営みを知る

【西荻窪・朝】ごはんを毎日「ていねいに、」食べよう

帰りたくなる町に暮らそう。【西荻窪】特集はじめます。

朝。ついつい出発ギリギリまで準備をせず、朝ごはんを食べずに飛び出す日々。ランチや夜のご飯は、誰かと一緒に食べたり一日の楽しみだったりするのに、どうして朝ごはんはおざなりになってしまうんだろう?

1週間のうち1日くらい、ゆっくりじっくり朝ごはんを食べる時間があると、ギリギリな毎日が少しだけ変わるかも。

ていねいに、

それが誰かと一緒なら、なおいいと思いませんか? 西荻窪に住むならば、朝ごはんは「ていねいに、」でいかがでしょうか。

鍼灸師の福田倫和さんと、セラピストのcayocoさんの二人でオープンしたお店「ていねいに、」。平日は朝ごはんと夜ごはんを出すご飯処として、昼間はレンタルスペースとして貸し出しを行っているお店です。

ていねいに、

朝ごはんの時間は心の整理をする時間

── 今日の朝ごはんはどんなメニューでしょうか。

cayoco 玄米小豆ごはん、季節野菜のみそ汁、切り干し大根と紫人参のマリネ、カブとカブの葉っぱの地からし和え、里芋の胡麻味噌煮です。定食スタイルで、基本的には乳製品、動物性、白砂糖を使わない野菜ごはんが中心になっています。朝ごはんは、お好みで焼鮭や卵焼きをつけることもできます。

── なぜ、メニューを平日の朝ごはんと夜ごはんに絞ったのですか?

福田 毎日仕事をして働いているひとに、ごはんをしっかり食べて欲しいと思って始めました。歩きながらパンやおにぎりを食べて仕事へ向かう人も時折見かけますが、腰を据えた食事というのは、心の余裕を生みます。自分に余裕があれば周りへの視野も広がる。特に朝にそのひと呼吸ができれば、少しだけ暮らしが豊かになると思います。

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cayoco 私も、お店を開くときに朝ごはんを出すことにはとてもこだわりがありました。私は愛知県出身なんですが、モーニングの文化が今でも根強く残っています。

特におじいちゃんやおばあちゃんは朝7時くらいに喫茶店に行って、世間話とか今日は何をするのかとかおしゃべりします。そういう暮らしっていいなと思って。

ていねいに、

cayoco お店でも朝ごはんを出しながらお客さんと話しますが、最終的に前向きになって帰っていかれる方も多いです。朝は心と体を充電する時間ですから、自分の心を整理する空間にできればと思っています。

友達の家に来たような心地よさ

── 店内にはカウンター席と小上がりがありますが、どちらも靴を脱いで席につくスタイルですね。そのせいか、長居したくなる雰囲気があるように感じます。

福田 靴を脱ぐ、ということはお店を作るときにとてもこだわりました。実家や友達の家に来て、家族や友人がごはんを作ってくれるという雰囲気をイメージしています。僕自身、そういう空気が好きですし、お客さんと従業員という関係ではなく、人としてちゃんと迎えたいと思っています。

ていねいに、

cayoco 福田さんはお客さんの前でも、こうしているときもあまり変わらないですよね(笑)。

来てくださるお客さんも、協力してくださる方が多いんです。特に朝ごはんの時間は、お店にわたし一人だけなので、トレーを持って来てくださったり隣の人にお茶を注いであげたりする人もいます。しっかりごはんを食べるということは、自分のためでもあり相手のためでもあるのかもしれません。

オンもオフも無い、ほどよくかまってくれる町

── 福田さんは西荻窪ご出身だそうですね。

福田 はい、生まれも育ちも西荻窪です。

── 一度西荻を離れて、また戻ってきたのは何故なのでしょうか?

福田 長野県の穂高養生園という場所で6年間スタッフとして働いていました。自分の健康は自分で作るというコンセプトの場所で、観光に来た方や仕事を離れて休憩しに来た方などが泊まる宿泊施設でした。でも、もう少し日常生活の一部として美味しいごはんを食べてほっとできる場所を作りたいと思って、戻ってきたんです。

ていねいに、

── 西荻窪にした理由はなにかあるんですか?

