりたいし、見られるものは全部見ておきたいと思うようになりました。

グリーン美人の後付上手

鈴木恵梨佳さんが、秋篠宮ご夫妻がご臨席になる式典で制作したモニュメント
秋篠宮ご夫妻がご臨席になる式典で制作したモニュメント

── 自分で自分のことを運がいいと言える人は強いものよ。なんだか、鈴木さんはポジティブな人に見えるわね。

鈴木 ポジティブ? そんなことないです。ネガティブだからこそ、ポジティブに考えないとやっていけないなって思っているくらいで。

── そうなの? 辛いと思うこともあるの?

鈴木 もちろんたくさんありますよー! へこむ時は本当にすごくへこむし、苦しいことも泣くことも過去にはたくさんありました。でもあとから振り返ってみると、逆にあれがあったからすごく成長できたとか、勉強になったなぁって思うことが多いですね。

例えばですけれど、ミス日本グランプリになった直後に、すごくネットバッシングを受けたことがあったんです。自分で直接調べることはしていませんが、SNSのアカウントなどに「不細工」みたいなことをたくさん書き込まれると、さすがに友だちも気が付いたりして。

── へぇ……。

鈴木 ミス日本は、何度も申し上げている通り、ただの美人コンテストではなく、内面や将来の伸びしろを評価してくださる部分が大きいんです。でも、そこへの理解がない方にはたしかに私は納得がいかない者かもしれません。

世の中の美人の顔の比率みたいなものにも全然当てはまらないし、私よりキレイな方なんて日本に何百にも何千人でもいらっしゃる。自分でも分かっているけれど、それでも苦しくて。メディアのことを嫌いになりそうになったし、世の中全部が敵なのかもなんて気持ちになったこともありました。

でも、それが逆に好影響を与えてくれるものかなって思えるようになったんですよね。

── なぜ?

鈴木 ネットバッシングがあったからこそ、目の前で私と会うために時間を割いてくださっている方々の大切さとか、ありがたみを身にしみて感じるようになったんです。

ミス日本になると、一年間は毎日のように活動に行くので、様々な方に「キレイですね」とか「素敵ですね」って言っていただける機会が増えます。でも、もしかしたらお調子者の私はどこかでその「キレイですね」という言葉を当たり前のように受け取ってしまっていたかもしれないんです。

でも、ネットバッシングのおかげで、それらの言葉が涙が出るほどうれしいものだって再認識することができました。せっかく会った方に「不細工」とか、「こんなものか」とかって思わせたくない。だから、ヘアメイクも知り合いの方に教えてもらって工夫したり、ファッションも勉強して、少しでもセンスが磨けたらいいなと努力してみたり。

── いい心の持ちようだわ。

鈴木 そういったことを続けたら、最終的には「あのネットバッシングって、すごくお調子者の私のために、神様が用意してくれた『意地悪な天使』だったんだろう」って思えるようになったんです。

乗り越えるというか、納得できたと言うか。キレイ事では全然なくて、過去に起こったことは、私にとって必要なことだったんだと思います。いろんな物事をプラスに捉えて、自分では後付上手だなって思ったりしますが、どうせ同じ時間を生きるなら、楽しかった、良かったなと思える時間を過ごしたいじゃないですか。どんなに失敗したり悔しかったりしても、あとから見たら「あー、あれがあってよかったわぁ」って思えるように。そんな思考回路で生きていますね。

── 素敵ね。なんでそういった考え方を持つようになったのか、自分で理由は分かる?

鈴木 母の影響でしょうか。私が小さい時、母はいつも「悲しことや嫌なこと、嬉しいことや良いことというのは、同じ分だけ人生の中で用意されているのよ」と言っていて。悲しいことがあった時など、何かあるたびに言ってくれていた言葉でしたから、人生はそういう風にバランスが取れるものなんだって意識を持つようになったのかもしれません。

例えば朝遅刻したり、嫌なことがあったとしても、その日一日を憂鬱な気分で過ごすのではなくて、今日の嫌なことはもうすべて使い切ったから、じゃああとは良いことしか残っていないって思うような。

── いいわね。

女性として、一生クリエイティブな作業をしていたい

ミス日本グランプリの鈴木恵梨佳さん

── 鈴木さんは、一生仕事をしていきたいなと思うの?

