郷に入る

【西荻窪・番外編】レトロかわいい縁側付きの古民家一軒家に住みたい!

帰りたくなる町に暮らそう。【西荻窪】特集はじめます。

東京には、おしゃれな高級マンションやデザイナーズ物件ばかりではありません。時代のうねりから、ころりとこぼれ落ちてそのまま流れ着いたような古い木造建築や民家が、ぽつりぽつりと存在しています。

西荻窪の不動産屋さん「東京トラスト」さんに連れてきていただいた、この民家もそのひとつ。開ければふわりと木の香り。決してスタイリッシュではないのに、どこか心惹かれる落ち着いた古民家一軒家です。

西荻窪の古民家の玄関

ことのはじまりは、西荻窪特集のこちらの記事でした。

もとくらの特集の最中に「西荻らしい物件ってなんだろう?」というのを、「東京トラスト」さんと一緒に探していて、取材後しばらく経って「西荻っぽい物件を見つけました!」と再度ご連絡を頂き、さっそくその物件へ。

平屋一戸建ての古民家

築年数は約60年ほどだというこちら。隣に大家さんがお住まいで、周りは閑静な住宅地です。

庭の小道

敷石の庭を通って中へ入ります。玄関には障子の貼られた鴨居が。どこかの隠れ家料亭のような雰囲気に、つい「おお!」と声を上げてしまいます。

玄関入って正面

裏から見ると暖色の照明に照らされて、また味があります。玄関を入ってすぐのスペースは、4.5畳の和室で、各部屋にかならず棚や押入れなどの収納が付いています。

裏側から玄関前の障子を見たら満月みたい

4,5畳の居間と6畳の部屋

トイレには通気性と明るさ十分の小窓がふたつ。タイル張りの内装は、やっぱりどこかレトロですが、それもまた味。

トイレ

襖、障子で仕切られた部屋たち

仕切りは策子のついた木造の扉とふすま。すべて開ければ角のガラス張りの窓からあたたかな日差しと心地よい風が吹き込む構造になっています。

内装からすべて木造

いちいち味のある引き戸

廊下

また、床が畳ではなくフローリングになっている洋室も2部屋あり、椅子での生活に慣れているひとでも使い分けができるのも住みやすい点です。

書生の部屋みたいな一室

もちろん築年数相応の古さだってあります。お風呂は広さは十分ですが、冬場などはちょっぴり寒そう。

ちょっと寒そうなお風呂

また洗濯機は外へ設置する仕様になっています。雨風に耐えられる、強い洗濯機を入手する必要がありそうです。

洗濯機は裏側へ置くタイプ

不便だなあと感じることがあるかもしれません。古いから、理想をぬかりなく網羅していないかもしれません。けれど、100パーセント快適な家なんて無い。少しくらい「あれ?」と思うところがあるほうが、人間味があって一緒に暮らしている感覚になるのではないでしょうか。

憧れの縁側に妄想がふくらむ

平屋の一軒家のこちらには、桜の木が植えられた庭があります。こどもであれば駆け回って遊べるくらいの広さです。

お庭にも出られる

そして、部屋を縁どるように縁側があり、晴れの日は窓を全開にして外に足を投げ出し、日向ぼっこをしたり読書をしたり、うとうとまどろんでしまうようなお昼寝を楽しむこともできます。

庭に出られる縁側

縁側の魅力は、家を仕切る壁が可動式であることから、内と外とをつくる境界線をゆるめ、部外者と家の中の人との距離感をぐっと近づけてくれる場所だというところにあると思います。

縁側の上にかかる軒

文字通り「縁」をつなぐ場所だから、決して個人の生活に土足で踏み入らないけれど完全な客人としてというよりは、いつでも迎え入れられるような距離感。

縁側というスタイルに対して尽きないあこがれは、現代の都心の希薄な人間関係には足りないからこそ生まれるのかもしれません。

チラリズムとレトロが共存するすりガラス

木造の家ということの他に、特に心惹かれるのは部屋と部屋を仕切るふすまや窓にはめ込まれた、すりガラス。すりガラスというと、こういう細かい凹凸のある、ぼやっと人影が見えるようなものを想像するかもしれません。

ノーマルなすりガラス

ですが、このお家には、様々な模様が施されたすりガラスが特に統一されずバラバラに、そしてさりげなく設えられています。柄はレトロでありつつ、人影が蜃気楼のように見えるすりガラス独特のチラリズムが、この民家の趣きと味を引き立ててくれるのです。

すりガラス

きらきらすりガラス

こだまみたいなすりガラス

「西荻らしい物件」とは

見せていただいた物件は、暮らすのに必要なものは全て揃っていますし、今にも崩れ落ちそう……というほどの古さはありませんでした。もちろん、新築ではありませんから、ふすまの立て付けが悪くてうまく引き戸が動かなかったり、お風呂がちょっと寒そうだったり、ツッコミどころはあります。

ですがその「ツッコミ」が生活の足かせにならない程度に、遊び心のように散りばめられている場所が「西荻らしい」と言われる部分なのかなと思います。洗練され過ぎず、だからといって頭を抱えるほどの欠点はない、ちょうどいいバランスを楽しめれば、もっと暮らすことが楽しくなるのではないでしょうか。

この家の情報

※こちらの物件は入居済です。
南荻窪の古民家の間取り
住所:東京都杉並区南荻窪2丁目
最寄駅:JR中央・総武線「西荻窪駅」南口、徒歩約15分
その他条件:ペット可、貸主修繕の免責事項あり

この物件を扱っているお店の情報

東京トラスト
住所:東京都杉並区西荻北2-3-9 Ken’s西荻北ビル3F
電話番号:03-3399-2103
最寄駅:JR中央総武線「西荻窪駅」北口徒歩1分
営業時間:10:00〜18:00
定休日:水曜日
公式ページ:株式会社東京トラスト
■参考:【西荻窪・はじまり】迷わず飲めよ、飲めば分かるさ!㈱東京トラスト川邊社長の愛の町

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探求者

立花実咲

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。生もの&手づくりのもの好き。パフォーミングアーツの世界と日常をつなぎたい。北海道下川町で宿「andgram」をはじめました。→ さらに詳しく見る

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