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【かぐや姫の胸の内】「盛り上がってたら盛り上げてた」―サムギョプサル和田―

【かぐや姫の胸の内】多様な生き方が選べる現代だからこそ、女性の生き方を考えたい──

ここは、都会の喧噪から引き離された知る人ぞ知る老舗スナック。
夜な夜な少なの女性が集い、想いを吐露する隠れた酒場。

確かに近年、女性が活躍する場は増えて来たように私も思う。

自由に生きていい。そう言われても、

「どう生きればいいの?」

「このままでいいのかな。」

「枠にはめられたくない。」

私たちの悩みは尽きない。

選択肢が増えたように思える現代だからこそ、
多様な生き方が選べる今だからこそ、
この店に来る女性の列は、絶えないのかもしれない。

ほら、今も細腕が店の扉を開ける気配。

一人の女性が入ってきた……

今晩のゲストは、あやまんJAPANのスタメン・サムギョプサル和田さんです。

サムギョプサル和田

自分が盛り上がってたら、必然的に盛り上げる側にいた

和田 こんばんは……♡

── こんばんは。失礼ですが、年齢はおいくつ?

27歳です。(2015年1月現在)

── 仕事は何を?

ええと、あやまんJAPAN株式会社で、日本を盛り上げる仕事をしています。

── いいわね。……ん? 日本を盛り上げる仕事?(笑)

そうですね、自分が盛り上がってたら、必然的に盛り上げる側にいたと言うか。

── ……はい?(笑)

えーっと。(笑)プライベートの延長みたいな感じで。ある日、六本木のとある飲み会で、プライベートで盛り上がっていたら、偶然あやまん監督にスカウトされて。気が付いたらそれが仕事になっていた、という感じでしょうか。もともと飲み会で自分が盛り上がることとか、場を盛り上げることが好きで。それが生かせる場所を見つけて引き抜かれて……それまで友達の輪でだけだった活躍の場が、公の場だったり見知らぬ方を対象にしたりと、舞台が広がった、みたいなことだと思います。

── プライベートと仕事が一反木綿みたいに繋がる感じの始まりだったのね。しかしすごい仕事の見つけ方。

そうかもしれないですね。(笑)最初はアルバイトみたいな感じで、メンバーが変わるタイミングでオーディションを受けたら、幸いなことに勝ち上がっていくことが出来て。その中で、本格的に関わろうと心が決まっていきました。

── なるほど。それはそうと、美味しいお酒を作ったわ。お飲みなさい。

東京と仙台、人生を変える移動があった

サムギョプサル和田

── それ美味しいわよ。ところで、あやまんJAPANは新卒採用?

いえ。(笑)横浜の大学を卒業した後、一般企業の営業職に就いたんですが、配属が仙台だったのでそちらに引っ越しました。私の出身は東京都で、あとは神奈川県に住んだことがあるのですが、仙台は初めて。辞令をもらった時はその場でわんわん泣いてしまいました。あれは辛かったというか、不安でしたね……。

── 仙台から東京に帰ってきたのはなぜ?

そこ聞いちゃいます?(笑)これが結構色々あったのですが……。まず営業の仕事が月〜土までで、辛くて。あの頃は自分が女であることを忘れるほど働いていましたね。メイクや服に気を回す余裕なんか全然無い。そういったことにはどんどん無頓着になっていきました。

今も同じ仕事を続けている人はもちろんいるので、それも私にとっては、という話ですけどね。結婚して仕事を辞めるつもりでいたから、正直部長になりたいとか、女性として上り詰めたいとか、そういったキャリアアップは考えてなかった。だったらいつ辞めても一緒じゃん! って思ってしまったんですよね。

結婚詐欺みたいなもんでしょうか

サムギョプサル和田

── 前の仕事の時に、結婚を考えている相手がいたと?

完全に余談ですが、はい。その時付き合っていた彼氏と結婚するつもりで、だから仕事を辞めた面もあります。彼は名古屋にいたから、仕事を辞めて少し東京でゆっくりしてから引っ越そうかなと思っていたところに、今の仕事に出会ってしまって。

今思えば、私結婚詐欺みたいなもんかなって。(笑)おめでとうって言われて前の会社を送り出されたのになぁ。

── 私もそういった経験があるわ、大丈夫。そんなもんよ。それで、先ほどの六本木の出会いに繋がるのね。

本当ですか……?(笑)何にも仕事をしていなかったから、名古屋に行くまでで良いからアルバイトで働かない? と言っていただけたんですね。そこで初めて人を盛り上げることを仕事にしました。

ただ盛り上げることが好きなわけじゃない

── 人を盛り上げる仕事の魅力って何かしら。

エンターテインメント、一つのジャンル…。この仕事の魅力って、ただ盛り上げることじゃないんですよね。一方通行ではないと言うか。パフォーマンスをしてそれで終わり、お客さんは見てるだけ、ということではなくて、私たちの仕事はお客さんを絡めた芸をすることが特徴なんですね。一体型なのかな? せっかくだからそこにいる人たちがもっと楽しめる空間を作るっていうのが仕事で。

── あなたたち、テレビで見たことあるわ。その時のイメージで考えていいの?