福田 僕にとって一番居心地のいい場所なんです。生まれ育った場所だから馴染みがあるということもありますが、人の距離感がちょうどいいんですよね。ほどよくかまってくれる人が多い町です。僕、住むところと仕事をするところを離したくなくて。

── 町の中を歩いているとお客さんとばったり会ったりしませんか。

福田 しょっちゅうですよ(笑)。でも、誰か知っている人がいる町のほうが暮らしやすいと思います。仕事は暮らしのなかの一部ですから。

だからこそ、地に足のついた暮らしをするために「ていねいに、」は忙しくしている人に特に来ていただきたいんですけどね、そこはまだ難しいですが。

── 西荻窪はオフかオンの町で言ったら、オフの町なのでしょうか。

福田 西荻はオンもオフもない町だと思いますよ。オンとオフで区切ると、自分の暮らしと仕事を分けて考えてしまいますが、分ける必要はあまりないかなと僕は思います。

仕事と暮らしで、あえてスイッチをつくる必要はない。仕事がツラければ、切り分けたいと思うかもしれませんけれど。

cayoco 西荻窪には、暮らしと仕事が別々じゃない人が多いんです。自分のお店が開店する前に「ていねいに、」に朝ごはんを食べに来る人もいますよ。

ていねいに、

福田 個人でやっているお店がたくさんあって、それぞれに色があります。やりたいことを自由にやっていて、自分の手の届く範囲で営んでいるお店が多いです。そういうゆるい雰囲気が、町全体にしみわたっているのかもしれません。

── 町全体がフラットな分、ていねいに暮らすモデルのひとつが西荻にあるような気がしてきました。

福田 そういうことを目指している人は、きっと多いでしょうね。自分に余裕がなければ、ほどよくかまってくれるなんてこともできませんから。

── 「ていねいに暮らす」ためには、どんなことが必要なんでしょうか。どうしたら余裕を持てるのでしょう……。

cayoco そうですね。私たちも考えながらですが、呼吸で自分のコンディションを確認するのがいいかもしれません。息が上がっていたり呼吸が浅くなると、無理しているなっていうサインになります。

そういう自分のバロメーターみたいなものを決めておくと、心と体を調整して、余裕を持たせておくことができるかもしれませんね。

お話をうかがったひと

福田 倫和(ふくだ ともかず)
鍼灸あん摩マッサージ指圧師。西荻生まれの西荻育ち。大学卒業後、メーカー勤務を経て、東洋医学の道へ。鍼灸学校卒業後、自然豊かな穂高の宿泊施設で働く。
やっぱり西荻っていいよなと思い、地元に戻り2014年に西荻に「食とセラピー ていねいに、」をオープン。東京での生活はついつい急ぎがちになってしまうけれど、日々の暮らしをていねいに積み重ねていきたいという思いからこの場所をはじめました。「ていねいに、」が僕にとっても、いらした方にとっても、「日常の中の大切な場所」になるといいなと思っています。

cayoco(かよこ)
東日本療術協会認定セラビスト。タイ文部省認定タイ古式ライセンス取得。「ほっとする」を探して、カフェでコーヒーを淹れたり、穂高で菜食を学んだり、東京・ロンドン・タイでマッサージの勉強をする。
心がほっとする時間が、身体をゆるませ、ストレスや病気をなくすために必要だと思っています。食事を作ること、身体を癒すことは私にとって同じくらい大切なことで幸せなことです。

このお店のこと

ていねいに、
住所:東京都杉並区西荻南1–18–11
電話番号:090–3452–3354
最寄駅:JR中央・総武線「西荻窪」駅、南口徒歩8分
営業時間:平日の朝ごはん 8:00~11:00(L.O.10:30)、平日の夜ごはん 18:00~21:30(L.O.21:00)
※詳細は公式HPにて要確認
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜休み)
参考価格:朝ごはん ごはんセット500円(記事内写真のもの)
公式HP:ていねいに、公式ページ

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立花実咲

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。生もの&手づくりのもの好き。パフォーミングアーツの世界と日常をつなぎたい。北海道下川町で宿「andgram」をはじめました。→ さらに詳しく見る

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