鈴木 うーん、どうでしょう。母親が保育士なので、子どもを持つことにすごく憧れというか、夢を持っています。子どもが産まれたときの仕事とのバランスは、漠然と不安を抱きはしますが、でも何かを生み出し続けるというクリエイティブな作業にはずっと関わっていたいなと思いますね。

── うんうん。

鈴木 常に自分がいいなと思うことに関わって生きていきたいなと思いますし、あとはそのいいと思ったものを人に伝えるという媒介役も担ってみたいなと思いますね。ファッションにも興味があるし、後輩の相談役になるのも好き。自分の経験から、なにか人を元気にするような取り組みをしたいなとも思いますし……こうやって話してみると、やりたいことってたくさんありますね。

── そういえばあなたは、モデルの仕事もしているのよね?

鈴木 はい。でも、自分がプロのモデルであるという認識ではないんです。モデルという職業に就いている方は、自分の身体がいわば商品なわけですから、そのためのプロポーションを維持する努力や、日頃からの意識ってやっぱり本当にプロなんです。私なんかが簡単に「モデルを仕事にしています」と言ってしまったら失礼なくらいで……。

だから、私は「パラレルキャリア」としてモデルをさせてもらっています。あくまでも、造園・園芸店での勤務が本業。プロではないけれど、こんな私でもモデルとして起用してくださる方がいるのであれば、ぜひやらせていただきたいと思っています。

ミス日本の鈴木恵梨佳さん
(撮影:田中誠
田中誠さん撮影の、鈴木恵梨佳さん
(撮影:田中誠

── なるほどね。じゃあ今は、まずグリーンの仕事を中心にしたい、と。

鈴木 そうですね。「オリンピック・パラリンピックの際に、自分が作った和の緑の空間で世界の方をおもてなしする」。今はまず、その目標に向かって頑張りたいなと思っています。

【かぐや姫の胸の内】いつか月に帰ってしまうとしても

── 最後にひとつ聞いていい? かぐや姫は、月に帰ってしまったでしょう。ねぇ、鈴木さんは、もし明日月に帰るとしたら、どうする?

鈴木 月へ? 明日帰ってしまうとしたら、ですか?

── そう。

鈴木 えー! どうしよう。

楽しいこと。とにかく好きなことをします。全部! 食べたいものを食べて、好きな人を集めて。パーティを開いてもいいかもしれません。

今まで自分が得て、いいなと思ったものをすべてかき集めて「これが最高」と思うものを作り上げ、そこでみんなで楽しみます。ふふふ、楽しそう。

── ……あなたの未来はきっと明るいわね。

鈴木 明るくないと、嫌じゃないですか。せっかく一回きりの人生を生きているのですから、笑顔で過ごす努力をしなきゃ。世界にはまだ知らないことや、楽しいことがたくさんあるはずです。

── そうね。いつ明日がなくなるかわからないから、なるべく楽しく毎日を過ごしましょうか。また、いつでも遊びにいらっしゃい。明るい笑顔と、楽しい言葉を聞けてうれしかったわ。また遊びに来なさいな。

— 立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花 

(トップ画像撮影:田中誠

お話を伺った人

鈴木 恵梨佳(すずき えりか) 大学にて造園緑地学を専攻、緑地設計デザインを学び、2013年に卒業。現在は造園・園芸店勤務。 2011年度東京きものの女王、2013年度ミス日本グランプリとして様々な経験の中でインスピレーションを広げ、緑の空間をデザインプロデュースする目標に向かって修業中。公式ブログ:鈴木恵梨佳のGreen Dialy

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(撮影:Akemi SHUTO)
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(撮影:Akemi SHUTO)
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(撮影:Akemi SHUTO)

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探求者

伊佐 知美

旅するエッセイスト、フォトグラファー。1986年生まれ、新潟県出身。世界中を旅しながら取材・執筆・撮影をしています。→ さらに詳しく見る

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【かぐや姫の胸の内】人生のハンドルは、私の手で握りたい− 長友まさ美 − 【蔵前】【かぐや姫の胸の内】ごはんとくらし、本を愛する私たちの出版社「アノニマ・スタジオ」

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