そうです。試合と呼んでいる私たちの活躍の場で、みなさんをとにかく盛り上げるんですよ。今も昔も、同じ活動を続けています。

── あくまでも、グループでやりたい?

はい。あやまんJAPANでやっていきたいです。個人では限界もありますし。

自分の感情を一人の人に注ぐべきじゃない

── 彼氏がいたら、どう?

いない方が楽。(笑)自分の感情を一人の人に注ぐべきじゃないと言うか。やっぱり、発信するのは一個人ではなく世界に向けてだから、みんなのものであるべきだと思います。……って、アイドルじゃないから違いますね。あ、恋愛は禁止じゃないですよ。それぞれ好きにして良いって感じですが、でも私はそう思ってしまうなっていう話です。せっかくだから労力とか愛はみんなに注ぐべきだなぁって。

彼氏がいない方が、時間を自由に使えるという面もあるますしね。彼氏と遊んでるんだったら他にできることがあるんじゃないの?みたいな。(笑)

と言いつつ、彼氏がいたら気持ちは安定しますよね。精神的に落ち着ける。

── なるほど……。私は結構彼氏にまっすぐになってしまうタイプだったから、少し違うわね。ってそれはどうでもいい話だわ。結婚はしたいと思う?

いつかはしたいです。でも、今は結婚できないですね。今の私は中途半端で、出来上がっていない状態だから。このまま結婚したら不完全燃焼で終わってしまう気がすると言うか。

サムギョプサル和田

── それは、仕事においてということ?

うーん……。そうですね。私、今自分は諦めるか達成するかの分岐点に立っていると思っているんです。それまではやるしか無い。諦めもつけられないし、今の仕事で何も達成出来ていないから、今は進むだけ。結婚したら逃げてしまうことになる気がするから、今結婚できないなと思います。

── サムギョプサル和田さんの言う、達成とはなぁに?

あやまんJAPANは、過去にすごく頻繁にメディアに取り上げられた時代があって、そして今また地道な下積み時代に戻っているんです。もう一度再ブレイクして、私が結婚した時にフライデーされたりとか……。今辞めても誰からも何とも思われないだろうなと思うと、嫌だし……悔しい。

達成が何かはちょっとまだ定めきれていないっていうのが正直なところだけど、でもそれくらいになるまでは辞められないなと思っています。

仕事って自分の存在意義だと思うようになりました

── 働くって、何なのかしらね。

私にとっては、「自分が生きている意味」です。

仕事をしていないと、社会と繋がっていないとか、自分の生産性がないって感じがします。実際、過去にニートをしていた期間が半年ほどあったのですが、その時本当に自分が何のために生きてるんだろうと思ったんですよね。寝て起きて、予定がある日だけ飲みに出掛けて……少し寂しくなりました。私、世の中に何も貢献していない、って。

あ、でもそれは、ニート経験があったから思うことなんでしょうね。だって、さっき言ったみたいに、以前は結婚したら仕事は辞めたらいいって思ってたんですもん。

結婚したらしたでやることはたくさんあるんだろうなと思うし、それはとても素敵なことだと思ってます。でも、ニートはやばいと思ったんです。だから仕事って、今は自分の存在意義なのかなと思っています。

── 良い意見ね。仕事をする上で男性と女性の違いはある?

意識したことはないですね。確かにあやまんJAPANは女性を武器にしている部分があるけど、でもそれって女性に限ったことじゃない。男性は男性で、男性であることを最大限に活かして盛り上げるような場面がありますよね。だから、あんまり男女関係ないなと思っています。

女性に産まれた私が今思うこと

サムギョプサル和田

── 女性に産まれて良かった?

良かったんですかねー……。うん、いや、良かったのかもしれないですね。こうやって自由に生きていられるということは。

── 男性よりも女性は自由に生きられる、と?

どうなんでしょう……難しいなぁ。でも、男性って女性みたいに妊娠や出産などの転機が無い。転機があるっていう点で、女性の方が自由かもしれないなと思っています。

対して、世間でよく言われるファッションやメイクが楽しめるという点は全くメリットだと思ってないです。まぁでも、男性として生を受けていたら、男性で良かったなって思うんでしょうね、きっと。

サムギョプサル和田

── 子供は欲しいと思いますか?

欲しいです!今は全然考えてないし、欲しいと思った時に欲しいなぁ、っていう漠然とした気持ちがあるって感じなんですが、体力的とか年齢的には限界が来る日も来るのかなって思ったりも……。

── この子供が欲しいと思う気持ちって、なぜなのかしらね?サムギョプサル和田さんは、どう思う?

自分の分身がいるっておもしろいですよね。あとは、私が産まれたのって、両親のおかげなわけじゃないですか。産んでくれたおかげで好き勝手なことが出来ているわけで。私も、同じような家庭を築きたい、自分も子供を産んで、同じようなことをしてあげたい。後世に続けていきたいなと思うんです。

── 確かに分身みたいなものなのかもしれないわ。同性なら特に。産まれてきてくれたら、どんな子に育てたい?

サバンナに出したいですね。(笑)野生で育って欲しいんですよ、動物と会話できるくらいの子に。

── 野性味溢れる子、いいわね。あなたも頑張れば話せそうな気配がするわ。じゃあ、生まれ変わるならもう一度女性?それとも男性がいい?

男性がいいです。女性として一度生きたら、次は男性がいい。だから今回の人生は全力で女性を生きるしかない。

あやまん監督はやっぱりすごいと思うんです

── ロールモデルとか、憧れる女性像について考えたことはある?

あんまり考えたことないなぁ……。

でも、やっぱりあやまん監督は凄い人だと思っているし、一番身近にいる目指したい存在だなと思っています。年齢は8歳上。超えたくても超えられない人です。スキルだったりセンス、能力の部分かな。持ってる物が私と全然違うって、いつも思います。

── 8年後、自分はあやまん監督を超えられるイメージはある?

……ありません。思えない。

それくらい圧倒的な差を感じているんです。あの人にしか無いものがあって、それを毎日近くで見ているから。もちろん学ばせていただくことはたくさんありますし、自分でも盗みたいと思っているから、目指してはいるけれど、8年経っても無理って思います。

── 良い先輩がそばにいるのね。あなたは10年後どうなっていたい?

将来どうなっていたい?という質問は正直とても困ります。死んでてもおかしくないじゃんって思うんですよ。いつ死ぬか分かんないのに、そんな先のこと考えてらんないって思う。目の前のことを一つずつ一生懸命やっていきたいなと思っています。

サムギョプサル和田

── サムギョプサル和田さんは、毎日が楽しそうね。

楽しいです!明日死んでも悔いが無いように今を生きるしか無いんだなぁって。

── でも、不安や悩みが無いわけではないでしょう?

いや、無いです。あんま無いですね。(笑)楽しいことの方が多い!……不安ですけどね。この先どうなるんだろうとかたまに考えますけど、寝たら忘れちゃう。(笑)

【かぐや姫】いつか月に帰ってしまうとしても

サムギョプサル和田

── かぐや姫は月に帰ってしまった……。あなたはなぜこの地球に産まれて来たのだと思いますか?

そういった哲学的な話、大好きです。でも、なんで私産まれて来たんだろうって考えると、怖いですよね、少し。

なぜでしょう?でも、さっき言った子供の部分かな、やっぱり。自分が味わったことを自分で終わらせてしまってはいけないなって。だから、自分が両親から受け取ったものを後世に繋げていくために生きているし、そのために産まれて来たんだろうなって思います。

── もし今、かぐや姫と同じように月に帰らなければならないとしたら?

私は普通に暮らしたいです。最後の日も日常を続けたい。それくらいの気持ちで毎日を生きたいですね。

やりたいことはたくさんあるけど、後悔しないようにやりたいことは今すぐやらなきゃ、今すぐ行かなきゃ!とかって焦って生きているわけではないんです。今の自分に満足しながら生きることと、それは別だなと思っていて。

普通って逆ですよね。今の自分に満足しないで、ハングリー精神で向上心を持って、というのが普通……ですよね?

でも私はやっぱり、今の自分に満足したり、今の自分を好きにならないと「今を生きている」ことにならないなと思うんです。今やりたいことに精一杯、今の自分に楽しい生き方がしたい。

……結局何が言いたいのかというと、あやまんJAPANって○リマンなんです。

── ……え?

いつだってやる気まんまんの、○リマン、てことですよ!

── わ、分かったわ。いいわ。了解。

あなた、素敵ね。自分に正直で好きだわ。また、遊びに来てちょうだい。女性は自由。でも、きっと明日はまた違うあなたなのよね。私たちは、月のリズムで躯が変わったりする生き物だもの。お会計?不要よ。ほら、早く家にお帰りなさい。ただし、今日は一人で眠ることね。

—立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花— 

お話を伺った人

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サムギョプサル和田 @gyopu_wada
あやまんJAPANオフィシャルブログ:http://ameblo.jp/ayamanjapan/

 

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伊佐 知美

旅するエッセイスト、フォトグラファー。1986年生まれ、新潟県出身。世界中を旅しながら取材・執筆・撮影をしています。→ さらに詳しく見る

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【かぐや姫の胸の内】写真家・周東明美の光と物語のチベット 【かぐや姫の胸の内】多様な生き方が選べる現代だからこそ、女性の生き方を考えたい―。

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